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1章3 陰陽師襲撃
夜、神社裏の暗がりに、陰陽師の気配が漂う。細工された雑多な呪霊たちが現れ、標的は杏里。
旦那さんは静かに呼吸を整え、手元のシリンジガンに目をやる。戦いが始まる。
杏里が先に立ち上がる。軽やかに歩きながら空間をわずかに揺らし、雑多な呪霊を翻弄する。視界の端で赤い光条が飛ぶ。旦那さんがシリンジガンを操作し、血の弾丸を撃ち込む。呪霊はじわじわと弱体化していく。
陰陽師は正面から杏里を攻めるが、瞬間移動「テレポート」と空間ごと振動させて無力化する「シェイクスタン」で翻弄され、攻撃は悉く空を切る。やむなく撤退を余儀なくされる。
月夜をバックに空に舞う杏里。
風に舞う花びらに幻想的な雰囲気が漂う。
「杏里さん、シェイクスタンした後、この人ゲロ吐くから後片付け大変なんだけど」
「しょうがないじゃん、生理的に受け付けないんだから」
星空の下で、二人の距離感は戦闘の熱気の中でも確かに近づいていた。陰陽師の新たな策略が迫ることも、まだ知らないまま――。