1話~プロローグ~
初投稿になります。言葉遣いや誤字脱字が目立つかもしれませんが、どうが最後まで見て頂ければと思います。
一部の文章を修正しました。
かつて、カミが生み出したこの世界の均衡は人間と動物、そして魔物達で成り立っていた。
魔物と言えど全てが凶暴では無く、争いを好まぬ者は表には現れることはなかった。故に世界の殆どは人間が支配していたと言っても過言ではない。だがそれはある存在によって大きく覆される事となった。
「災厄なる者」
自らそう名乗ったソレは瞬く間に世界を恐怖で飲み込み、人間達を蹂躙した。その力は恐ろしい程に強大で人間はなす術もなく命を散らしていった。
それを見ていたカミはこの状況を打破する為に自ら力の一部を人間達に振りまいた。
後にそれは人間達から「スキル」と呼ばれ、カミが与えし神秘な力として扱われる事となる。
やがてその中から「勇者」と呼ばれるスキル持ちが出現し、仲間と共に災厄なる者を打ち倒すことに成功。それによって世界は平和を取り戻す事ができた...筈だったが、ヤツが残した傷跡は非常に大きなものであった。蹂躙を受け生き延びた人間は僅か一割程で、更に今まで抑えられていた凶暴な魔物達が暴れ始めたのである。いくらスキル持ちの人間達でも大量に出現した魔物が相手ではどうしようもなかった。
そこでカミは失った人間達の代わりとして動物と良心を持つ魔物達をヒトの姿に変え、人間と同じ様にスキルと新たに知能を与えた。生まれ変わって自身とスキルの力を持ち合わせた彼らは、瞬く間に凶暴な魔物達を叩きのめしたのであった。
今度こそ平和が訪れる・・・と人間達は思っていたが此処から更に悲劇が生まれる事となる。元々人間の生活やヒトの姿に憧れていた元動物と魔物達は、願いが叶ったことに感激して人間が残した文明を代わりに築き上げていったのである。逆に身体能力も技術も優れた彼らに対して、全てが劣る人間達は住む場所を段々と失いつつあった。かといって彼らに歯向かうことなどできる筈が無く、人類の未来は暗くなる一方だった。
それから約10年後、世界は自らを「新人種」と名乗る彼らによって支配され、人間は弱者のレッテルを貼られてしまうのであった。
そして、新人種による新時代から500年後の今、山に囲まれたとある町で二人の子供が産まれる。
この二人を合わせて五人の英雄達が、世界の命運を握っている事は今は誰も知らない。