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自称論理的天才を味方のふりして公開処刑した後の話

そして、幼少期と比べて自分の社交能力の向上に驚いた。人は嫌いな人との会話を避けたがる。だが、仕事やママ友や嫁姑、避けても通れない時は来る。だから、押してダメなら引いてみたら良い。徹底的に向き合って、相手の方から「自分もう無理っす」て言わせたら良い。例えば今回のように。


あまり良い例ではないが、弱者男性から金を巻き上げるいただき女子りりちゃんはこの手法がとても上手だ。「借金があるの?俺が払うよ」と言わせ、数ヶ月後「何か悩んでるね、リリちゃんはあの暴力彼氏と別れたんでしょ?」

「うん。けど、今度は毒親の保証人にされてて。」

「そんな!待って、それってまさか、僕を騙そうとしてないか?」

「ひどい、あなたが聞いてきたんでしょ?だからわたし黙ってたのに。だから言いたくなかったのに!」

「疑ってごめん、リリちゃんの借金代わりに払うよ」

これを何度か繰り返して、「ごめん、君のことは応援しているけどこれ以上君を支えることはできない」と弱者男性側が自ら去りたいと思うように誘導する技術だ。


メンタリストDaiGoさんの動画で【柔らかい交渉術】という頑固な相手を説得させる技法が、今回ユーマも使った方法だ。いただき女子リリちゃんの手法も根本的には同じだ。


つまり、自分の思い描いた通りの結果を示せるなら、見かけ上いくらでも頭を下げたらいいのだ。


第三者から見て、ユーマは常にチャオに寄り添ったのに、チャオは拒否し、ユーマに罵詈雑言を浴びせた。ユーマは懐が深くて、チャオはゴミ野郎だと多くの人が思っただろう。これが、試合に負けて勝負に勝つということだ。


チャオは共感する意味ってあるんですか?と聞いていたが、日頃から共感してチャオも観衆の心理も理解しているからこんな結果になった。孫子の兵法で、【敵を知り己を知れば百戦危うからず】という言葉がある。勝負は始まる前の準備で決まる。つまり、日頃から他人に興味を持たず自称好奇心旺盛な狭い世界しか見ていなかったから、その視野の外からチャオは俺に刺されたんだ。


人生は必ず嫌なことが起きる。時には逃げることも必要だが、逃げてばかりいると進撃の巨人の冒頭みたいに狭い世界で一生を終えることになる。ここで立ち向かって良かった。えがちゃんとこんなに楽しく盛り上がれるし、月一の雑談枠中にチャオが入って来ることはおそらくもうないのだから。あれだけ俺にコテンパンにされて、来れるなら大したものだ。来て反省してるようならそれで良いし、これだけ格の違いを見せつけられても反省してないなら、何度でもプライドを粉々に砕いてやろう。その度に論理的思考力を鍛えるトレーニングになる。


チャオに伝えたい。「言っただろ、謙虚が最強、能ある鷹は爪を隠す」って。その言葉を実践してやった。投資や浮気、詐欺、敗北。人は痛みを感じないと学習しない。身をもって知れて良かったね。


そもそも、本当に能力が高い人間は自分の凄さをアピールしない。「俺凄いだろ?」と周りに聞く前に「お前すげーな!」と周りに言われるから、既に心が十分満たされていて、アピールする必要がないのである。自分は周りに「人生5周している」と言われてるんですよねーって言ってる時点で、高級車やブランド品を身に纏わないと安心できない、虎の威を借る狐の典型例であると言っているようなものだ。誰がなんと言おうが自分の意思で人生を決めれば良いのに、誰かが承認してくれないと不安になっている時点で人間として底が知れている。


相手と自分が親友だと思っていたら、「俺達親友だよな?」といちいち確認しないのと同じだ。本当に相手が大事なら、言葉ではなく行動で示すだろう。「俺達親友だよな?」とわざわざ口に出す奴らはその後お金を貸してと言ってくる。逃げ道を塞ぐために親友という耳障りの良い言葉を使ってくるやつらは、あなたの親友にふさわしくないだろう。


能力の低い人ほど教えたがるし、能力が高い人ほど自分でやりたがる。大したことない人は日頃から誰に尊敬されるわけでも、役に立っているわけでもない。だから心が渇いて潤いを求めている。そのため、聞いてもいないのにアドバイスや価値観の押し付けをしてくる。だから嫌われて周りから人が離れていき、みんなの注意を引くためまた自慢話をするという無限ループだ。


そもそも、目の前にイチローや大谷翔平や自分が尊敬している人が目の前にいたら、「どうやったらあなたみたいになれますか?」とアドバイスを求めるだろう。俺達が「この人からアドバイスをもらいたい」と思っていない時点で、自慢話をする人間は大したことがないという何よりの証だ。


ユーマの好きな英語のことわざで「猫からは猫の毛皮しか取れない」という言葉がある。人は自分の知っていること以外は教えられないという意味だ。つまり、社畜である両親や学校の先生に「社畜から脱出する方法」を聞いても答えが分かるはずがない。大人は子どもの前で見栄を張ってそんなことを認めたがらないだろうが。


相手のアドバイスに忠実に従ったら自分は最終的にそいつみたいな人間になる。だから、尊敬してない人の話は聞くに値しないということだ。


人間は自分の手の届く範囲からしか人生を変えられない。自分の人生すらまともに変えられない人が、他人に的確なアドバイスはできないし、仮にできたとしても自分が実践できないなら説得力が生まれない。親が普段ダラダラしてるのに「勉強しなさい」と言われても釈然としないのはこのような心理メカニズムが関わっている。


そして、逡巡していると、えがちゃんにまだ返事を書いていなかったことを思い出した。


ユーマ:

チャオさんから返事きました、えがちゃんの思った通りの結末になりましたね笑 思ったより早く終わりがきてちょっと物足りないです笑


俺が悪いと言うことにして、行動せずに逃げ出すと思ってました笑 俺が重たいのと人生と向き合わないのは関係ないんですけどね笑

まあ俺は相当挑発したし、遅かれ早かれこうなるかなーって気はしました(^^)これで、俺の雑談枠中に沸いてくることが無くなればいいなー笑


オチとしては、断頭台に登る前に暴れて逃げ出された…って感じですかね?


結局、自分を変えようと思ってない人に何を言っても無意味、人間観察が捗りました。


越前リョーマは名前しか存じ上げない、

ごべぇええん!


こんな鬼畜の所業を笑顔でやってた俺を愛してくれて、ありがとう!




そうして、ワンピースのエースの泣き顔写真を送った。えがちゃんもワンピースが好きで良かった。


えがちゃん:

終戦早かったですね!

チャオさんは話聞いて〜って来たのに、ユーマさんがちゃんと返したら重たいってなんだよって感じですね結局周りに何にも分からせずに、自分ではじめて自分で終わらせる公開オナニー見せられてたんですかね笑

賢者タイムのまま落ち着いてくれるとありがたいです


精神的な闘いおつかれさまでしたーゆっくり休んで一旦忘れてから小説やYouTubeの肥やしにしましょう、熟成したらいいアイデアに昇華できそう。


真面目になりすぎてると思ったら、テニミュを見てください、ニコ動のコメント付き版で!


ユーマさんはエースばりにいろんな方に愛されてると思うので、愛に包まれてチャオさんとは180°逆の道を歩んでください!




えがちゃんからの温かい言葉を読み返していると、また別の人から個人でメッセージが来た。


ミニ:

ユーマさん、サーバーの【ゆるっと雑談】のチャット欄というみんなが見える所で書くの気が引けたのでこちらで。


チャオさんへのコメント、秀逸だと思って見ていました。

目に映っている自分をみている、の表現とかもう凄いです!

私なら「結局自分のことばかり見てるでしょ」と言ってしまいますもん笑


チャオさんの最後のコメントはあんまりなので一言言おうかと思いましたが、ユーマさんが綺麗に閉めたのでやめときます笑


ユーマさんのコメントは相手に寄り添った思いやりのあるものだとお伝えしたかったです。


というか、全然ゆるっと雑談ではなかったですね笑

ひとまずお疲れ様でしたー



今まで何度か電話したことがある、快活で人の話を穏やかに受け止めてくれる、頼れるみんなのお姉さん的存在のミニさんからエールが来た。彼女はこのコミュニティの古参で、ユーマよりみんなのことをよく知っている。勝利の美酒という脳内麻薬で興奮しているユーマは、すぐに返事を書いた。


ユーマ:

ミニさん、お疲れ様です!実はえがしらさんと裏で話しながら、【みんなが見ている前ですみません論破と自己顕示欲に溺れてました】って言わせるゲームしてました笑

めちゃ俺性格悪い笑

最初は力になりたいと本気で思ってたけど、こいつ変わる気ないなと思って方針変えました笑


心配あざっす、俺実はめっちゃ楽しんでましたよ笑


自称論理的な自慢大好き男を聖人君子のふりをして断頭台まで手をひいてたんすけど、途中で逃げ出されました笑


俺はチャオさん苦手なんすよ、だから雑談枠に湧いて欲しくなくて、善人のふりして公開処刑しました笑

DaiGoさんの柔らかい交渉術の動画のいい練習台になりました!


励ましのお言葉いただいてめっちゃ嬉しいです!

瞳に映った自分を見ている、俺も我ながらすごい例え思いついたなぁと昨日の夜中に文章を読み返してほくそ笑んでました笑


この一部始終、僕のYoutubeと小説のネタにします笑

えがしらさんに【本人にバレたらどうするの?】って言われましたが、彼は俺の瞳に映った自分しか見てないんで多分バレないと思います笑

というか、このサーバーに作った小説のリンク貼って本人に読まれないかドキドキしたい!

俺ほんと性格悪いですね、これみんなには内緒でお願いします笑

だからイラッとしても最後まで楽しめました笑

自称論理派男が優しさを纏った正論に完全に論破される、なんとも皮肉が効いて痛快だったと思いませんか?笑


まあ、彼の努力が素晴らしいのは事実なので改心したらそれで良いと思ったんすけど、やっぱ小物でしたね笑


また雑談枠かどこかでお話ししましょー。




これ内緒ですよと言いながら自分の性格が悪いところを自分で言いふらしている。人のこと言えないくらい自分は馬鹿だなーって思いながら、玄関に行き靴を履き、散歩に出かけた。少し外の風を浴びよう。気が落ち着くかも知れない。今俺は勝ったからと言ってちょっと調子に乗り過ぎている。


1時間ほど散歩をして、家に帰ると、ミニさんから返事が来ていた。


ミニ:

うわー純粋にユーマさんを褒めた言葉を返してほしい笑

人間って怖いーーー


…とはいえ、そういうの実は好物です笑

お上手ですねぇ。ユーマさんが話しているのは真っ当なことばかりでしたもん。

そのスキル是非是非教えていただきたいし、苦手な人相手にそこまでできるメンタルも教えてほしい。


ぜひまたお話ししましょー。



やっぱり、俺の社交術はお上手でしたよね?すぐにニヤけてしまう。また、別の人から通知が来た。ユーマと同い年で他の読書コミュニティの副代表をしていたがスパイ容疑で追放されたという経歴を持つキロという人だ。質問や思考の柔軟性が非常に高い男性で、少し話しただけなのにユーマは彼のファンになっていた。



キロ:

お疲れ様です。

何がとは言いませんが、ユーマさんは管理主や親切行為としてよくやったと思います。

ホント何とは言いませんが、つまらぬ慰めとしてご奉納ください。



【お前の頑張り見ていたぞ!】と虎が叫ぶ画像も添えて送られてきた。

そしてユーマは、学習せずにすぐ調子に乗った。睡眠不足の状態で勝利しだ結果、気分が高揚しているのだろう。


ユーマ:

フォローあざっす笑

いろんな人から励ましの言葉きました笑


けど実は、めっちゃ楽しんでましたよ笑


【自称論理派天才を聖人君子のフリして論破して断頭台に連れて行くゲーム】してました笑


【すみません自己顕示欲に溺れてました】ってみんなの前で言わせたかったんすけど、処刑台付近で暴れて逃げられましたね笑


俺あの人苦手で、雑談枠に入られたら嫌なんすよね。

最初は力になりたいと思ってたけど、変わる気がないし傷口を舐めて欲しいだけならこのコミュニティには要らないと思ってこのオチに誘導しました笑


雑談枠の時、今回の件の裏話しましょう笑

キロさんが何を感じてたのか気になります笑




みんなに伝えたことと同じ内容を伝えた。


ちょっとやり過ぎたなーと思っていたら、すぐに返事が来た。


キロ:

ありゃりゃ、そうですか。


個人的に彼は苦手ではないので、コウモリ野郎な私はチャオさんにも同様に連絡を入れてます。

(ここらへんがスパイ疑惑の所以かもしれません笑)


正直、あの流れだけを見れば、どっちもどっちだと思ってます。


ただ、それを踏まえてもユーマさんはようやったと思うので、また雑談枠でお会いしたらお話しましょう!






どっちもどっち、その言葉で、血の気が引いていくのを感じた。やっと冷静になれた。他の傍観者は騙せても、鋭い洞察力と柔軟な思考を持つキロさんからしたら、ユーマが見せかけの善意の裏でどんな卑劣なことを考えていたのか筒抜けだったのだろう。


たしかにチャオはユーマに愚かなことをした。だが、喧嘩両成敗だ。放っておくのではなく、藪を突いて蛇を出したユーマにも責任はある。


1分ほど深呼吸をして、返事を送った。


ユーマ:

チャオさんへのフォローあざっす!僕にはできない役目なので助かります!


うん、おっしゃる通り、どっちもどっちだと思います笑

いい大人が二人して何やってんだろとは思いました笑


仲良くやっていければ一番なんですがね笑


調整役って大変だと思いますが、こんな感じで僕も未熟な人間なんでこれからもキロさんにフォローいただけると嬉しいです(^^)



とはいえ、チャオのことを好きな人が一人でもいて良かった。彼は孤独ではないじゃないか。俺は親友にはなれないが、他の人が彼を支えてあげたら、みんな幸せな優しい世界に近づけるんじゃないかな。そう思った。


ちなみに、チャオのどこが好きなんだろう。キロさんってやっぱ面白いな、今度機会があれば聞いてみようと思う。


チャオのようにバイオリンとか着物の習い事に行ってる人はユーマの周りにいない。せっかく彼は多趣味なんだから、今は無理でも、一年後とか、お互い忌憚なく話せる日が来たらいいなとは思う。


そして、今までユーマを肯定する意見ばかりだったので、どっちもどっちと言ってくれる人がいることに安心した。

ユーマはこのコミュニティの代表となり、嫌な人を退出させる権力を持ってしまった。そして、各国の政治家や世界史の歴代の王様を見ればわかるように、ビッグモーターやフジテレビなど大企業のように、スタンフォード監獄実験のように、人は権力を持つと暴走する。ハラスメントのない世界なんてやってこない。なぜなら、強豪野球部の無駄なしごきのように、自分が権力の椅子に座ると、【自分はこれを我慢したんだからお前らも我慢しろよ】と思ってしまうからだ。


つまり、誰だって心の中にチャオがいて、ブッダやキリストやガンジーでも食事•睡眠•運動を疎かにしたらクソ野郎になるし、ユーマのように性格が悪い人間でも健康的な生活習慣を心がければ他者を思いやる心理的余裕が生まれる。この人は絶対に安心できると盲目的に信じて思考停止することが危険なのだ。自身の中に潜む怪物が顔を出したことで、ユーマは自戒の意味を込めて自分の行動を振り返った。


頭のおかしな人が力を持ったら人類は簡単に滅ぶ。将来科学技術が発達して3Dプリンターが各家庭に置かれたとしよう。各家庭のインターネットと繋がれた3Dプリンターで爆弾を作りテロを起こすことも可能になってしまう。現在AIの開発が盛んに行われる一方で、ディープフェイク画像によるパスポートの偽造や一般人をポルノ画像化等の問題も浮かび上がってきている。このように、AIをを含め新たな技術革新は犯罪に悪用されるので、慎重な判断が必要だと。テクノロジー関係の本を読んだ時、その文章がやけに印象に残った。確かに、現代においても北朝鮮やロシアが核ミサイルを持っている時点で、人類はいつ滅んでもおかしくない。そんな綱渡りな、薄氷の上で見せかけの平和を享受しているに過ぎない。社会という、いつ動きを止めて倒れてもおかしくない独楽の上で俺達はヘラヘラ笑って生きている、そんな当たり前をユーマは忘れていた。


日頃、戦争のない世界や人類の幸せが最大化される方法は何があるかとかユーマは考えていたのに、チャオを攻撃することに一切の躊躇が無かった。そんな自分を諌めてくれる、抑止力となる、【ユーマ、それどうなの?】と言ってくれるキロさんという人が近くにいて良かった。


自分は昔いじめられていたから、そんな酷いことをする人間には絶対ならない。ユーマはそんな誓いを軽々と破ってしまった。DVを受けて育った子どもが大人になった時、我が子にDVをしてしまうというのはよくある話だ。幼少期に植え付けられたコミュニケーションの解決法は、良くも悪くもその人の基盤となってしまう。


今更になって、自分の愚かさと醜さが恐ろしくなった。巨人が鶏の卵を殻を入れずに割るような、そんな慎重な判断と技術を忘れてはいけないとユーマは誓った。


しかし、「暴力は良くないから警察は無くそう!」と言って誰が賛同できるだろうか?「暴力反対!だから喧嘩するやつは俺がぶん殴る!」というユーマの行いは、一見矛盾しているが秩序を守るための力が必要なのも事実だ。


力なきものは何も守れない。ユーマは、好きなアニメ「ガンダムSEED」の名言を思い出した。「力がない状態で気合いや根性や信念だけがあっても何も変わらない。逆に、力だけあっても、殺し殺されの憎しみの連鎖で争いは終わらない。力も、それを正しく扱う心も、両方必要なんだ。」主人公のセリフが胸に深く刺さる。俺は、自分を守る力は手に入れたのかもしれない。けど、それをみんなのために使えていたと言えるか?いや、自分の憂さ晴らしと復讐しか考えていなかった。


復讐だけに囚われる人生はもったいない。親やいじめっ子や職場のパワハラ上司、一生忘れられない恨みを持つ経験は誰でもあるだろう。けど、しょうもないやつに時間を取られて、あまつさえ殺人をして自分が檻の中に居るよりも、家族や親友と過ごす時間の方が大事ではないだろうか。幸せな思い出で上書きすることが大切ではないだろうか。


NARUTOのライバルであるサスケは復讐に駆られた生涯を送っていたが、目的を果たした後も人生は続く。


幸い、今のユーマは「自由と成長」という価値観やスキューバダイビングやバンジージャンプ、世界旅行に親を連れて行く、よさこいチームを作って地元に貢献する等死ぬまでにやりたいことリストが沢山ある。友達と幸せな思い出を作るために障害を取り除いただけだ。大きな岩をどかすことで、今後交通の便が一生改善されることになった。だから、チャオを討伐したことにある程度の意味はあった。しかし、「中学時代のいじめっ子達に報復する」という夢を持たなくて本当に良かったと思う。中学時代から12年経った今でもいじめっ子が夢に出てくることもある。だが、一番の復讐は俺が自由になって優雅に生きることだ。彼らと同じ土俵まで降りていく必要はない。


誰にどう思われるかではなく、誰に何と言われようが自由に生きることが重要なのだ。


四年前、ユーマがまだチャオのようにプライドの塊だった頃、自分を正当化するため他人の意見を否定することに躍起になっていた。その結果、自分は間違っていた、考えを改めた方が良いと気づけた。それから現在に至るまで、嫌な人がいても「残念な人がいるな」と思うだけで無理に戦いを挑むことは無かった。だから、ユーマは自分の残虐性や狡猾さをすっかり忘れていた。


そして、今回チャオを追い出した方法は、今までの自己防衛に成功した体験から生まれたものだと気づいた。ユーマは社会人になってから今日に至るまで何個ものスポーツサークルに所属していた。その中では、今回のチャオのように性格が合わない人も居る。なんなら、スポーツができて性格が悪い人が「下手くそ、辞めちまえよ!」と罵声を浴びせ攻撃してくることもあった。だが、結果的にユーマはそのサークルに復帰し、ユーマをいじめた人は脱退する、と言うことが2回起こった。ユーマは自身の能力の低さを自覚した上で、優しくて能力が高い人、自分と同じように窮屈な思いを抱えて過ごしてる人と少しずつ仲良くなり、「ユーマをいじめるならお前が辞めろよ。」と周りが動いてくれる環境を作った。もちろん、最初からそこまで計算して人間関係を作ろうとユーマは思っていなかった。だが、「こいつを敵に回すと厄介だ」と相手に思わせることで、殴り合いの戦争をせず、相手を退かせる方法がこの世に存在することをユーマは2年前に学んだ。


北朝鮮は核ミサイルを持っているから、アメリカはあんな小国でも対等な立場として対談を繰り返している。己が弱者だと自覚しているなら、弱者なりの牽制する方法を持たなければただ蹂躙や搾取されて人生が終わってしまう。だからこそ、「第三者を味方につける」というこれまでの成功体験の共通点を応用してチャオを撃退した。


ユーマと似た性格のチャオを見ることで、強制的に自分の人生と向き合うことになった。


「やれやれ、『他人の瞳に映った自分しかあなたは見てないんじゃない?』って彼に送った言葉、俺自身にも当てはまるな。」


人生を変える気がない人に何を言っても無駄。

愚か者に時間を使う俺たちもまた愚か者。


人は命令しても聞かない。自分の頭で考えついた言葉を信じる。だから、自分が望む方向に相手を誘導すれば良い。


井の中の蛙なのに、調子に乗って外に出て俺の勘に触るからこうなる。

井戸の中で超人のふりをしていたらよかったのに。


だが仕方ない。まだ彼は人生一周目なんだろう。ユーマは自分も同じく人生一周目であることを棚に上げて、チャオのプロフィールを改めて見てみた。


友達からは「好奇心が旺盛で、知識を頭に入れてて楽しそう」「人生5回やってる」「人かと思えば25歳児」なんて言われます。

本を読むこと、数学、物理、テニス、散歩、ノルウェー式HITが趣味です。


驚いた。チャオの友達は彼を人生五周目と思っているらしい。ユーマに蹴散らされる程度の思考力と未発達な精神しか持っていないのに、人生五周目と豪語できるその自己肯定感の高さに衝撃を受けた。


いや、その程度と勝手に実力を決めつけるのはよくない。だって俺は彼のことをよく知らないのだから。きっと高い能力の一面を見れる時が来るはずだ。まあ彼のことを深く知ろうとしたら彼に拒絶されたわけだが。俺達は磁石のN極同士、S極同士みたいなもんなのだろう。似ているが故に絶対くっつくことはない。


チャオのプロフィールの「人生5周してる」「25歳児」が正しいと言う仮定で考えてみた。25年の生涯を5回繰り返したら合計125歳児ということ、なのに27歳児の俺には手も足も出ないくらい論理的思考や人生と立ち向かう力が低かった。つまり、一回一回は、バームクーヘンの皮のようによっぽど薄い生涯を繰り返してきたのかもしれない。長生きしたのに対して樹木に年輪を刻んでいないのなら、その脳に一生忘れられないトラウマを刻んでやるよ。そんな意思がユーマを暴走させた一因だった。


もしくは、「25歳児」と言う言葉は125歳という意味ではなく、合計25歳であり、5歳で物心ついた時リセマラを5回繰り返しただけという意味かもしれない。だから、チャオは今の体を使い始めてたったの5年目なのだ。「ユーマ、僕見たよ、トトロいたもん!」「俺はチャオを信じてる、だから証拠を出せって言ってんだよ。」「ユーマのバカっ」と逃げ出されたようなものだ。

5歳児をみんなの前で公開処刑してしまったのなら、ちょっと大人げなかったなと反省した。


そう思うとチャオが酷く滑稽に見えた。


それに、俺だって彼と同じ精神年齢だったことがあるのに、よくもまあ偉そうに言えたもんだと反省した。


人は失敗して成長する。だから、俺も彼も何歳からでも人生をやり直せるし変われる。俺は、たまたま家族や友達や好きな異性がいたから頑張ろうと思えた。別の世界線では、俺がチャオと同じ末路を辿る可能性だって往々にして存在したはずだ。


小学五年生の時のトラウマを思い出した。親が観に来る学芸会の日で、うちのクラスの出し物はリコーダーの発表を行う予定だった。四年生の合唱が終わる頃、舞台袖で指の確認をしていたら、大して仲良くもないスクールカースト上位の同級生に「ユーマ、ちょっとそのリコーダー置いて来て」と呼び出された。何を話したのかは覚えていない、瑣末なことだった。舞台袖のスクールカースト底辺が集まっている場所に戻ってきたら、ユーマのリコーダーが無くなっていた。


一瞬、意味が分からなくてパニックになった。四年生の番が終わり、みんなが壇上に上がり始める。俺は必死になってリコーダーを探した。どうして無いんだ、さっきまでここにあっただろ!焦る俺に事情を知らない先生が「早く来い!」と怒鳴り、静かな体育館のステージに大人の叫びが反響した。渋々ステージの集団の中央に手ぶらで立つことにした。まるで、遊園地でたくさんの人が笑顔の中呆然と立ち尽くす迷子のようだった。

そしてみんながリコーダーを吹く間、俺は何も持たず虚空を見つめて演奏が終わるのを待った。その時に、カメラを向け悲しそうな顔をしている親と目が合った。


演奏後、舞台袖で俺は先生に怒られた。「いや、リコーダーが無くなったんです!」と抗議したが、目立たない場所に置いてあるのを見つけた。どうしてあんな場所に、俺はそこに置いた覚えなんか。


そう思った時、先生の後ろで、俺を呼び出した同級生達がクスクスと必死に笑いを堪えている様子が視界に入った。その瞬間、心が深海に沈んでいくような感覚を覚えた。


「直前でリコーダーが勝手に歩いて行くわけ無いだろ!」と再度怒鳴る先生。その通り、リコーダーは勝手に無くなったんじゃなく、持ち去られたのだ。先生の大きくなる声に反して、俺の世界の音がどんどん遠のいて行くのを感じた。


夕暮れ時、「今日は起きていたけど悪夢を見ていただけだ、不思議な日だったんだ。」と言い聞かせ涙が溢れないように下唇を噛み締めながら帰った。家に帰ると、「お前は何をやっていたんだ!」、「そうよ!恥ずかしい!ねえお兄ちゃん聞いて、今日ユーマが学芸会でね…。」と両親に怒鳴られ、母はユーマの兄に壇上でリコーダーを吹かずボーっと突っ立っていた息子の醜態を事細かに解説していた。


学校でどれだけいじめられても、家族だけは味方だと思っていた。けど、先生も、この人達も、信用できない。したくない。プツリ、心の電源が切れた音がした。

それからユーマは人を信じることが怖くなった。


だが、大人達はユーマの視点を知らなかっただけ。ちゃんと最後まで話していたら親は味方になってくれていたのかもしれない。ユーマにも孤独の原因はある。


大人になり、読書や瞑想を始め、人生と向き合うことでやっとそのように思えるようになった。


辛いのはお前だけじゃ無いんだぞ、チャオ。みんな乗り越えて生きている、お前だけ立ち止まってるんだよ。


ユーマは好きなアニメの「ちいかわ」で、主人公は友達がいたから頑張れたけど、その知人のモブキャラは追い詰められた時に頼れる友達がいなくて闇堕ちしたというエピソードを思い出した。


そうだ、忘れていた。


俺が小学五年生の時、自己顕示欲丸出しで「先生ここ塾でやりました!」って言って沈黙の教室の中、クラスメイトの舌打ちしか返ってこなかったことを思い出した。俺は、「塾ですでに習ったんだ、ユーマかっこいい!」って言われると当時本気で思っていた。それくらい、他人の気持ちを理解することが苦手だった。あの時の俺とチャオは似ている。つまり、俺の11歳と同程度の精神年齢なのかもしれない。


それから16年という長い時間を経てゆっくり俺は成長していったのに、チャオに1日2日で変われよ、なんて良くもまあ厳しいことを言えたもんだ。


ほんのちょびっとだけ、チャオに申し訳ないと思った。まあ、謝る気は全くないが。


一旦コーヒーを淹れながら、ふと考えてみた。DaiGoAIが天才、超人、スーパーマンと呼ぶ人に勝ったということは、俺はそれ以上なのだろうか。いや、それか、チャオはそもそもそんな優れた存在ではないということだろうか。


それか、カイジのEカードで奴隷が帝王を刺したように、トランプの大富豪でスペードの3がジョーカーを倒せるように、俺は劣等種であることに変わりはないが一時的に超人を倒せたという例外が発生しただけだろうか。


今チャオは何をしているだろうか、デスノートにユーマの名前を書き殴っているだろうか。丑三つ時に神社の木に藁人形を打ちつけているだろうか。

燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや、チャオにエールを送った言葉を思い出した。何度も言ったけど、このコミュニティが狭いなら羽ばたいていけば?それか、俺達が大きな鳥で君は小さな鳥過ぎて身の丈に合わなかったんだね。


足るを知る、世界は広いんだから、きっと君を好きと言ってくれる人がいるはずだよ。俺は器が小さいし、自分の精神とコミュニティを守るため君をボコったけど、秩序を乱さないならいつでも帰っておいでよ。ユーマはその言葉がチャオに届くことを願った。


心と人間関係は大地とその上に根を張る大樹のようなものだ。雑草といういくらでも変わりがいるものよりも、体を預けて休むことができたり、風雨を凌いだり、果物の実った大樹を探すことが幸福な人生に繋がる。親友や親や兄弟、恋人やペット等人によって何が大樹になるかは変わるだろう。


メンヘラな人や友達が少ない人、職場と家との往復しかない人は注意が必要だ。人生で寄りかかれる大樹がその一本しかないということだからだ。生殺与奪を誰かに委ねてしまうと、パワハラやDV、いじめや毒親、自分に害を与える大樹だと分かっていてもそこから抜け出せなくなる。


例えば失恋や死別は、大樹が根こそぎひっくり返ったようなものだろう。根っこに引っ張られ、心の一番柔らかいところがむき出しになる。だから人間関係が壊れるとポッカリと胸に穴が空いたような喪失感があり、空が泣いて全身びしょ濡れになるのだろう。


そんなことを経験すると、人は新たな人間関係を作るのが怖くなる。相手が大切な存在になればなるほど失うのが怖い、だから最初から人を好きにならない。だが、そう決めつけてしまうのは危険だ。大樹はおろか雑草もない砂漠で、あなたはどうやって生きていく?


人はいつか必ず死ぬ。この事実はアインシュタインやレオナルドダヴィンチなど、あらゆる天才でも抗えなかった運命だ。

つまり、人生はどれだけ苦しくても、いつか目の前の人と別れる時が来るとしても、今この瞬間に集中して楽しい思い出を一つでも多く作るしかない。


友達と、今日曲がり角で別れた後自分が交通事故で死ぬかもしれない。朝父に行ってらっしゃいと言った。それが父との最後の会話になるかもしれない。そう考えたら、いつ最期が来ても後悔しないように、日頃から感謝を伝えること、そして自分の心に正直に生きることが重要だ。


人はいつか死ぬ。だが、死んだ人の思いは生きてる人に受け継がれる。みんなと同じことをして、同じ服、同じ笑顔の仮面、そんな誰の記憶にも残らない退屈な100年を過ごすか、坂本龍馬のようにたとえ33年しか生きられなくても毎日全力で心を燃やし、その後何百年も人々の心を奮い立たせ続ける。果たしてどっちの人生が楽しそうだと思う?


だから、ユーマは日頃から人の話を聞き、共感するのだ。仮に、大事な人を失い、二度と話せなくなったとしても、その人の意思を、覚悟を、その人との思い出を忘れない限り、その人はユーマの中で永遠に生き続けるのだから。


そう考えると、道端の雑草一つに執着したユーマの今回の一件は愚か極まりない行動だろう。そんな時間があるんだったら、親友と電話の一つや二つでもすれば良かったのに。後日ユーマは反省することになる。


なんであんなに執着して陥れようと思ってしまったのか。それは、ユーマとチャオが似ていたからだろう。お互い好奇心旺盛なのに、チャオはそれをコミュニケーションがうまくいかない言い訳にした。多趣味であることをみんなから「凄い」とだけ言われて会話が続かないと悩みに見せかけた自慢話をした。


ユーマは好奇心を使って人と仲良くなり、多趣味であるからこそどんな人とでも共通の話題を見つけた。だから、ユーマは今ある手札を上手にやりくりして幸せに暮らしているのに対し、似た者であるチャオが「自分はこの手札しかないなんで可哀想だ」と手札を地面に叩きつけることで、「同じような手札を持っているユーマも不幸で可哀想な人」とチャオに言われている気がしたのだ。だからチャオを否定したくなった。不幸だと思ってるのはただ単にお前の努力不足だ。人生と向き合っていないからだと。


実は、ユーマは己の存在証明がしたかっただけだったようだ。


それに、この舌戦は約1週間続いた。布団に入ってからも「チャオマジでムカつくわ、絶対吠え面かかせてやる!」と思って布団に入り、なかなか眠れない日が続いた。仕事終わりに睡眠時間を削り脳を使い、ストレスで睡眠の質自体も低下する。その結果、ユーマの攻撃性が日に日に増してしまうことになった。


さらに加えて、「自分の周りにはまともな人が居ない!」とチャオがアピールすることも不快だった。職場の女性に「私の周りに全然良い男居なくて、あんた知らない?まああんた如きじゃそんな良い男友達居るはずないかー。」と言われたらあなたはどう思うだろうか。ユーマがバカにされるのはかろうじて我慢できた。だが、ユーマが共に成長し、時に支えてもらった最高の仲間達のこのコミュニティのメンバーに対して「お前らはチャオにとって最高の仲間ではない」と吐き捨てたのだ。俺の大事な仲間達を軽んじやがって。その事実もまたユーマの怒りを過熱させる一因となった。


口先だけ達者で努力が伴わない脆弱ナルシストのチャオと、自分は一緒だと思いたくなかった。


チャオはDaiGo AIに「そんなスーパーマンが周りにいたら、興味津々で僕ならその人に聞きますけど!」と言っていた。俺も同意。だから俺は金ピカに輝く完璧超人に秘訣を聞いたけど、金メッキが剥がれて小学生が作った紙粘土が出てきた


俺も含め、人間は必ず間違う。けど、それで人生が終わるわけじゃない。失敗を恐れて何も行動しなかったらそれこそ人生自体が失敗に終わる。今回の経験をトラウマのまま放置しておくのか、行動するエネルギーに変えるのか、解釈を決めるのは彼次第だ。


チャオの行動を他の例えで表すなら、RPGで、強い武器だけを集めてはじまりの村で自慢しているようなものだったのかもしれない。始まりの村の初心者からしたら、【えー!レザーの防具じゃんすげー!】ってなるけど、魔王城の近くの勇者達からしたら【お前ザコ好き、よくそれで自慢できるな】と言われたみたいな。

始まりの村から少し外の世界に出たらまともに武器を扱えずこっぴどくやられた。だから、スライムしか倒さない人生を選んだのかな。


人生のログイン時間が長いからと言って、その分レベル上げをしているとは限らない。レベル上げをした気になってる人もいる。


そんなことがよくわかる出来事だったと思う。


そして、怒りが冷めないので、この一部始終を小説形式の日記としてまとめることにした。ユーマは元々自分を客観視する方法として日記を習慣にしている。朝から晩まで部屋にこもり、約30ページほどの短編小説ができた。そして、その内容を元に音楽生成AIで曲を作ってみた。そうすることで、自分ごとではなく距離を置いて考えられるようになる。


ユーマは、チャオを貶めた勝利の快感と小説が完成した興奮で完全にハイになっていた。敵将の首を取り凱旋した英雄のように、今なら何をしても許される、そう思い上がってしまっていることに、今の彼は気づいていない。


そして、今回陰ながらサポートしてくれた人達に「今回の件と今までチャオさんにやられた嫌なこと、そして自分の反省をまとめて小説にしました!良ければ皆さんの視点からもアドバイスをお願いします。」と小説投稿サイトに掲載したあとのリンクを送信した。


えがちゃん:

読みましたよー!

筆がめちゃ早いですね!

知ってる内容なのもあるけど、読みやすい文章でスーっと頭に入ってきました笑


ユーマさんの思考や感情の移ろいもわかりやすく書かれていてよかったです笑

知らない裏話も知れてリアルでした笑


以前にチャオといろんな経緯があったにも関わらず、ユーマの立ち振る舞いは見事だったと思います!

ユーマが過去を乗り越えて、いま成長を続けているのが眩しくて、でも応援したくなりました(^^)




えがちゃんからの感想が数時間後に届き、有頂天になった。ほらな、客観的に見ても俺は悪くない。


カナ:

チャット欄のユーマさんとチャオさんのやりとり、なかなかカオスな展開になってるなあと思いつつ飛び込む勇気が持てずにいました。

弟子と一口に言っても色んなタイプの子がいるんだなあと再認識しました。


チャオさんとユーマさん、どっちもどっちの両成敗ってなかなか辛口コメントの方も居られるんですね笑


彼の発信内容とかトークでご一緒したときに「なんとなく一筋縄ではいかなそうだな」という感覚を持っていたのでゆるっと雑談に投稿されたときに私は回答するのを見送ってしまいました。

少し前にボイチャでお話しした時に「私がゴリゴリ勉強するのはお金を稼いで自由を手に入れるため」って言ったら真っ向から否定されましたし。ひのさんは私が手に入れたいと思っているものを既に手にしていると想像していたのですがそうでもないのかもしれません。


私の感覚としては「最近調子悪いんだろうなあ。でも素直じゃなくて頑なだから手を貸してあげられないなあ」て思ってました。

今回のお二人のやりとりを通じて彼がちゃんと素直に現実を認めて向き合うべき問題に向き合って問題解決できる子になったらいいなあって思ってます。この後どうなるかは神のみぞ知るって感じですが。なのでユーマさんありがとうございます。私にはできなかった仕事をしていただいたって思っています。




ディズニーランドオフ会に参加した、ユーマと特に仲良しの女性からも返信が来た。


カナ:

小説を読みました。

事実は小説より奇なりというか、リアルが1番リアルで面白いですね笑


たしかに思い出してみるとゆるっと雑談で過去にコメントでナデナデされてた時もあったのでそれを期待してたかもですね。たしかにボイチャの時にめっちゃマウント取られてやりにくいなあって思ったことは何度もあるのでこの展開も一つの正解だなって思いました。


今回は壮大なエンタメを提供いただきありがとうございました。

またコミュニティ運営など一緒に進めていけたらと思います。


今回は色々ありましたね。

DaiGo AIを使っても問題解決ができないってなってるのでチャオさんは難しめの子ですよね。


せっかくなのでかつて私が彼に対して抱いた違和感もここに置いておこうかなと思います。


○とある回のボイチャ

「僕はお金を稼ぎたいとかそういうのではなく純粋に学問を愛していて、、」

→ふ〜ん(余裕のある家系の子だから気にしなくても良いってことかな。古い言葉で言うと高等遊民なのかな)


○いつかの吐露

「親と同居してて色々課題があってやだ。お家にお金入れたくない!」

→え、、?(お金のために勉強するなんて学問の意義に反してる的なこと言ってませんでした、、??


ゆるっと雑談

「困ってるんで助けてください」

→。。。


彼は5歳児だったのですね。もし万が一またお会いすることがあったら油粘土でワールドビルディングで遊びましょうかね。




やはり、ユーマ以外にもチャオにストレスを感じていた人は居たようだ。俺は良いことをした、ゴミ掃除をしたんだ。だが、別の人から来た返信でその考えを改めることになる。


ミニ:

小説を読みました!

読みやすくて一気に読みましたよ!


さて、どういう視点から感想を言えばいいかなぁ。


良い点は、

・プロットがしっかりしている(現実の話ですもんね)

・読み手が疲れないようわかりやすいよう、行間をとったり改行がされている。

・途中で自分の振り返りをしており、勢い任せではないことが伝わる。

・リンク先の文章は公開されているもので、一般人や部外者、そしてチャオさんもリンクを知っていれば読めるものではないのでしょうか?

・メールの文章をそのまま使用するのは著作権に引っかかる可能性があります。引っかからなくても、少なくとも私は無断で丸々使用されたことに抵抗感がありました。

・サーバー管理人の立場でこの文章は危険かな、とちょっと心配です。「どっちもどっち」と仰った方がいましたが、確かに。と思ってしまいました。

・読む人が読めば名前を変えたところで誰のことかわかってしまうなと思いました。

・自分の思考の整理というのは理解できます。隠し事なしに書いていると思いましたので他人の意見を聞きたいのもわかります!これなら鍵付きチャンネルを作って特定の人だけに公開する方法もありかも?


言葉は鋭いですが言い方や語彙力の高さなどすごいなぁという感想は変わりません!




やってしまった。ユーマは自身の熱を帯びた額を右手で包んだ。俺は自分が気持ちよくなることしか考えていなかった。マウントをとって気持ちよくなったチャオを倒したユーマが今度は調子に乗った。ミイラ取りがミイラになったようなものだ。


ユーマ:

ミニさんの職場や経歴の話も、取り急ぎ消しました!プロフィール紹介、キャラ立てをしたい反面、個人情報流出になるし…とか考えた結果、思考を放棄して安易な判断をして、ご本人の意思を尊重せず勝手に突っ走ってすみません。


確かに、無断で使用してすみません!こんな実体験があったんだぜって言いたい気持ちが強すぎて、ノンフィクションにこだわった結果関わった方々からの視点が欠けているなと、大変お恥ずかしいことに、その事実に言われて初めて気づきました。


直接引用は著作権に関わるって話も、全く視点になかったのでありがたいです。【こんな性格悪いやついたんだぜ、話盛ってないよ】と伝えたいと言う気持ちでいっぱいすぎて、自分がバカな行動をしていることに気づいていませんでした。俺はチャオさんのこととやかく言う資格はないですね。


ミニさんに相談しないままネット上に今後何年も掲載していたらと思うと、ゾッとしました。


どっちもどっち、おっしゃる通りだし、なんなら善人に擬態できているユーマの方がチャオさんよりタチが悪いって思います。


だから、最初ミニさんを含めてみなさんからフォローの連絡いただいた時も、めちゃくちゃ嬉しかった反面、【俺はそんないい子じゃないんだけどどうしよう】って不安もあったんですよ。それに今回の問答をして、俺が性格悪いことをミニさんに伝えといて良かったーって心底ほっとしてます笑


イメージで言えば、俺の体はエヴァとシンジ君みたいなもので、基本的には他者を助けたいし応援するけど、自分や自分の大切なものに侵害してきたら相手を絶滅させるまで破壊行動をする。人間の本能としては合理的なのかもしれませんが、ユーマの思考は普通の人と比べてあまりにも極端で偏っていると読んでて思いませんでしたか?俺はそう思いました。小説は自己省察目的ですと言ったのも、こうやって時間差で振り返らないとユーマはとんでもないことをやらかすんですよ。


だから、変な日本語ですけど、俺はユーマを信用していないし、ミニさんもユーマを信用しないで欲しいなと思います。


【俺は良い子だ、イライラしてはいけない】って感情を抑圧してた学生時代はトラブルばかり起こしていたので、【俺は愚かだから、正直に話してみんなに助けてもらおう】って行動にDラボ入ってから少しずつ変わることができました。まだ未熟者ですが。


今回ミニさんにしっかりお灸を据えてもらってほんとありがたいです。DaiGoさんが放送でヤバいこと言いそうになったらけいごさんがリモートで放送終了できるのと同じように、ユーマのエヴァが暴れそうになったら電源を切ってもらえませんか?

俺は本当に性格悪いから、躊躇なく止めて欲しいってカナさんとアリゲさんにも日頃からお伝えしてます。


正直、自分の力だけで全く失敗なく舵取りできる気がしなくて…。だから、素直で正直であることだけは一貫するので、これからも【それはやめておけ】って言って欲しいです。

ほんとお手数をおかけして申し訳ないです。


自分語りばかりすみません、俺が危険な存在だと人に言ってもみんな信用してくれなかったので、尖った行動をして誰かに止めと欲しいと潜在的に思っていたのかもしれません。


ご指摘いただいてほんとありがたかったです。




こうしてユーマは、関係者とユーマのコミュニティ運営を補佐してくれる人達と緊急会議を行うことにした。鍵部屋を作って、ユーマが許可した人しか入れないグループ通話が始まった。


ユーマ:

みなさん、今回の騒動で色々とご不快な思いや不安や心配をおかけしてすみません。


お疲れ様です。

先日のユーマとチャオ氏の騒動について、彼らの処遇と今後の対策を考えました。

そして、管理者室の皆様や騒動ご関係者の方から客観的な意見を聞いて、最終的な判断をしたいと考えています。


○処遇について

•ユーマとチャオ氏それぞれにテングポイント1の贈呈


○原因分析

•当事者の僕ではなく、第三者から見て【もっとこうすれば穏便に済んだ】、【自分はこう思った】等みなさんのご意見を伺いたいです。


○治安維持の方法

•ユーマに権力が集中することの脆弱性を痛感しました。今後揉め事があれば、当事者ではない管理人室の誰かが、テングポイントを贈呈できた方が良いのではと考えています

•AI陪審員やAI裁判官に判断してもらう(AIチャンネルの大晦日放送でAIの3人が曲を審査をしていましたよね?あれを応用できたらなと考えています。AI bot作成の具体的な知識がないので手段はみんなと相談させて欲しいです。)


管理人を正式に引き継いでわずか2週間で揉め事を起こし、僕一人では絶対道を踏み外すと再認識しました。なので、みなさんの力を貸してください。




こうしてあらかじめ整理していた議題を伝えた。ちなみにテングポイントとは、文字通り天狗のように調子に乗っている人に贈呈される。3ポイント貯まるとコミュニティから1ヶ月強制ログアウトさせる制度だ。ユーマは、自身が調子に乗っていた自覚があることと、今後チャオとの蟠りを払拭するため見せしめも含めてお互いに1ポイントずつ与えられるべきだと考えていた。


アリゲ:

お疲れ様です!

今のところ気になる点を書き出してみたので、参考になれば幸いです。


○問題への対処方法について

すでにユーマさんも感じていることかと思いますが、500人規模のコミュニティでは、1人の管理者がすべてを対応するのは難しいため、以下のような方法を参考にしてもよいかもしれません。


以前の運営の様子になりますが、コミュニティ内で何か問題が発生したり、参加者から報告があった際には、次のような流れを取っていました。


①コミュニティメンバーからの報告内容や発生した問題について、いずれかの管理メンバーが管理部屋で共有する。

②その時点で対応するメンバーが、予定している対応内容や送信予定のメッセージ(個人宛・全体宛どちらも含む)を管理部屋に投稿する。

③複数の管理メンバーで内容を確認し、不備や問題がないか検討する。

④確定した対応を、その時々で適切なメンバーが実施する。


特に ②の段階で、行き過ぎた対応をしそうになったり、見落としが発生したりすることがほぼ毎回あるため、何か問題が発生した際はまず報告と相談を優先するのがベストかと思います。


ミニ:

テングポイントって別にあげなくてもいいと思うよ笑 あの程度で調子に乗った認定されるなら、みんなテングポイントを貰いまくって誰も話さない監視社会になるよ笑


アリゲ:

僕もそう思います。これまで四年以上このコミュニティを見てきてテングポイントをもらった人は居ませんね。


ユーマ:

アリゲさん、めちゃくちゃ素晴らしいアイデアですね!


というか、テングポイントの処罰不要って印象なんですね…。俺は当事者だから、大袈裟に捉え過ぎていただけってことですか?

学校で言えば、委員長の俺がチャオさんと校舎裏で喧嘩して、翌日ホームルームで「すみません俺は委員長なのに人を殴りました!」って無駄に話を広げているってイメージですか?


ミニ:

そうそう笑笑 なんか2人話してるなーって思ってる人が居ても、わざわざ全文を読んだ人の方が少ないって笑


アリゲ:

僕もユーマさんからの個人連絡が来てなんかモメてるのかって思ったぐらいなので、お互いが反省しているのなら多分騒ぐ必要はないかと。


ユーマ:

そ、そうですか。


じゃあ、客観的に評価を下すAI陪審員や裁判官の導入についてはどうでしょうか。まあチャットGPTに文章を読ませて判断してもらうぐらいしか具体的な方法は思いつかないんですけど。そもそも誰が、どれだけコストを支払って開発するんやって問題もあるんすけど、今回みたいに俺が暴走した時どんなシステムを作っておけば対策できると思いますか?


アリゲ:

そうですね、コミュニティのためにAI開発とか労力を使うなら、お互い本業とか趣味とかもっと別のところにエネルギーを使いましょう笑


ミニ:

うん、私もアリゲさんに賛成笑


ユーマ:

なら、アリゲさんがご提案してくれた、「コミュニティで何か違和感があれば鍵付きの管理人したで方針を決める」って感じが良さそうですかね。


ミニ、アリゲ、カナ、えがちゃん:

はい、そう思います笑笑




ふーっと大きく息を吐いた。そうか、1人で深刻に重く考え過ぎていた。さっさとみんなを頼り意見を聞けばよかったのだ。


ユーマ:

今回のケースは俺が独断専行して暴走しましたが、会話のラリーが2回ぐらい続いて「こいつ変わる気ないな、このままやとコミュニティの足を引っ張るな」って思った時にみんなにこっそり意見を仰げば良かったんすね。


ちなみに、皆さんがユーマの立場だった場合チャオさんとどう会話しました?なんて対応したらハッピーエンドになったと思いますか?


アリゲ:

彼は元々精神不安定で、メンヘラムーブをやってるのは昔からです。だから、今まではプロフィールの竹アイコンを面白おかしくイジって承認欲求を埋めて現実に返していました。例えば、彼は「僕が行動したくなるのを待って欲しい、ユーマは配慮に欠けている」と言ってましたが、個人のDMでやりとりして、彼が心を開くのを待つと言う選択肢もありましたね。


ユーマ:

確かに!みんなの前でプライドの塊人間が「俺実はダメダメなんです。」なんて言えるはずがない。四年前の僕とチャオさんそっくりなんですよ。かつての自分ができもしないことを俺は彼に押し付けていました。個人のチャットで「俺も君と同じで昔いじめられてて、だから君の気持ちわかるよ。誰にも言わないから気持ち吐き出しちゃいなよ。」と言えば違う世界線になっていたかもしれません。


けど、皆さんに俺の書いた小説読んでもらったように、俺は彼のこと好きじゃないんですよ笑 今まで散々意地悪なマウントをしてきた人にそんな善行ができるほど俺は聖人君子じゃないかもしれません…。



ユーマはこの件をコミュニティ外の読書友達に相談して、小説を読んでもらった。彼女も、「個人でやりとりするって方法があったかもしれません。」とアイデアをくれた。だが、ユーマには一抹の不安があった。


ユーマ:

個人チャットで心理カウンセラーのように寄り添う。そしてチャオさんを励まして、彼に前を向いてもらう。確かにそれはベストの選択なのかもしれません。俺は結果的に彼を切り捨てましたから。とはいえ、ユーマは腹であんなに邪悪なことを考えていたし、管理者としてチャオさんを追放することもテングポイントをぶつけることも構造的にできてしまうんですよ。そんな中オープンなチャットではなくクローズドな個人のやり取りで、ユーマはパワハラをせずに会話が終わると思いますか?俺は、ユーマを信じていないというかそんなに器が大きくないと知っているので、個人で連絡して上手くいく自信がありません笑


アリゲ:

確かに、パワハラのような会話になる可能性は高いですね笑


ユーマ:

それに、みんなが見ている前でもチャオさんはあれほど自己中心的で傲慢不遜だったんですよ?誰も見てない個人のやりとりになったら彼ももっとひどくなってたと思いませんか?なんなら、えがちゃんやかなさんも記録が残らないボイスチャットとかで彼からマウント被害に遭っていますし。そして俺はそのメッセージをスクショしてみんなの前に晒してたと思います笑 ユーマは性格が悪いので、そこまでする未来が見えました笑


カナ:

ふふっ、ユーマさんが怒り狂ってスクショ晒す姿は想像がつきますね笑


ミニ:

元々私はチャオさんそんなに嫌いじゃないんだけど、どうしてユーマさんはそんなに彼に執着したの?私はチャオさんが面倒くさいから放置してたんだけど笑


ユーマ:

多分、昔の俺に似たプライドと自己承認欲求まみれの彼を否定することで、自分の存在証明をしたかったんだと思います。俺と彼は「自称好奇心旺盛、自称多趣味、人の話を聞かない、早口で捲し立てる、」とか共通点が多いと思っていて、だからこそ歯車が噛み合えば仲良くなれると思うんですよね。


だから、元々似たような手札で、俺は工夫して幸せに生きているのに、「自分は好奇心旺盛とか多趣味とか人と仲良くなれないこんな手札しか配られず可哀想だ!」って言ってる彼が不快だったんですよ。「この手札を持つチャオは生きてる価値が無い!」「え、じゃあ同じような手札を持ってるユーマも生きてる価値ないの?」って感じてしまって、だから躍起になって彼を否定したのだと思います。


「俺は好奇心と多趣味を活かしてミニさんらと仲良くなったし、なんならこのコミュニティの管理者を任されるようになったほどみんなと信頼関係を築けた。だからお前がぼっちなのはお前の努力不足だ。」と言いたかったです。


元々は、自分と似た人を助けることで昔の自分を救った、そんな贖罪の気分に浸りたかったんだと思います。けど、皆さんご覧の通り彼は変わる気がなく、そして前代表からコミュニティを任された俺としては、努力する人ではなく現実から逃げてる人が幅を効かせるコミュニティにはしたくなかったんですよね。


何より、今までやられたことの積み重ねがあり、「このまま一生彼にマウントを取られ続けて我慢してコミュニティ運営をするのか?」と考えた時、「一応救いの手は差し伸べるけどそれを拒否したらどうなるか覚悟してんだろうな?」ってなったんだと思います。




睡眠不足でふらふらな中、できるだけ明瞭な例えを含めてみんなに説明をした。


ミニ:

なるほど、それであの経緯だったのね。よく頑張ったと思います笑 私はチャオさんがやられるのを安全圏から楽しんでいた卑怯な人だったので、自分も含めて人間って難しいなーって考えさせられる一件でした笑


まあけど、悪口ばかりのコミュニティにはなって欲しくないよね。



ユーマ:

ちなみに、ミニさんとアリゲさんはチャオさんのどんなところが好きですか?


ミニ:

彼は物知りだから起業の話とか物理や数学の話とか聞いてて面白いよ。


アリゲ:

今みたいなボイスチャットでずっと喋ってくれるので、間が持ちやすいですね。


ユーマ:

なるほどなぁ。俺、ディズニーランドオフ会の段取りをチャオさん達としてた時、彼と仲良くなれそうな気がしてたんですよ。ミニさんのおっしゃる通り、めちゃくちゃ詳しいし説明も丁寧で。だから会うのは少し楽しみだったんですけど。今回の一件で、もし俺らが会ってたら夢の国で殴り合いの喧嘩して警察が介入してたかもしれません笑


カナ:

ハハっ!それは、その可能性ありますね笑


ユーマ:

ちなみに、えがちゃんはチャオさんのこと苦手とおっしゃってましたけど、どんなことを過去やられましたか?俺やカナさんみたいに一対一の時マウントしてきたとか?


えがちゃん:

いや、プライドの塊だった昔の自分を見ているみたいでもう生理的に受け付けなくて。彼を見ていると共感性羞恥がエグいです。昔の俺こんなにイタかったのかーって、だから一対一で話す時を作りませんでした笑 彼の存在は別のコミュニティとかも含めて4年ぐらい前から認知していたんですけど、同じような傷の舐め合いの仲間を3人ぐらい作っていつも馴れ合ってて、気持ち悪いなーって思ってました笑


ユーマ:

それは笑笑 おもろい笑 呼吸できんすわ笑 そっか、その時から似たものを集めたがってて、このコミュニティでもその関係を求めていたんですね。少し彼のことが分かった気がします、




ユーマは家の床に転がりまわって爆笑した。


ユーマ:

じゃあ、今後の方針や処遇も決まったし、今回はこの辺で終わりますか!

ちなみに、多分俺とチャオさんの戦いはまた起こるかもしれないので、その時は相談させてください笑 俺は彼がこのコミュニティに居続けて、尚且つ変わる気が無いなら、何回でも彼の自尊心を破壊しに行きます笑


多分彼は俺のことを許さないと思います。



えがちゃんもさっき、チャオさんは昔の自尊心まみれの自分を見ているかのようって言ってましたよね?俺も、プライドの塊だった四年前のユーマが今回のチャオさんみたいにみんなの前で公開処刑された場合、恥をかかされた相手のことを忘れられると思いますか?


えがちゃん:

いや、絶対忘れないと思います笑


ユーマ:

でしょう?今の俺でさえ、この一年半チャオさんにやられた嫌なことを一つ残らず覚えてるんですから、彼も今日のことを忘れないと思いますよ。だから、俺が調子に乗る時を虎視眈々と狙っているのかもしれません。まあ彼が筋違いのマウントをしてきたら返り討ちにするし、俺が自分を見失っている時彼がそれを指摘してくれたら俺の成長になるし、どう転んでもいいんですけどね。


つまり、また戦争が起きる可能性は高いからみんなユーマを見張っていてくださいね笑 渦中にいると俺は自分を客観視できなくなるので。



そうして、みんなと別れを告げて2時間の雑談は終了した。大きく伸びをしながら今後のことを考える。


話が通じない人も居る。戦争は世の中から無くならない。だって、人はどこかで線引きをして、線の外側にいる人との対話をやめるんだから。今回ユーマがチャオを崖に突き落としたように。けど、多大な労力や時間をかけて歩み寄って大きなメリットがないのなら、お互い関わらない方が賢明なのかもしれない。


自分のメンタルが安定していることが、友人や家族、恋人、職場等を問わず、良好な人間関係を築くことと明確に相関する。心理学の本で得た知識だ。

つまり、例えガンジーやブッダやキリストでも、メンヘラと付き合ったら絶対別れる。付き合いきれなくなるのだ。今回の件でユーマはその知識がおおよそ的を得ていると痛感した。聖人君子の手を斬りつける人だって世の中にはいるんだ。まあチャオは自分を守ることに必死で近づく者全てに刃を振り回していただけだ。彼も無我夢中で悪意は無かったんだと思う。しかし、悪意なく人を不快にさせていたら本人は一生気づかない。、だから、反省しようがない。ということで、今回、こんな形で制裁を加えることを選んだ。


そして、これまでの自分の考えを振り返って戦慄した。頭に血が昇った時、ユーマという人間はこんなに偏った攻撃的な思考になってしまうのかと。イメージで言えば、俺はギャングやヤクザのような精神を持っているのだろう。仲間を全力で守るが、自分や仲間を傷つける奴がいたら、絶命するまで拳を振り下ろす。

今後の人生で、ふとした時、この血に染まった拳が大事な人に向いてしまうのではないか。ユーマ自身が大事な人を苦しめる存在になる日が来るのではないか、とても怖くなった。


ユーマの身体と脳は、言わば暴れ牛と広大な牧草地を用意した牛飼いのようなものだ。基本的には牛飼いが体を操作して、人の役に立てるように頑張る。だが、睡眠不足や今回のように外部からのストレスが加わると暴れ牛を取り囲む広大な牧草地の柵が脆くなる。普段は自由に行動しても広大な土地だから誰の迷惑にもならない。しかし、柵にうっかり暴れ牛が触れた時、もしくは誰かイタズラ好きな少年が枝でつついてきた時、手がつけられなくなる。


だが、対処法はある。この読書コミュニティをユーマに任せたいと言ってくれた前代表は、「ユーマは他人を頼るのが上手い」と言っていた。暴れ牛に鎮静剤を打ち込んで貰えば良い。人には適材適所や得意不得意がある。ユーマは普段温厚な一面だけならコミュニティの貢献に寄与できるだろう。だが、キレたら自分を見失う。そんな時、客観的に見てくれるユーマなんかよりよっぽど優れた人達に助けてもらおう。何でも自分一人で抱え込もうとするからうまくいかない。アリゲさんやキロさんに今回の自分の紆余曲折と反省を話そう。「ユーマは聖人君子」と勘違いされていたら今回のようにまた取り返しがつかなくなってしまう。


そして思った。こんなクレイジーな人間と今まで仲良くしてくれた地元の友達、社会人になってからできた友達、そして家族。なんて懐が大きい人達なんだろう。感謝の気持ちが溢れて目尻に透明な液体が滲んだ。


みんな、ありがとう。俺はこんなにも不完全だけど、不完全だからこそいくらでも変われる。これからも迷惑をかけ続けると思うけど、仲良くしてくれると嬉しいな。


そう思った時、「残虐性はお前自身を守る防衛機能だ、暴れ牛やエヴァはあくまでお前の味方であることを忘れるなよ」という声が聞こえた気がした。


そうだ、どう足掻いても俺の性格が終わっていると言う事実は変わらない。だけど、これからも大事な人達とたくさん幸せな思い出を作りたい。仲良くしていきたい。


どの選択が正解かなんて分からない。今までの27年間、たくさん間違ってきた。なら残り70年の人生、これからもたくさん失敗するし、判断を誤ることは数え切れないほどあるだろう。俺の唯一の長所は、正直さと素直さだ。行動に誤りがあるなら止めてもらって、その度に反省と対策を考えよう。分岐点で立ち止まって衰えて死ぬより、どれか道を一本選んで進んでみよう。たとえその先が行き止まりでも、脚力を鍛えたならいくらでも引き返せるし、新たな道を探すこともできる。


凡人の自分が絶対に失敗しないように生きれると思っている時点で傲慢だ。失敗しないようにビクビク生きることではなく、何回失敗してでも目標を達成するという覚悟を持つことが大切だ。そもそも、完璧の定義なんか時代によって違う。江戸時代は沢山人を殺す才能がある人が英雄だったが、現代社会でそんな奴がいたらただの犯罪者だ。


完璧な準備なんて無い。今は完璧でもAIや3Dプリンターや人工培養肉等テクノロジーの発達で一年後には時代遅れの「かつて完璧だった準備」になることの方が多くなるだろう。


チャオのように失敗を恐れて何も選ばないと、人生自体が失敗する。年齢の割に中身スカスカな、「俺達が軽蔑していてなりたくなかった老害」に俺達自身がなってしまうのだ。


老害は幼少期から老害に憧れていて、「僕の将来の夢は、頭が悪くてみんなから嫌われる、社会の足を引っ張る老害になることです!」と小学生の時にクラスメイトに発表し、満を持して夢を叶えた訳ではない。現実から逃げ続けて、肉体も精神も頭脳も鍛えなかったものの成れの果てだ。


弱いことは悪いことではない、弱いままでい続けることが本当に悪いことなんだ。大好きなバトル漫画、「ブラッククローバー」の名言が脳内によみがえった。


自分がもしポケモンの炎タイプとして生まれたなら、おそらく水タイプ技を覚えることはできない。もしくは、労力の割に大した威力にはならないだろう。覚悟を決めろ、心を燃やせ。このまま燻ったかがり火みたいな人生じゃどうせユーマは満足しないんだろ?なら、炎技を極めるしかないんだ。目標を決めて一直線に進む炎も、復讐に焦がれて相手を炭に変える黒炎も、全部俺なんだから。


俺が周囲を焼け野原にしそうになったら、水タイプの友達にハイドロポンプをぶっ放してもらって頭を冷やせば良い。


そう結論づけた時、力を求めることの重要性を再認識させる、とある人間のエピソードが脳内にフラッシュバックした。


相手の心を折るなら、徹底的にみんなの前で恥をかかせるに限る、DaiGoさんの言葉だ。彼がバーでチンピラに絡まれた時のエピソードを思い出した。

「よおDaiGo、俺が選んだカードを当ててみろや。」


「この5枚の中からこの1枚を摘んでもってもらって良いですか?え、なんでこの1枚だけ持たせたのかが気になりますか?それはね」


そう言って残り4枚のカードをDaiGoはテーブルに広げ、

「この4枚はハズレだからですよ。ザコに時間使いたくないんで一気に終わらせました。」


ババ抜きで一枚相手に掴ませて他を全部抜く。周囲の人が唖然とする中DaiGoはチンピラにこう言った。


「プロのサッカー選手とサッカーしたり、吉田沙保里選手とレスリングして勝てるはずないのに、メンタリストに心理戦で勝てると思ったその精神がすごいですね。」


あのエピソードは痛快だった。俺と同じく、元いじめられっ子で人生に絶望していた人がこんなに自由な生活をしている。


俺も、人生の重要な価値観は自由と成長だ。なあ、生きる意味を見失ってた15歳のユーマよ。今の俺は、あの時と比べて少しは自由と成長に近づけているだろうか。


俺はかつていじめられっ子で、嫌われ孤立するのが怖くて反撃しなかった。いや、立ち向かう勇気が無くて反撃できなかった。そんな弱っちい自分も、鬼畜の所業を繰り返すいじめっ子も、哀れみの目を向けるだけのクラスメイトも、向こうの親に怒鳴り込もうとする両親も、勝手に親に報告する先生も、全部嫌いだった。


けど、今なら言える。変わろうとしないから、誰かが助けてくれると思っているから、蟻地獄から抜け出せなかったんだよ。けど、今のお前はもう自由なんだ。お前が努力して、最高の仲間と自分らしい人生を掴み取ったんだよ。


確かに、チャオは今可哀想な状況で、一人寂しく泣いているのかもしれない。けど、一番足が遅い人に足並みを揃えられるほど、俺には余裕が無いんだ。キャッシュレスやネット投票を高齢者が拒み続けた結果、今の日本が衰退しているのを見てきた。俺が代表のコミュニティで、同じ轍は踏まない。


DaiGoさん、俺はあなたの精神や知識を多少受け継ぐことができたでしょうか。


DaiGoさん、あなたのいう通り、知識と行動の積み重ねで人生がこんなに変わりました。


何もチャオに反撃せず、我慢し続けるのではなく、今回のように完膚なきまでに叩き潰すという選択肢が生まれたのは、あなたや俺を支えてくれた人達のおかげです。


いつかあなたに直接お礼を言える日がくるように、これからも頑張ります。


そう思ったユーマは、日課の腕立てを始めた。


Fin.

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