安心できる場所
最悪な一日だった。
深いため息と共に尿が落ちていく。
「 ジョボジョボジョボ」
一瞬スッキリとした気持ちになるが、思い出がフラッシュバックしてくる。
今日起きた3つの最悪の出来事の内、1つ目は職場での失敗だった。
派遣工場で響き渡る上司の怒声。
ヘルメットに振り落とされるレンチ。
まあ、なんだ、派遣なんて辞めちまえばいいから気にしない。気にしない。
2つ目の最悪の出来事は推しのvtuberが引退した事。しかも彼氏バレで。
これはショッキング。俺がなけなしの給料で買った抱き枕は洗濯した後に捨てよう。
3つ目の最悪の出来事は思い出したくもない、、、
「ジョボジョボジョボジョボ」
おしっこを出しながら俺はある違和感に気がついた。
---う◯ちが、、、でない---
俺がネガティブな気持ちになってるからか?
でも、う◯ちって感情で出なくなるとかある?
しょうがない、ここは気張ろう。
昔テレビで気張るのは良くないと言われてたのを思い出すが、そんなまやかしはない!!
「でろ!でろ!」
思わず口に出したが、う◯ちはでない。
奥歯を噛み締めて、さらに力を入れる。
顔がぷるぷる震え、血圧の上昇を感じる。
しかし、出ない。
「でろ!あああああああああああああ」
夢中でう◯ちを排出しようとしたその瞬間、強烈な違和感が体を襲う。
顔のぷるぷるが収まらないどころか、体全体の震えが止まらない。
えっ、うんちって、こんなに、ムズかったっけ、、
そんな事をうっすらと思うと、口から泡が出てきた。
「あ」
人の口から泡って出るんだなって、他人事のような事を思うと同時に意識を失う。
「 ブリュリュリュリュ」
明るい個室の中で、唯一の暗い場所へ一つの物体が落ちていった、、、