表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/13

5話~選ばれたのは幼馴染でした~

お待たせしました


書き上がりましたので投稿します。


一部編集しました。


 「つまりアタシこそ他の狼族より最も優れて、最強の存在なのよ!わかった?」



 「ハイソウデスネ」



 人間椅子を命じられてからおよそ30分が過ぎた。適当にエレナの話を聞き流していたが、そろそろ腕と膝がガクガクしてきたんで勘弁してもらえませんか・・・?



「ふふん、当然でしょう?何せアタシは選ばれし存在『紅狼』!この紅い髪こそ何よりの証拠、誰にも無い特別の証!アハハハッ!!」



 そう言うと、エレナは自慢げに紅い髪を指で絡ませ高笑いしてきた。

と言うか狼族の事はお前から何十回も聞かされたわ!どんだけ自分アピールすりゃ気が済むんだよ!!



 簡単に説明すると狼族には黒狼・白狼・蒼狼・紅狼の四種が存在している。その中で最も立場が低く扱われるのは『黒狼』で、一番優れているのはエレナが属する『紅狼』だ。両親はどちらも『蒼狼』なのだが、エレナが赤毛で産まれた時は皆驚ろき大喜びした。当然だろう、本来他の種族から紅狼が産まれる事はほぼ不可能であり、今までは狼族の王によって選びすぐられた女の狼から生まれる事が当たり前とされてきたのだから。



 その後エレナが産まれてから親はもちろん色んな人から色々もてなされ、何をしてもさせても褒められ称えられた彼女は自分こそ絶対な超わがまま娘と成長してしまった。



 そんな彼女に目を付けられたのが自分であり、この出会いが俺にとって最低最悪とも言える地獄の始まりだったのだ。



 「さてと!時間もそろそろだし神殿に向かわないと」


  

 「(やっと終わった・・・)」



 そう言った後エレナは立ち上がり、ようやく俺は解放された。無駄話を聞かされた分いつもより倍疲れたけど、目的を達するまでまだ休むわけにはいかないんだ。上機嫌に歩くエレナの後ろで俺はフラフラと彼女についていくように歩き始めた。



========================




 しばらくして、俺たちは目的の場所についた。この町にある神殿は目立つ飾りは無いものの、非常に豪華な作りをしている。四本の白く大きな柱が入口の左右に二本ずつ存在していて、門の周りには細かい模様が施されている。



 中に入ると更に凄かった。壁と床全体が白で埋め尽くされており、天井にはおそらく神を意味した絵がドーム状に描かれている。一体どれほどの金をつぎ込んだんだろうか・・・そんな雰囲気に圧倒されていると目の前から女性の声が聞こえた。



 「こんにちはお二人方、お待ちしていましたよ」



 目の前の女性は蒼と白を主張した衣を纏っており、頭にはねじれた真っ白な角が二本生えていた。

おそらく白羊族の人たちだろう。彼らは白い角の見栄えが良い故に、聖職者になる者が多く神殿で出会わない事はまず無いと言われる程存在しているそうで。そんな彼女は人当たりの良い柔らかな顔で此方を出迎えた。



「本日あなた方は『カミが与えし力』を授かるんですね、前々から話は聞いております。今からご案内しますので付いてきてください」



 そう言いつつ前を歩きだしたので自分たちも付いていくことにする。



 「そう言えば何故ここの人たちはスキルって言わないんだろうな?」



 「それはアンタたち人間が使う言葉でしょう?アタシたちが人間と同じ言葉使うわけないじゃない」



 成程そういう理由があったのか・・・神殿の人たちだし人間への扱いも少しマシになるのかと思ったが・・・どうやらそう言う訳にはいかないようだ。



「付きましたよ。あなた達はこれからこの神聖なる場所でどのような力を得るのか、大神官様を通じて知ってもらいます」



 そんな事を思っているうちに目的の場所に到着したが、部屋の中は異様な雰囲気を漂わせていた。

両端の壁側が神官で埋め尽くされ、目の前には白い台に乗った僅かに蒼く光る水晶が一つだけ置いてありその更に前には神官長と思われる男性が居た。神官と同じ白い角をしているが衣には金色が入っており他の人よりも上であるという事が見て分かる。



 俺たちが水晶の前に立つと目の前の男性が話しかけてきた。


 「『カミが与えし力』を授かった若き者たちよ。今日あなた達は偉大なるカミから頂いた力を知り、そして新たな自分を知る事になるでしょう。ご存じの通り与えられし力をまだ使うことはできません。どのような力を授かるのかも分かりません。ですがこれらは本来誰も得る事ができないものです。今言ったことを決して忘れないように」



 そう言った後、神官長はエレナに水晶の前で右手をかざす様に指示を出した。先程まで自信だらけだったエレナもこの状況故か緊張の入った顔をしながらおそるおそる右手を動かし・・・


 

それは唐突に起こった。


 






キイィィィィィィィイイン!!!!!!!!

「え、な、何!?」「こ、これは・・・!?!?」



 手をかざした瞬間蒼い水晶が鳴り出し、それと同時に蒼の光が力強く部屋全体を照らしたのだ。エレナと神官長はもちろん周りの神官と自分までもがこの現象に驚きを隠せなかった。



 音と光が弱回った後、エレナの目の前から大きな光る板ようなもの現れた。そこには・・・




〈エレナ〉

性別:女 

年齢:16 

種族:新人種『紅狼』

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

戦闘力:5200[詳細] 

生存力:E[詳細] 

状態:健康[詳細]

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

能力【階級】[詳細]


Ⅰ「(勇者)」【レジェンダリー】[詳細]

※現段階では使用不可

Ⅱ「(聖剣の使い手)」【レジェンダリー】[詳細]

※現段階では使用不可

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



 と書かれてあった。


 へぇー、スキルってこんな風に見えるんだな。



 ん?いや、ちょっと待て。


 能力と書かれたところに・・・ゆ、勇者???






 勇者だと!?!?!?!?





「「「えぇぇぇぇぇぇえええええええええええ!?!?!?!?!!?!?」」」



 獰猛幼馴染のエレナが勇者に選ばれた瞬間だった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ