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異世界の配達屋さん~世界最強のトラック野郎~  作者: さとう
『第14章・トラック野郎と怒りの決意』
193/273

192・トラック野郎、蹂躙

ここから章の終わりまでほとんどバトル展開です。


*****《コウタ視点・コロンゾン大陸》*****




 俺は現在、デコトラカイザーで大暴れしていた。

「ドライビングバスター・薙刀モード、ハイウェイストライガー・待機モード!!」

 薙刀に変形したドライビングバスターを振り回し、超危険種の群れに斬りかかる。

 現在、俺は平原でモンスターの群れと戦っていた。

 だだっ広い平原なので目立つ目立つ、戦えば戦うほどモンスターが集まりやがる。

 デコトラカイザーを狙うモンスターもいれば、モンスター同士で争ったりしてる。人間同士の争いではあり得ない、まさに野生世界の生存を掛けた戦いになっていた。

 ここには善も悪もない、ただ生きるために戦う。喰らうために戦う、己の強さを証明するために戦う。

 弱い者は狙われる。だからこそ逃げるわけにはいかない、戦って戦って、生き残る。そのための力ならある。

「おらおらおらおらーーーーッ!!」 

 薙刀を振り回し、目に見えるモンスターを斬りまくる。

 オーガ系モンスターの胴体を切断し、オーク系モンスターの首を切り落とし、フロッグ系モンスターを縦に両断した。

 経験値もじゃんじゃん貯まる。もちろん経験値狙いもあるが、今の俺は生きるために戦ってる部分が大きい。

「フォームチェンジ、ブルドーザーっ!!」

『畏まりました』

 デコトラカイザーは一度ブルドーザーに変形し、俺はギアを入れてアクセルを全開にする。

 バケットを持ち上げてモンスターを蹴散らし、全力で叫んだ。

「デコトラ・フュージョン、ブルフォームっ!!」

『了解。ブルデコトラカイザー変形シークエンス開始』

 ブルドーザーが変形、ちょっとチビデブのブルデコトラカイザーに変形した。

「バケットアームっ‼ おりゃりゃりゃーーーーっ!!」

 巨大な右手のバケットでモンスターを殴ると、衝撃でミンチになる。

 スピードが遅い分、モンスターの攻撃も受けるが構わない。

 ひたすら被弾しつつも殴りまくり、俺は怒りの咆哮に見せかけたクラクションを鳴らした。

『ブォッブォーーーーッ!!』

 巨大なクラクションはブルデコトラカイザーの怒りの咆哮。

 モンスター集団が硬直した隙に、コマンド入力をする。

「必殺!!」

『コマンド入力成功。《スピニングバケット》発動』

 ブルデコトラカイザーの下半身がキャタピラモードに変形し、左手にドライビングバスター、右手にバケットアームを展開。上半身が回転、コマのようになった。

「お前らの命、あの世に配達してやるぜーーーっ!!」

 コントローラーを操作し、モンスターを薙ぎ払う。

 ブルデコトラカイザーに触れたモンスターはミンチになるが、それでも向かってくるモンスターがたくさんいた。もちろんミンチだけどな。

 俺は強い、このコロンゾン大陸で最強だ。

「まだいやがる……よし、トラックフォーム変形!! デコトラ・フュージョン!!」

 ブルデコトラカイザーからデコトラカイザーへ変形し、高らかに叫ぶ。

「カモンオーライ、ハイエースバズーカ!!」

 上空から銀色のハイエースが現れ、デコトラカイザーの周囲をグルグル回る。

「ウェポンシフト!!」

『了解。デコトラウェポンドッキング』

 ハイエースが変形し、細長いバズーカのようになった。どことなく面影を残してるし、よく見ればハイエースに見えるな。

 そのまま左腕にドッキングし、長いバズーカを構えたデコトラカイザーが完成した。

「デコトラカイザー・ハイエースバズーカ!!……あれ?」

 ここで気が付いたが、モニターに残弾数「3」と表示された。

「タマ、これって」

『ハイエースバズーカは弾数制限があります。総弾数三発。一発消費すると復活に二四時間。三発消費後は七二時間使用不可』

「え……そうなの」

『その代わり、威力は保証します』

「なにそれ怖い」

 イヤな予感はひしひしと感じたが、試してみないとわからない。

 それに、モンスターはまだまだいる。

「よし、ドライビングバスター・ガトリングモード」

 右手でガトリングを構え、接近するモンスターを撃ちまくる。

 周囲のモンスターは、いつの間にかデコトラカイザーを狙っていた。どうやら最強だって事がバレちまった……結託して俺を潰そうとしてやがる。

「ところがぎっちょん!! 行くぞーーーーーーッ!!」

 俺はガトリングを撃ちまくりながら、全力でダッシュして包囲網を抜ける。

 すると当然、殆どのモンスターが逃げた俺を追いかける……バカめ。

「タマ、いくぞ!!」

『了解』

 一キロほど距離を稼ぎ、振り返ってバズーカを構える。

「来た来た……どんなに強くても、知能はモンスターか」

 モニターに表示されてるモンスターの中心に照準を合わせ、アクションボタンを押した。

「アデュー」

 ドシュン!! と、巨大なミサイルが発射。

 恐るべきスピードで飛び、モンスターの中心へ寸分の狂い無く着弾。

「え」

 恐ろしい閃光と、とんでもない轟音。

 俺は目を閉じ、顔を手で覆っていた…………そして。

「………………マジか」

 そこには、何も無かった。

 あるとしたら、直径五〇〇メートルはありそうなクレーターだけだった。




『パンパカパーン。レベルが上がりました。【車内設備】【ドライブイン】が更新されました』

「なんか久々に聞いたな……」

 今までは後回しにしてたからな。

 車内設備にドライブインか、戦闘用じゃないし、確認は後でいいや。

「タマ、モンスター反応は?」

『索敵中……半径一二キロ圏内にデコトラカイザーを脅かすモンスターは存在しません。ハイエースバズーカの爆発により、周囲のモンスターは消滅しました』

「そっか。ふぅ……じゃあ、少し休めそうな場所を探してくれ。疲れた……」

『畏まりました』

 そういえば、朝から戦いっぱなしだ。

 太陽達は風呂入ったりゲーセンで遊んでるし、他のみんなものんびりしてるだろう。

『現在位置より西へ二キロの場所に岩場があります。そこにトラックを隠せば数時間は安全と思われます』

「よし、ナビを表示。念のためデコトラカイザーのまま行こう」

 アナログスティックを倒し、ゆっくりと前進した。

 トラックほどのスピードは出ないが、それでも早い。

「ふぅ……」

『社長』

「ん?」

『社長の精神状態は興奮状態にあります。今までのデータと照合しても、ここまで好戦的ではありませんでした。本来の社長ならば、戦闘を避け安全なルートを選び進むと思われます。わざわざモンスターが多い地域を横断するのは、私の知る社長ではありません。社長の精神状態を変えた要因は、やはりミレイナ様でしょうか?』

 おどろいた、タマがこんなに長い質問をするとは。

 まぁ確かに、俺らしくないといえばそうだ。

「確かに、ミレイナが攫われてムカついてるし、遠回りして進みたい気持ちもある。だけど、今回はマジでヤバい……お前とデコトラカイザーの力は絶対に必要になるしな。いつまでもビビってられない、それに……デコトラカイザーの弱点はこの俺だ。だから、操縦技術の向上とストレス解消、ポイントの獲得全てをこなす為に、危険なモンスターと戦いながら進もうって決めたんだ」

『なるほど。では興奮状態にあったのは』

「吹っ切れたんだよ」

 おかげで、さらに自信が付いた。

 超危険種や超々危険種、さらには災害級危険種が相手でももうビビらない。

 そうこう言ってるうちに、岩場に到着した。

 岩場の影にトラックを停車させ、一息入れる。

「さーて、少し休憩するか」

 せっかくだ、居住ルームのみんなと談笑でもするか。

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お読みいただき有難うございます!
最弱召喚士の学園生活~失って、初めて強くなりました~
新作です!
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