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異世界の配達屋さん~世界最強のトラック野郎~  作者: さとう
『第15章・トラック野郎と重機の魂』
200/273

199・トラック野郎、vsケイオス・ヘカトンケイル①/お披露目

*****《コウタ視点》*****




 キリエとクリスが突如として現れたプラチナの髪の女性と対峙し、シャイニー・ウィンク・コハク・月詠・煌星は雑魚相手に無双していた。数こそ多いが武具を持つシャイニー達の敵ではない。

 そして太陽だが、黒い鎧を装備したグレミオと戦っている。ありゃ勇者の武具だ、間違いないぜ。

 するとシャイニーが運転席に近付いて来た。

「コウタ!! ここはアタシとウィンクに任せて行きなさい、コハクとツクヨ達を連れてミレイナを!!」

「は? ちょ、待てよ、さすがにこの数は」

 モンスターと騎士を合わせて数は二〇〇〇は居る。さすがに二人じゃキツいだろうが。

「ふん、アタシとウィンクを舐めないでよね。武具の力も開放しないで楽勝なのよ? 開放したらこの程度楽勝に決まってるわ」

 相変わらず自信たっぷりだ。

 俺は少しだけ考え、すぐに結論を出した。

「わかった。絶対に無理すんなよ!!」

「だから楽勝だっての!!」

 シャイニーとウィンクは月詠と煌星の元へ向かうと、敵を蹴散らしながら二人に天魔王城へ向かうように言う。

 俺は太陽の方を見ると、そこでは二人の戦いが苛烈化していた。双方とも鎧を展開し、派手な技を繰り広げてる。

「行くしかないか。タマ、行けるか!!」

『肯定』

 ハンドルを握り、ギアを入れる。

 いつの間にかコハクがトラックの正面に立ち、迫るモンスターや騎士を殴り飛ばしていた。

「ご主人様の道は、わたしが切りひら······殴り開く」

 わざわざ言い直しちゃった。

 とにかく、先へ進もうとした時だった。

「おっと、先へは行かせないよ」

 グレミオの声が聞こえた瞬間、上空に巨大な魔法陣が現れた。

 あのガキ、太陽を相手にしながら俺の様子もちゃんと見てやがった。

「コウタさん!! コハクさん!!」

「おじ様、コハクさん!!」

 月詠と煌星も合流し、巨大な魔法陣の前に並ぶ。

 すると、巨大魔法陣からとんでもない化物が現れた。

「な、なんだコイツ······」

『ブギャ、アギャ、ガルルル、ヴォォォッ!!』

 驚いたのがゴリラのような身体、そして下半身が馬のような四本足で、腕は大きさも長さもバラバラで別種族の四肢をくっつけたような歪さ、そして何より頭部が四つもあった。

 すると、太陽との戦いを中断して化物の傍にグレミオが来た。

「コイツはsssトリプルレート······キミ達の言葉で言うなら災害級危険種かな? それ等のモンスターの長所を掻き集め融合させた合成モンスター。その名も『ケイオス・ヘカトンケイル』さ。こんな歪な姿だけど実力は本物だよ」

「テメェの相手はオレだろーがァァっ!!」

「おぉっと、ははは、じゃあ頼んだよっ!!」

『『『『ギャブシャバァガァパババァァァッ!!』』』』

 気色悪い混ざったような叫びを上げ、目の前の化物は俺たちを見る。 

「ご主人様、ここは」

「コウタさん、ここはあたし達に任せて下さい」

「おじ様、しばしお待ちを」

「いや······俺に任せろ」

「ご主人様、がんばって」

 巨大な化物なら、ここは俺が行くべきだろ。

 それに、勇者パーティーにお披露目のチャンスだ。

 訝しむ月詠達を無視して、俺は全力で叫んだ。

「行くぞタマ!! デコトラ・フュージョン!!」

『了解。デコトラカイザー変形シークエンス開始』

 トラックが立ち上がり、バンボディが割れて脚部へ変形、腕部が現れてコックピット部である頭部が現れ変形完了。

 カッコいいポーズを取りながら俺は叫んだ。

「デコトラカイザー、配送開始!!」

 ふふん、どうよどうよ。

 俺は勇者パーティー達を観察した。

「な、な、な········なに、これ」

「まぁ······こんな」

 ほぼ真下の月詠と煌星は仰天してる。

「う、ぉぉぉ·····うぉぉぉぉぉーーーーッ!! 何だありゃおっさんスッゲぇぇぇぇーーーーッ!!」

「わぁお······派手だね」

 太陽は黄金の鎧姿のまま大興奮。

 グレミオも驚きを隠せていない。二人の戦いは一時的にストップしていた。

「な······あれは」

「こら、余所見しない!!」

「も、申し訳ありません!!」

 ウィンクの手が止まりそうになり、シャイニーが叱咤する。

「ほう、あれが······」

「わ、わ、わぁ〜〜っ······すっご」

「クリス、前を向きなさい」

 プラチナの女性とクリスも注目し、キリエは微笑みつつも冷静だ。

 さーて、ここからが本番。俺の強さを見せつけてやるぜ。




 勇者パーティー達だけでない、魔界の騎士団やモンスター達もデコトラカイザーを見ていた。

 そして俺のテンションは上がる上がる、観客の期待に応えるためにやりますかね。

「ドライビングバスター・大剣モード、ハイウェイストライガー・ガンモード展開」

『畏まりました』

 空に巨大な穴が空き、そこから大剣とゴツゴツした大きめの拳銃が飛んでデコトラカイザーと合体した。

 右手に剣、左手に銃、近中距離に対応したデコトラカイザーのオーソドックススタイル。

「行くぞっ!!」

『ブギャァァァァァァッ!!』

 四つの頭は同時に叫ぶ。

 あまりの気持ち悪さに吐きそうだ、これは長時間見るモンじゃない。

「まずは様子見と牽制だっ!!」

 左手のハイウェイストライガーガンでメチャクチャに撃ちまくる。

 弾丸はバケモノの身体に食い込み血が噴き出すが、どうも効いてる感じがしない。

「……なんだコイツ、嗤ってやがる」

 バケモノは、血を噴き出しながら嗤っていた。

『ギャヒッヒッヒッヒ!! ギヒヒヒヒッ!!』

「この……だったら!!」

 俺はドライビングバスターソードを握り、ハイウェイストライガーをクローモードにしてバケモノに接近、その身体を思い切り斬りつけ、クローをボディに突き刺した。

『ギャイィィィッ!! グヒピィィィィィッ!!』

「おらおらおらおらおらぁぁぁぁぁぁっ!!」

 バケモノは無抵抗だったので、とにかく攻撃を繰り返す。

 腕を切り落とし、身体を刻み、頭も切り落とした。

「とどめだぁぁぁぁっ!!」

『ギュップゥゥゥッ!?』

 四つの頭全てを斬り落とし、残ったボディを縦に両断した。

 内臓が飛び散り四肢が転がる。なんだ……あっけないな。

「見かけ倒しかよ、キモいだけで大したこと……」

『警告』

 タマの警告音が鳴った瞬間だった。

 肉片が集まり、グチュグチュと音を立てて変わっていく。再生……いや、これは違う。

「アッハハハハッ!! ケイオス・ヘカトンケイル最大の特徴は再生能力さ、肉片一つから瞬時に再生を始め、より強くより進化した姿に変わるのさ。どうやら肉体を融合させた時の副作用みたいで詳しい事は不明だけどねっ!!」

 太陽と戦ってるグレミオがそんな事を言うと、バケモノの身体はあっさりと元に……いや全く別のモンスターに進化した。

 四つ合った顔が一つになり、形の違う目玉がいくつもギョロギョロし、馬のような下半身はゴリラの足が四本になってる。腕は八本に増え全て形が違う、カマキリみたいな腕もあった。

「な、んじゃコリャ……」

『警告』

「やべっ……っどわぁっ!?」

 カマキリみたいな腕が伸び、デコトラカイザーのボディを引っ掻いた。

 レベル一〇〇のボディが削れてしまった。なんて切れ味だよ。

『フシャァァァァァァッ!!』

「声まで変わってやがる」

 よく見るとカマキリみたいな腕だけじゃない、ハチの毒針やトラの爪みたいな腕もある。同じ腕はない、どれも全く別物だ。

「とんでもないモンスターだ……」

 でも、それだけだ。

 コロンゾン大陸を制覇した俺の敵じゃない。それに、こっちはまだ見せてない機能だっていくらでもある。

 でも、今回はど派手に行きたい……だからコイツで行くか。

「タマ、行けるな」

『了解。社長の判断にお任せします』

「へへ、やっぱお前は最高の相棒だぜ」

 さて、反撃と行きますか。

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お読みいただき有難うございます!
最弱召喚士の学園生活~失って、初めて強くなりました~
新作です!
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