6話〜天高く突き上がり、そして〜
書き上がりましたので投稿します。
「まさか彼女が!?」「勇者の名を授かるとは!」「それだけじゃなく聖剣にも選ばれるなんて」「与えし力が二つだと!?」「水晶があんなに光ったのを初めて見た…」「ああ、カミよ」
辺りは騒然と化している。それぞれ思う事を行動に表しており、誰もが先程までの静寂さを失っていた。
「ゆ、勇者だと・・・まさか、ヤツが・・・!!」
ただ大神官だけが反応が違った。何かに気付いたかの様に呟き、顔が非常に険しくなっている。すると先程俺達を案内した人に何かを伝え、この場所から去っていった。
・・・アレ?俺の事忘れてない??
周りを見たが未だに皆自分の事でいっぱいで誰も俺の事を気にしようとしない。
「アタシが勇者・・・アタシが勇者・・・この、アタシが伝説の・・・うへへへへひひひひひひひひひ」
エレナなんかさっきからおかしくなっている。正直かなり気持ち悪いし関わりたくないのだが、今この状況で聞けるのはコイツしかない。
「エレナ。なあ、エレナ!」
「ひゃっ!?き、急に大声だすんじゃないわよ!」
何故か怒ってきた。それはお前が自分の世界に入ってたからだろうが・・・まあ今それはどうでもいい
「聞きたい事があって」
「あ、もしかして〜?」
用件を言う前にエレナが話をぶつ切り、その後ニンマリとした顔を俺に向けてきた。だからその顔気味悪いからやめろってんだよ。
「アタシが勇者に選ばれた事が羨ましいんでしょう!まぁ〜当然よねえ?だって伝説と言われる存在に選ばれた訳だししかも聖剣の使い手!もはやカミはアタシこそ相応しい者と認めたと言われても当然よね。だってそうじゃないアタシは紅狼誰よりも優れ美貌も備えた絶世の美女だし勇者の名はアタシを更に磨き上げるのよ全く敗北とやらを知ってみたいわねまあアンタにはどれだけ伝えても分かりっこ無いわねだってアンタへっぽこの落ちこぼれ負け組の人間だものホントアンタは救いようも無い(」
・・・何か凄まじい勢いで喋り出したぞ?やっぱり放っておく事にしよう。コイツに話しかけた事が間違いだったな、うん。教訓になりました本当に
とりあえず先程エレナがやった手順通り水晶に右手をかざしてみよう。勇者にはもうなれないけど、俺にもアイツの様な強いスキルが欲しい。
頼む神よ、俺の願い届いてくれ・・・!!
すると水晶が先程の様に輝き出した。
だがエレナの時とは違う、あの時は蒼く眩しい光だったが、俺のは虹色に輝いている。更に水晶の周りから星が散らばった様にキラキラと輝き、それはまさに幻想を見ているかのようだ。
「お、お、おおお!!!これはまさか!!」
「ちょ、ちょっと!オルディ何が起きてんの!?」
他の人だった場合どう輝いたのかは知らないけど、これは明らかに普通とは思えない。もしやこの演出は大当たりなんじゃないか!?エレナの様な伝説系のスキルか、或いはそれ以上かもしれない!!
途中で気付き俺を呼ぶエレナを無視しながら、その光景を最後まで見つめる。やがて散らばっていた光は渦を巻きながら一つに纏まり、天井まで上がったと思いきや俺の胸に流れ込んできた。
「おおおおおおおおおお!!!!!!」
今まで経験した事の無い感覚が体全体に起きる。
底知れぬ何かが体内から響き渡り、あまりの凄さに声が出てさらに自身の周りは風が吹き乱れていた。周りの神官も何時の間にか黙り込んでこの光景に目を開いていた。
やがてあらゆる現象が終わり、周りは元の静かな光景に戻っていた。
「ふー、・・・今のは本当に凄かった。これは期待してもいいよな?」
俺は気持ちを落ち着かせながら今、目の前に現れた大きな光の板を見た。
そこに書かれていたものは
〈オルディ〉
性別:男
年齢:16
種族:人間
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戦闘力:70[詳細]
生存力:B[詳細]
状態:賢者[詳細]
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能力【階級】[詳細]
Ⅰ「(???????・改)」【不明】[詳細]
※現段階では使用不可
Ⅱ「(主夫の極み)」【レジェンダリー】[詳細]
※現段階では使用不可
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・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・は?
ナニコレ???