第68話
今回はまたも切り替わり、白上中尉たちの視点となります。
何度も言いますが、視点がコロコロ変わってしまって申し訳ありませんm(__)m
~敷島防衛海軍陸戦隊特別護衛小隊第一小隊小隊長白上中尉~
唐突に始まった各分隊の腕相撲対決の結果、一位が第四分隊、二位が第二分隊、第三位が第一分隊、そして最下位が第三分隊となり、順位順でそれぞれが好きなものを取ってやっと解散となった。
「こいつをどこで売るとするか」
腕相撲対決にて獲得した物資―二つの木箱一杯に入っているオリーブっぽい何か―が積まれているリヤカーの様子を、後ろで見ながら通りを歩いていると
「お!?それはフランク王国産のオリフではないですか!?」
その通りに面している百貨店らしき建物の前で、今まさに牛車に乗ろうとしていた恰幅のいい中年の男が目の色を変えてドタドタと走ってくる
「え?なんだと!?」
その中年の男の叫び声に反応して初老の男性が血相を変えて近づいてきた。その他にも見た目が富裕層の格好の人たちがわらわらと近寄ってきて一気に四方を囲まれてしまう
「そのオリフを私にくださいませぬか!?金貨を100枚出そう!」
「いやいや、私は300枚出す!何卒オリフを私に!」
「何を抜かせ!儂は800枚出せるぞ」
それぞれががやがやとアピールし、なにやら数字を出している
「はいはーい皆様ー。こちらがほしいんですか?」
「「「「もちろんだとも」」」」
すると突然、白上中尉の隣にいた萌木兵長が叫び出す
「だったらー、この中で一番高い金額を出した人にあげようと思いまーす。それで、いいですよね?白上小隊長?」
とウルウルの上目遣いで白上に聞いてくる
「うっ……まぁいいだろう。好きにしろ」
断ろうと思っていたところを萌木兵長のウルウルを見たことにより断れなくなってしまった白上はしぶしぶ許可を出す。
その答えを聞いた萌木兵長は上目遣いから一変、わるだくみを企む目に切り替わり
「はーい!じゃーあ、このおじいさまがおっしゃっていた800でもいいんですがもっと出してくれる人いますかー?」
と、その初老の男性の腕にくっつきながら群衆に話しかける。それをされた男性は鼻の下を伸ばしてデレデレな顔になった。
それを見た周りの男らが「ぐぬぬ…」と歯ぎしりをして睨み付け
「なら810!」
「いやっ850だっ!」
「900出そう!」
とどんどん金額?が上がっていく
「2000」
と一人の手が上がってそう宣告する。自然に人の群れが割れて若い男が見えるようになり、それを見た他の男たちは声も出なくなった上に唖然とした顔になった
「わぁーい!ありがとうございますぅ!」
萌木兵長がタタタッと駆け寄って腕に抱きついた
「造作もないことさ。…ところでお嬢さん、このあと時間あるかい?良ければ俺と少しお茶でもしないか?」
と萌木兵長の腰を抱き寄せてそう話す。それを見た他の分隊員が一斉に殺気立つが、白上が手で制する
「いいんですけどぉ、今は別の用事があるんで行けないんですぅ。だ・か・ら、また今度でもいいですかぁ?」
萌木兵長は気にもしない様子で断った
「そうか、ならしかたない。またの機会にしよう。そうだ!もし時間があるなら『モントレース商会』っていう建物に遊びに来ればいい。僕はそこにいるからね」
とにこやかに若い男が話して、萌木兵長を解放する
「わかりましたっ!時間があれば行きますねぇ」
萌木兵長はニコニコしながら手を後ろ手にして離れる
「あ、それとこれを出さなくちゃいけないね」
とどこからか硬貨がぎっしり詰まっているであろう革の袋を出して萌木兵長の手の上に乗せ、後ろに控えていた従者にリヤカーに積まれていた木箱を運び出すように命じた。
数人の男らがリヤカーまで行き、木箱を担いで若い男のところまで戻ると
「じゃまたね」
ニコリと笑いかけて去っていった。
その光景を見た他の人々は指を噛む者、悔しがる者、肩を落とす者など十人十色な様子で散っていき、最後に白上らが残される
「お金ゲットー」
とガッツポーズする萌木兵長
「ちょい、萌木来い」
白上が萌木を呼び寄せた。「なんですかー?」と萌木が白上のとこに来ると
「よくやった」
と褒める。すると萌木が満面の笑みでもっと褒めてオーラを出す
「だがな…」
白上はそう言葉を切り
「貴様はやり過ぎだっこのばかもんがっ」
ゴチーンというげんこつのいい音が通りに響き渡る。げんこつを落とされた萌木兵長は頭を押さえ「うぅ…」と唸った
「貴様には限度を知らんのか。だいたいな、2000という単位のこの国での価値が分からない量を稼ぐのはやり過ぎだ。もっと少なめでよかったんだぞ、どうすんだよ」
「ごめんなさいぃ」
萌木兵長は涙目で謝罪をする
「以後を気を付けろ以上だ。…はぁ涙を拭け」
白上はポケットからハンカチを出して萌木兵長に渡す。それを萌木兵長が受け取り涙を拭く。
「さぁて、両替屋を探すか、一度本部に戻るか。どうしたものか・・・」
はぁとため息をこぼしながら泣いている萌木兵長を慰める白上中尉だった。
萌木兵長は果たしてあざといのだろうか・・・そこんとこの意見も募集します笑
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