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第94話

皆様、大変お待たせいたしました。

最新話が出来ましたので、本日投稿させていただきます。

どうぞお楽しみください!

〜第4師団第155中隊所属第452小隊視点〜

第十一連隊の兵士たちがそれぞれの小隊長を先頭に敵陣地へ向けて突撃して行く。教範通りにただ黙々と突撃する小隊もあれば、「うわぁぁぁぁ」という喊声を挙げながら突撃する小隊もいた。

篝火を煌々と焚いて見張りをしていた敵兵数名は、不意に空から降ってきた擲弾に慌てて身を隠す。だが、第十一連隊の兵士たちが突撃してきている様子を発見すると急いで迎撃態勢に移り、


「敵襲ー!敵襲だぁー!」


と叫びつつ敵襲を知らせる鐘を鳴らした。

それを聞き敵が迎撃態勢を慌てて整えている中でも、お構い無しに突撃を続行する兵士たち。夜間奇襲の第一陣が、敵が作成した柵と呼ぶには粗末な柵を乗り越え、敵を制圧していく。

真っ先に飛び込んだある兵士は見張りの兵を九九式小銃の銃床で横薙ぎに殴った。銃床で殴られた敵兵はよろめき、その隙に足払いをして地面に倒し銃剣で刺し殺す。その間僅か2秒足らず。その倒された敵兵を追い越すよう次々と敵陣内へ浸透していき、あちらこちらで乱戦が起きていた。

敵も自陣内に入ってきた第十一連隊の兵士たちを殲滅させようとしているが、既に武器庫を押えられているため、武器は前もって持っている見張りの兵か持ち込んでいた兵を除き多くの兵士は丸腰であった。そんな丸腰で鈍器にもなりうる小銃や接近戦に有効な短機関銃を持つ第十一連隊の兵士たちと対峙したらどうなるか。手も足も出なくなるのは明白であろう。

そんな中で、第452小隊は敵陣地内に侵入した後、自軍が確保した敵の武器庫の左側の通路の制圧を行っていた。


「敵の居そうな天幕には構わず手榴弾を投げ込め。そして物陰には十分注意しろ。」


小隊長から注意を受けた小隊の兵士たちは1つ1つの天幕をくまなく探し、敵がいそうな場合は事前に手榴弾を投げ込んで地道に制圧していった。制圧していった天幕には食料が納められていたり、馬に乗る際に使う馬具などが納められていたりしている。

天幕が張られている道沿いにはちらほら篝火が焚かれているものの、明かりは申し訳程度のないよりマシな状態であり、制圧には時間がかかっていた。


「ようやく、最後の天幕が終わったか」


天幕が途切れるまでの距離約200mをくまなく調べきった。

途中、天幕と天幕の間に作られていた丁字路には一個班を貼りつかせておき、近場の天幕から持ってきた木箱などを使った即席の機関銃陣地を作らせておく。


「よし、全部見回ったな。以降、二個班ごとに分かれて巡回と警戒を行え。それ以外の班は休め。以上!」


小隊長がテキパキと指示を出して役割を振っていき、休憩とされた班の兵士たちはそこらに散らばっていた木片や木の枝を拾い集めて焚き火を作る。


「ついさっき、そこのテントから酒瓶っぽいのを見つけたんでくすねてきた」


と、ある兵士がニヤニヤしながら言うと別の兵士が「見つかって怒られても知らんからな」と呆れ返った。

そうして一部の兵士がささやかな宴会をしている一方……


「早く交代の時にならねーかな」


と、2人1組で巡回をしている班の兵士の1人が呟く。それを聞いたペアの兵士が「集中しとけよな」と注意を促す。へいへいとその兵士は軽く返し、巡回を続けた。


しばらくの間巡回し、時間通りなら合流するはずの地点に来たが、ペアの兵士が来ない。少し周りを見回ると地面に無造作に置かれた九九式小銃があった。近くに行って取り上げ、キョロキョロとペアの兵士の姿を探すと、そばの天幕と天幕の間の陰に項垂れた状態で座っているのを見つけた。

すぐさま駆け寄り揺り起こそうとしたが、その直後何者かに口を塞がれ、喉元を切り裂かれる。

その兵士はモゴモゴと抵抗したが、切り裂かれた喉から温かいものが流れ込んできて、呼吸ができなくなり視界が徐々に暗転していった。

いかがだったでしょうか?

皆様からのブクマ、評価、感想、レヴュー、お待ちしています。

前回より、四か月以上空いてしまって申し訳ないです。ですが、これからも続けていくのでよろしくお願いいたします!

それと、今回の内容の中に夜間突撃するシーンがあるのですが、日本軍はてっきり叫びながら突撃するものと思っていた作者です。(アジ歴にあった昭和15年度の歩兵操典の夜間戦闘の章を読んだところ、喊声を上げずに静かに突撃すると書かれていて、そうだったんだと新しく知りました笑)

また、今更感がありますが、極力日本軍に関わる事物は史料を読んだり関係書籍を参照して書いてはいます。しかし、あくまで素人の情報収集なため正確な情報ではない可能性があります。その点ご了承ください。

次回も気長にお待ちいただけるとありがたいです。

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