表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『君は怪物の最後の恋人』女子高生がクズな先生に恋したけど、彼の正体は人外でした。  作者: おぐら小町
【第一章】女子高生がクズな先生に恋したけど、彼の正体は人外でした。
7/182

第5話 【4月25日】理子とコンビニでの再会


このページをひらいてくれた貴方に、心から感謝しています。

ありがとうございます。

A big THANK YOU to you for visiting this page.

 昨晩、理子はよく眠れなかった。

 理子の頭の中は、疑惑の講師柏木と、謎の青年ミヒャエルの事で一杯だった。

 あの合コンに関わった全員に、ミヒャエルの事を聞こうかとも思ったが、何故か理子は行動に移せないでいた。

 合コンに参加していた男性陣と同じく、理子には奇妙な行動制限がかけられていたのだ。姉に合コンの経緯を話す事さえ、理子は出来ないでいた。


(……もやもやする……今日はせっかくの休みなのに……)


 理子は自室のベッドで寝そべりながらスマホを弄る。話題のニュースなどを大雑把にチェックした。

 アメリカで起こっている連続殺人事件がトレンド入りしていたが、遠く離れた国の事件だからか、現実味を感じられない。

 理子は朝から暇を持て余し、気分が滅入ってしまう。


「コンビニでも行くか……」


 そう呟いくと、寝間着からラフな装いに着替えて外に出た。有難い事に今日は天気が良い。

 自転車に乗らず、散歩がてら徒歩で向かう。この判断が、後に大きく影響する。


 家から歩いておよそ3分。そこそこ広い駐車場を備えた、小さなコンビニに辿り着く。

 この店の愛嬌のあるおばさん店員が好きで、理子はいつもここを利用していた。


「いらっしゃいませ」


 明るい声で出迎えられて、理子は軽く頭を下げた。そのままかごを素早く取り、足早に移動する。店内を見渡すと、理子の他にも数人の客がいた。特段変わった点はない。

 飲料コーナーで期間限定のジュースを篭に入れ、次にお菓子コーナーに行く。新作のお菓子を選んでいると、何となく馴染みのある視線を感じた。ハッとして振り返ると約2メートル先に白金髪トウヘッドの青年がいた。ミヒャエルだ。


「やあ理子」


「──!? なっ!! 何で!?」


 理子の変な声とともに、持っていた篭を落とす。何故ここにいるのかと、言いたいのに上手く言葉が出ない。

 ミヒャエルは慌てる理子を尻目に、散乱した商品を拾いあげる。


「僕が何でここにいるか知りたい?」


 満面の笑みを浮かべて尋ねた。


「当然!」


 理子は顔を真っ赤にして即答する。

 だが、ミヒャエルは理子の疑問に答えないまま、回収した商品をレジに持って行く。


「驚かせたお詫びに奢らせて?」


 キラキラとした笑顔を見せるミヒャエルに対して、理子は何も言えない。結局、自棄やけとばかりに、レジ付近に陳列されたお菓子を掴んでは追加で篭に放り込み、全て彼に奢らせた。


 会計を済ませて2人でコンビニを出てから、理子は出来るだけ動揺を押さえ、ミヒャエルに尋ねる。


「貴方……柏木先生なの?」


 そう尋ねる理子は気づいていない。あの晩、約束させられた内容は詰まる所【ミヒャエルの存在を口外するな】と言う事だ。

 要するに、柏木にミヒャエルの事を尋ねる制限はあっても、ミヒャエルに柏木の事を尋ねる制限が無かったからこそ、質問出来たのだ。

 ミヒャエルは静かに口を開く。


「ドライブしない? そこでゆっくり話そう」


 彼はそう言うと、駐車場に停めてあった1台の外車を指した。軽い電子音が鳴って、車のロックが解除される。あれに乗ろうと誘っているのだ。


 理子は一瞬怯んだが、直ぐに気を取り直してミヒャエルを睨み付け「いいよ」と重い声で返事をした。

 コンビニまで自転車に乗って来ていたら、断っていただろう。


「あんたが誰なのか、ハッキリ教えてくれるんでしょうね?」


 理子の問い掛けに、ミヒャエルはまた満面の笑みを見せた。


「勿論」


「……いいわよ。じゃあ行きましょ」


 疑惑の答えを求めて、向こう見ずな16歳の少女は車に乗り込んでしまった。

 理子を乗せた車は、どこかに向かって走ります。


ここまで読んで下さり、ありがとうございます。

貴方の今日の残り時間を楽しんで下さい。


Thank you for reading so far.

Enjoy the rest of your day.

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

script?guid=onscript?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ