呟きその3・好物
不定期更新です。
俺の名は、「うたたん」、一匹のウサギだ。
飼い主は、なんかブラックな仕事をしているらしい。
ブラックなので、我が飼い主の収入は安定の低め。
よって俺の食事も割とショボい。
「うたたん用の主食は、プレミアムフードだからね」
なんて奴は言うが、世の同族は無農薬新鮮野菜とか、限定生産ベリーとか、結構高そうなモンを食べてるぞ。
俺も一番刈ティモシーとか、ラビットショー用ペレットだけじゃなく、何か甘いモノが欲しい。
「ウサギさんは、人間並みの糖分とか塩分摂ると、お腹壊すからね」
そんな事を言いながら、棒アイスを二本齧っている飼い主。
お前の方が、小動物みたいだ。
ペレットと一緒に出してくれる、お腹に毛が溜まらないための錠剤は、まあまあ甘い。
カリカリしていて、これは好き。
とはいえ、我が種族、換毛期の抜け毛の量は半端ない。
長毛種の奴らの毛って、ふわふわ毛糸になるくらいだもん。
で、たまにお腹に毛が溜まりすぎることがある。
下手したら、お月様に帰らなきゃならん。
俺も一回、それでぐったりした。
慌てた飼い主は、ブラックな仕事を無理やり休んで、獣医さんに俺を連れて行った。
注射打たれた。
痛かった。
悔しかったので、家に戻った時に、飼い主を蹴飛ばした。
獣医さんは、毛球を上手く出すためのチューブ剤を、飼い主に渡した。
猫族にも出す薬なんだと。
薬だろ?
苦いよね……。
と、俺は思っていたのだが、ちょっとだけ舐めてみてビックリした。
あ、甘い!
匂いも甘い!
こういう味、大好き!!
今日も食後のデザート代わりに、俺はチューブ剤をペロペロ舐めるのだ。
万が一、ウサギが毛球症かなと思ったら、早めに獣医さんに連れて行こう。
あ、フィクションのローファンです。