第36話
前回と同じくメアリのお話です。
~メアリ~
「ハァ…ハァ…」
今メアリは昼間、自分が狩りをして鹿を仕留めた森を走っている。昼間よりは暗いが月明かりがあるので真っ暗闇というわけでもなく、加えてメアリ自身も気づいていないが幸運にも猫の獣人だったこともあり夜目が利く、つまり暗闇でもひょいひょいと倒木や大きな岩を飛び越えていくことが容易にできるのだ。
一方、追いかけてきた兵士たちはというとメアリのように夜目は利かないので木にぶつかったり、木の根っこにつまづいたりなど足止めを食らっていたらいつのまにか引き離されていた。
「ハァ…ハァ…ハフー…」
長時間走って乱れた呼吸を整えるために近くの木に手をついて息を整える。整えながら後ろを見るが兵士たちの姿は見えなくなっていた。後ろから誰も追いかけてこないことに安堵したのか、手をついていた木の根本にへたりこんでしまう。
ご飯もやつらが来たことで食べていないから空腹だった、そんなキュルキュル鳴るお腹をなだめながらその場でうずくまる。
(おとーさん、おかーさん…)
さっき自分を逃がすために身代わりとして捕まってしまった両親のことを思う。
(ガサガサ…)
すると、草を掻き分ける音が聞こえた、メアリは聞こえた辺りを見渡すと
(―――…――…)
人の話し声もメアリの耳は捉えた。
あわあわと慌てるがどんどん話し声が近づいてくる。
(もう、しょうがないっ)
ふと思い付いたことがあってそこに隠れることにした。
「…まったく、あのケダモノめ。この人間様をここまで弄ぶとはな」
と使い込まれた鎧を来ている男が言う。
「まぁいいじゃあないですか。捕まえたあとは自由にできるんですから」
と比較的新しい革の鎧を着た若い男が言う。
「それもそうか…たしかあの娘、若かったよな」
と男が聞くと
「最近は年を食った女とむさ苦しい男ばかりでしたからね」
「ハハッ久々に若いやつで遊べるな」
と男がニヤリと笑いながら言う
「遊ぶんでしたらまずは仕事をしないと、ですね」
と若い男が言い
「じゃあしっかりお仕事しなくてはね」
ハハハハと笑い声を挙げながら去っていった。
二人の男たちが去ったのを確認したメアリは隠れていた木の上から飛び降りて安堵のため息をついた
「ハー、気づかれなかったみたい」
安心したのもつかの間、腹の虫がめしをよこせーと再度主張し始める、とにかく腹の虫を宥めながら歩いていくと小さな漁村らしき村が見えてくる。
食べ物をなんとしても確保しないとと考えながらその漁村らしき村にむかっていった。
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