太陽はみんなを待つ おはなし③
陽のヒカリ
光光と燃える太陽は色んな場所を見ることができます。けれど見えない場所を知ることはできません。
ある時太陽は思いました。
みんな空を見上げるのに僕を見ていない…と。
光が明るく照らす場所は太陽の住む場所ではありません。
底を見ることが出来ないから海の中も太陽の住む場所ではありません。
果てを見たことのない宙も太陽の住む場所ではありません。
太陽は思いました。
「ドコにも自分の住む場所はない」と…
そして耀き続ける事を止めようと思っていました。
そこへある日、小魚とお星さまが自分に会うために旅をしている姿が見えました。
僕を見たいと思ってくれる小魚と、僕の側で輝きたいと願うお星さま。
まだまだ小魚とお星さまは遠い場所にいます。けれど太陽は住みかを見つけました。
太陽でさえ知らない場所から会いに来てくれる者達。その心が自分の住む場所を創ってくれるのだと。
「輝き続けていれば、僕の光を便りにしてきっと来てくれる。」
太陽はこれからも小魚とお星さまに見えるように、輝き続けました。