4話〜新たな支配者の世界〜
書き上がりましたので投稿します。
サブタイトル修正しました。
この世界の支配者『新人種』である彼らは優れた存在故に、プライドが高く他者を格付けする。「どちらが優れているか」などの理由で毎回争っているのだ。
特に彼らが自国の名前を付ける時はひどかったそうで、自分こそこの国の名前に相応しいと言う者が溢れ出た。中には乱闘を起こす者も現れ収拾がつかなくなり、結局名前を付けなくなったそうだ。
だからと言って無名のままでは何処に何があるか分からないので、その場所で特徴のあるものを国名にしようと言う事で皆が納得した。
なので俺たちが住むこの町には名前が無い。いや、世界の何処にも名前のついた町や国は存在しないが正しいだろう。
では名前の代わりにこの町の特徴は何なのかと言うと、ここでしか採れない上質な針葉樹がそれになる。
周りが山に囲まれている故、輸出品として作られるのが椅子やテーブルなど木材を加工した物が殆どだ。そう言った理由からこの町は「針葉樹の町」と呼ばれるようになった。
ちなみに俺の父さんはその職人で毎朝早く出勤している。俺たちがこの町で住めるのも実力が認められている父さんのお陰だ。だがそれでも人間を見下している事は変わりないのだが・・・
兎に角これ以上家族に辛い思いをさせたくは無い。今日俺は新たな力を手に入れて、強情なアイツらを見返してやるんだ。どんな物が手に入るかは分からないけど何も無いよりかは全然違う。そして絶対エレナに見下される日々を終わらせてみせる。
そう思いを胸に秘め「オルディ!!!」うわっ!?びっくりした!
「アンタさっきからずっと上の空になってたわよね!アタシの話ちゃんと聞いてんの!?」
「・・・え?」
「は?」
「・・・あ、あはは」
噛まれはしなかったが、公共の場でエレナの人間椅子を命じられた可哀想なオルディだった。