表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
No.Title  作者: 花房 澪
1/2

第1章『赤ずきんは恋を知らない』

白色のカッターシャツに灰色のカーディガン、赤色と黒色のチェックのスカートを履いている私は胸元にある黒色の無地のネクタイを整えながら目的の場所に向かい歩いているとき肩を叩かれた。

誰が私の肩を叩いたのだろうと不思議に思いながら振り返ると、耳には無数にピアスをつけ、手の甲には蝶のタトゥーを入れている見知らぬ男性が下心ありげな笑顔を浮かべ立っていた。



「ねぇ、俺と遊ばない?」



男性の言葉を無視して歩く。

あからさまに拒否の態度を取っているのに男性は私を誘う言葉を投げるのをやめることはなく私が逃げないようにするためか右手を強く掴んだ。

今日は大切な日だから誰かに構っている時間なんてないのにと心の中で愚痴をこぼしつつ、どうやって撒こうかと考える。




「すいません。急いでいるので」


「その割には歩いているよね。ホントは急いでないんじゃないの、急いでるんだったら普通は走るよね」




たしかに急いでいるのなら走ったり、自転車を漕いだりなど少しでも早く移動できる手段を使うと思うけれどその手段が使えない場合もある。




「申し訳ございません。本当に急いでいるので手を離してもらえないでしょうか」


「素直に手を離すと思うか」


「いいえ、全く思っておりません。なので、こうさせていただきます」




体の中にある空気を吐き出せるあたり吐き出して、鼻から新しい空気だけで体が満たされるくらい吸い込んだら口を大きく開けて




「助けてくださいッ」




そう叫ぶと男性は驚き、掴んでる手の力を緩める。その隙に手を振り払い走り出したとき、何かが胸を貫いたのか血が流れ、服が血で染まっていった。不思議なことに痛みはないためポケットからハンカチを取り出し、血をこれ以上流さないように抑えようとしたそのとき、ほんの少しだけ青色を下地とした銀髪のショートヘア、暗めの赤色の目、赤色のコスモスがプリントされた白色のローブを身につけた十二歳くらいの少年が突如現れ私の目の前に立った。





「やっと見つけたよ、僕の新しい契約者さん」




少年は曇りひとつない笑顔だそう言った。言葉の意味は気になるけれど私は一秒でも早く目的の場所に行かないと行けないから少年の横を通り過ぎたとき、先程まではなかった眠気に襲われたため視界がボヤけ、身体の力が抜けていった。




「無理に動いたらダメだよ。君はもう死んだんだからさ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ