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異世界の配達屋さん~世界最強のトラック野郎~  作者: さとう
『第14章・トラック野郎と怒りの決意』
181/273

180・トラック野郎、超改造

 出発は三日後になり、キリエ達は買い出しに出掛けた。

 今回も長旅になりそうだし、女性陣はいろいろ準備するらしい。この辺は男には理解できないし、変に突っ込むと地雷になる。

 エブリーは五人乗りなので全員は乗れない。なので太陽と月夜とウィンクは歩きで買い物へ向かい、キリエ・コハク・シャイニー・クリス・煌星がエブリーに乗り町へ。俺はやる事があったのでトラックの運転席へ。

 もちろん、やることは強化だ。

「タマ、話を聞いてくれるか?」

『なんでしょうか』

「今回、俺はマジだ。ミレイナを救うためならどんな奴とでも戦う」

『心拍数上昇。現在、社長は軽度の興奮状態にあります。今までとは違う精神状態です。理由をお聞きしても宜しいですか』

「ああ。まず、ミレイナが攫われた······これが許せない。今までだったら怖いモンスターや強そうなモンスターの存在がチラつくだけてもビビってた、けど、それは俺個人の危険だったからこそ怖かった。だけど今回は違う、大事な従業員のミレイナのピンチだ······社長として、放っておくわけにはいかない」

 俺はビビりだ。今更隠したりしない。

 頑強なデコトラカイザーを操作してても怖いし、身に危険が迫ると竦み上がる。だけど、ミレイナが攫われてピンチなのに、怖いだけで何もしなかったら俺は俺が許せない。

 もし俺が何もせずミレイナを諦めたら、シャイニーもキリエもコハクも、そんな俺に愛想を尽かすだろう。

 今の俺は従業員を抱える会社の社長だ。居なくなった従業員を諦め、別の人材を補充するなんて事はしない。大事な仲間であるミレイナを連れ戻し、いつもと変わらない日常を取り戻す。

「そのためにはタマ、お前の力も必要だ」

『私は社長のサポートです。社長の命尽きるまで命令に従います』

「ああ、何度も言う······今回の俺はマジだ」

 まぁ怖いのは怖いけどな。

 だからこそ、準備は入念に行う。今まで節約していた経験値を使う時が来た。

「タマ、【車体換装】を開いてくれ」

『畏まりました』


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【車体換装】 レベル83

[トラックフォーム][ユニックフォーム]

[ブルフォーム][クレーン車]

【換装一覧】

[ダンプフォーム][ショベルカー][アイスフォーム]

[??????][??????][??????]

《次期開放・レベル100》

【特殊換装】

[??????]

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


「アイスフォーム······もしかして、冷凍車か?」

『肯定。経験値を消費して新たな形態を獲得しますか?』

「ああ。タマ······今の経験値で全部獲得出来るか?」

『可能です』

「じゃあ頼む、全部獲得してくれ」

 俺は迷わなかった。

 変形は戦闘で大いに役立つ。もし魔王と戦う事になったら、戦術の幅の広さが勝利に繋がるはずだ。

「あれ? この【特殊換装】ってなんだ?」

『社長が特殊条件を満たすことで獲得可能なフォームです。現在条件未達成』

「は? なんだそりゃ?」

『条件を満たすと自動取得されます』

 よくわからん、まぁいいや。

「次は……とりあえず、メニュー画面を」

『畏まりました』


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【機体名】デコトラカイザー レベル83

【運転手】吾妻 幸太

【機体スペック】【武装詳細】【車内設備】【車体強化】

【ドライブイン】【追加装備】【従車販売】【カイザーカスタム】

【従車カスタム】【経験値ポイント】

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


「よし、【カイザーカスタム】を」

『畏まりました』


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【カイザーカスタム】

[アタックコマンド][ドライビングバスター][各形態コマンド]

【各形態スペック】

[トラックフォーム][ユニックフォーム][ブルフォーム]

[クレーンジャケット][アイスフォーム]

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


「まず、ドライビングバスターを」

『畏まりました』


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【ドライビングバスター】

[双剣モード][長槍モード][薙刀モード]

[ハンマーモード][ガトリングモード][大鎌モード]

【獲得済】

○大剣モード ○キャノンモード

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


「経験値は足りるか?……全部習得だ」

『畏まりました。パパパパーン。ドライビングバスターの変形モード全習得。ボーナス獲得。デコトラカイザー専用新兵器『ハイウェイストライガー』を獲得しました』

「わぉ、いいね」

『デコトラカイザー専用武器『ハイウェイストライガー』はクローモード・アックスモード・ガンモードに変形するマルチウェポンです。ドライビングバスターと連結合体させることにより必殺技を使用可能です』

「いいねいいね、今回はそーいう兵器がいくらあってもいい。最悪、魔王と戦わなきゃいけないからな」

 自分でも興奮してるのがわかる。

 やっぱり俺、ミレイナを攫われてけっこう怒ってるかもしれない。

「じゃ、【車体強化】を」

『畏まりました』


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【車体強化】

 ○車体強度   レベル40 経験値消費4000

 ○タイヤ強度  レベル40 経験値消費4000

 ○エンジン出力 レベル40 経験値消費4000

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


「そうだな……残りの経験値でどれくらい強化出来る?」

『現在の経験値から逆算すると、レベル一〇〇まで強化可能』

 当然だが、俺は迷わなかった。

 今このために経験値を貯めていたんだ。

「じゃ、頼む」

『畏まりました』


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【車体強化】

 ○車体強度   レベル100 経験値消費10000

 ○タイヤ強度  レベル100 経験値消費10000

 ○エンジン出力 レベル100 経験値消費10000

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


「よし、残り経験値は?」

『表示します』


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【通常ポイント】《3300》

【ポイント貯金】《0》

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


「あー、もう殆ど使ったか……よし、改造はここまでだな」

 変形のバリエーションは増えたし、車体も以前の倍以上の強度になった。

 新しい武器も手に入れたし、ドライビングバスターも強化した。

「よし、あとは俺が上手く使いこなせばいい」

『社長、提案があります』

「お、なんだ?」

『シミュレーションモードを使い、デコトラカイザーの操作技術向上をおすすめします』

「シミュレーション?」

『はい。今までデコトラカイザーで戦闘した敵データを呼び出し、仮想空間で戦闘が可能です。新たに獲得した形態や武器を試すのにいいかと』

「…………おい、そんな便利なのあるなら最初から言えよ」

『社長が説明を放棄したので』

「…………そうだっけ?」

 確かに、最近はレベルが上がっても説明が面倒だから聞いてない。

 戦闘に消極的なのが災いしたか……くそ、なんかくやしい。

「ま、まぁいい。じゃあシミュレーションをやろう」

『畏まりました。シミュレーションモード起動』

「おぉ?」

 なんと、運転席の内装がコックピットに変わった。

 いつものコントローラーが現れ、モニターには様々なデータが表示される。

 格闘ゲームのような選択画面には様々なフィールドが表示され、その下には今までデコトラカイザーで戦ったモンスターが表示される。

『フィールドを選択し、対戦相手を決めて下さい』

「フィールドはとりあえず荒野で、対戦相手は……よし、玄武王だ」

『畏まりました』

 決め終わると、モニターが切り替わる。そして……俺の眼前に、超リアルな玄武王バサルテスが現れた。

「ひ……い、いや、行くぜ!!」

 恐怖を押し込み、コントローラーを握る。

 大丈夫、今の俺とトラックならこんなヤツは敵じゃ無い。

「来い、ドライビングバスター!!」

 こうして、俺の特訓が始まった。

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お読みいただき有難うございます!
最弱召喚士の学園生活~失って、初めて強くなりました~
新作です!
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