まじかよ
俺の口?の中に石が入ると薬のように分解されていくのを感じた。
「え〜と、これで私の声がわかるようになったかしら?」
石を飲み込んだ事を確認して、金髪の女性が話しかけてきた。
俺は頑張って頭を動かし頷いてみせた。
彼女も安堵した様子で再び話し始めた。
「時間が無いので手短に話します。あなたは転生の魔法で召喚されましたが、失敗したのか、そんな姿で召喚されてしまいました。」
え?どういう事???
「あなたが元の姿、元の世界に帰る為には魔王を倒さなきゃ戻れません。」
?????
「本来こんな事はあり得ない事なんですよ。もう一人は勇者として召喚されてるのによりによって、、、あなたを発見するのにも1週間かかったんですよ!まさか、あんなとこに流されてるなんて------こちらの話も理解できてない様子でしたので、マジックアイテムを渡して正解でした!でもちょっと匂いが、、、」
早口で話す彼女。話している言語は理解できるのだが、内容がイマイチ入ってこない。
一番気になるのは俺の姿だ。
俺ってどうなってるの?彼女の言い方だと人間ではないみたいだ。
何?虫にでもなっちゃった?
ていうか異世界転生だよね?これ?スキルは?魔王って何?怖いんですけど???
様々な疑問が浮かび、突っ込みをしたかったが、俺は話す事は出来ない。
どうする事もできないので、体をクネクネ動かした。
すると彼女も気がついたようだ。
「あー、ごめんなさい。でも困ったわね。コミュニケーションも取れないと、、、」
そう言うと彼女はまたスタスタ歩き出しながら考え始めた。
「うーん、こうしている間にも時間が、、、
もうしょうがない!一か八かやるしかないわね!」
決心した様子。彼女は杖を取ると何やら呟いた。杖から青い光が溢れて、俺にゆっくりと降り注がれた。
「人外にやったのは初めてだけど、上手く出来たかしら?」
そう言いながら彼女は首を傾げる。俺は常に?マーク。すると彼女が説明する。
「あなたにテレパシーの魔法を譲渡しました。頭の中で言葉を念じてくれれば、私と話せます!」
おおっ?魔法キタコレ!!!
早速彼女に向かって念じてみることにした。
---貴方のような美しい女性と会ったのは初めてです。私とデートしませんか?---
完璧なテレパシーが決まった!
異世界転生したらやってみたかったんだよね!これ!!!
ノリノリで彼女の反応を見ると、何故か凄く悲しげな表情を浮かべていた。
あれ?やっちまった?俺?
---ごめんなさい。冗談です。---
慌てて謝る。しかし、彼女の表情は浮かばれないままだ。
「いや、あの、ごめんなさい。謝るのは私の方です。うーんと、すいません。これを見てください。」
そう話すと彼女は鏡を取り出した。
もう凄く嫌な予感がするのだが、渋々鏡を見る俺。
そこには直径10センチ程の茶色のうんこがあった。