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異世界の配達屋さん~世界最強のトラック野郎~  作者: さとう
『第2章・トラック野郎の新たな会社』
15/273

15・トラック野郎、青パンツと話す


 アップグレードを終えた俺は、青パンツのいるベッドルームへ向かう。

 女の子が寝てる部屋だと思うと緊張するね。しかも裸体もしっかり拝んじゃいましたからね。手のひらサイズおっぱいにスベスベつるつるの肌を余すことなく……って、俺は変態か。


 「コウタさん、シャイニーブルー様をどうするんですか?」

 「とりあえず話を聞いて、ゼニモウケに帰るなら送っていこう。帰り道の途中で降りるなら降ろせばいいしな」

 「わかりました」


 ミレイナはにっこり微笑む。やっぱ天使だわこの子。

 ベッドルームへは居住ルームを抜けた先にあるので、どうしても新しい設備が目に入る。


 「おぉぉっ!! やったぜ!!」

 「あ、あの?」

 「ふっふっふ、見ろよミレイナ、テレビだぜ!!」

 「は、はぁ…………てれ、び?」


 居住ルームの一角には、壁掛けテレビとソファが鎮座してる。

 ここで酒とツマミをいただきながら、高校野球でも見ますかね……それとも、ミレイナと一緒にクイズ番組でも見ながらキャッキャウフフと……ヤバいな、異世界に来てから俺の欲望が増してる。

 だってしょうがないじゃん!! 異世界で俺を慕ってくれる可愛いJKがいるんだぜ!? しかも警察なんて存在しないから(多分)目一杯かわいがりたいし!! この世界じゃ話しかけたくらいで通報されないだろ!?


 「あ、あの」

 「ふぅ……すまんミレイナ、行こうか」

 「は、はい」



 ヤバいな、いつかミレイナに手を出しちまうかも。



 **********************

 


 ベッドルームはそんなに広くない。四畳半の間取りにベッドとサイドテーブルが置いてあるだけだ。設備を入れれば広くなるのかな。今度ミニ冷蔵庫入れてみるか。

 そんな部屋のベッドの上で、シャイニーブルーは上体を起こしていた。ボンヤリとして俯いてる。心ここにあらずって感じだな。肩もピクピク動いてるし······どうしたんだ?

 ちなみに着てるのはミレイナの寝間着。胸がスカスカなのは目の錯覚だと思う。


 「え〜と、大丈夫か?」

 「·········」

 「お〜い」

 「······ふぇ······」

 「あ、あの、シャイニーブルー様?」


 何だろう? 何か様子がおかしいな。なんか堪えてるような、徐々に顔が歪んでいく。もしかして毒が残ってるのか⁉



 「ふぇっっっくしょんっ‼······あーやっと出た·······」



 ·········何だ、くしゃみを我慢してただけか。っておい。

 余りの図太さにビックリだよ。ミレイナもポカンとしてるしさ、ここでようやく俺たちに気が付いた。

 ベッドから飛び起きると、俺に詰め寄ってきた。


 「あんたたちがアタシを助けて······あ、ドラゴンは⁉ どうやって逃げたの⁉ ここはドコよっ⁉」

 「落ち着け落ち着けっ⁉ ゆっくり説明すっから1個ずつだ‼」


 最初の清楚なお嬢様イメージは消え去った。何というか、じゃじゃ馬なお嬢様って感じがする。だけどそんなギャップも可愛いね。


 「まず、ドラゴンはやっつけた」

 「·········はっ」


 この野郎、鼻で笑いやがった。


 「あのね、ヴェノムドラゴンは猛毒を持つ超危険種のモンスターなのよ? アタシたち『七色の冒険者アルコバレーノ』ですら単体じゃ勝ち目の薄い相手を、あんたがやっつけたって?」

 「·········」


 この野郎、なんかムカつく。

 それに、単体じゃ勝ち目の薄い相手に何で1人で立ち向かったんだよ。せっかくだし聞いてやる。

 

 「あ、あの······ドラゴンを倒したのはホントです。そのおかげでシャイニーブルー様を侵してた毒を治療出来たんです。信じて頂けませんか······?」


 あらら、ミレイナちゃんに先を越された。健気でかわいいなぁ。おずおずとだけど、しっかり言ってくれた。

    

 「······まぁいいわ。事実、こうして毒は消えてるし。その·········助けてくれてありがとう」

 「ちょっと言い方が引っかかるけど、助かったならいいや。気にすんな」

 「ふん······あっ⁉ アタシの服と装備はっ⁉」

 「服は洗濯中、装備は居住ルームに置いてある。安心しろよ、ちゃーんとパンツも洗ってるから」

 「へ?······あぁっ⁉」

 

 するとシャイニーブルーは下半身を両手で押さえて蹲った。どうやら気付いたようだな······キサマは今、ノーパンという事実に‼


 「あ、アンタ······アタシに何を······」

 「いや何もしてねーよ。アホか」

 「あの、汚れ落としや着替えは私がやりました」

 「今は乾燥中だから、服はもう少し待ってろ。それと俺たちはゼニモウケに帰るけど、お前はどうする? 途中までなら送ってやれるけど」

 「ゼニモウケ······アタシも帰る。それとここドコよ?」

 「ここはトラックの中。まぁ·········スゴい馬車だ」

 「はぁ?」


 うーん、何て説明すりゃいいんだ?

 まぁ実際に降りて見てもらうのが1番か。ドラゴンも荷台に積んであるし、これで信じてもらえるだろ。


 「とりあえず外へ出ようぜ」


 シャイニーブルーにはドラゴン、ミレイナにはユニックフォームを見てもらいたい。それが終わったらとりあえず出発しよう。



 というわけで、みんなで外へ。



 ********************



 「わぁ〜、形が変わってますっ。なんかスッキリしましたね、それに······この長いのは何ですか?」

 「ドっ、ドドドドドドドドドドドドっ⁉」


 ミレイナはユニックフォームに驚きつつ首を傾げ、クレーン部分を見てる。シャイニーブルーはジョジョみたいな擬音を出して固まってる。なんか面白いな。


 「ドラゴンっ⁉ うっそホントに〜〜っ⁉」

 「だから言ったろ、マジだって」

 「そ、それに何この鉄のカタマリはっ⁉ 硬いし太いし長いしっ、スッゴ〜〜いっ‼」


 おいその言い方やめろ、なんか照れるだろ。

 シャイニーブルーは首チョンパドラゴンを見て驚きつつ、ユニック車を見てはコンコンと叩いてる。まぁオーバーテクノロジーだし、気になるよね。


 「さーて、後はこいつを換金する。そして念願の事務所設立だっ‼」

 「はいっ‼」

 「事務所?」

 「ああ。運送屋の事務所。土地は買ったから建物を建てるんだ。そんでこのトラックを使って運送屋を始めるんだ‼」

 「ふ〜ん······まぁ、ドラゴンを倒したのはあんただからいいけど、ギルドに報告はさせてもらうわ」

 

 あぁ、ギルドに報告した方がいいってミレイナも言ってたな。せっかくだしシャイニーブルーに任せよう。


 「それと、助けてくれたお礼もしなきゃだし······このドラゴンの討伐報酬はあんたたちにあげる。アタシが討伐したことにすれば討伐報酬は4000万······開業資金にでもしたら?」

 「·········え、マジで?」


 つまり素材で5000万、討伐報酬で4000万の儲け。

 家を建てるのにいくら掛かるか知らんけど、それでもかなり残るのは間違いない。運送屋を始めて軌道に乗るまでの資金に当てればいい。


 「で、ですが······そんな大金、もらうわけには······」

 

 ありゃ、ミレイナは遠慮してる。

 まぁ普通はそうだな。そんな大金おいそれと頂けるワケがない。ちょっと調子に乗ってしまった。


 「いいのよ。命の価値はコインなんかじゃ計れない。だからこれは正当な報酬······ね?」

 「っ‼ は、はいぃ······」


 この野郎。ミレイナにウィンクしやがった。しかもミレイナも顔を赤らめて縮こまるし。くぅぅ、なんか悔しい。しかもシャイニーブルーのやつ可愛い。

 

 「よ、よし。まずは森を出て街道に出よう。その間にミレイナ、昼メシを頼んでいいか?」

 「お任せ下さいっ‼ 腕によりをかけて作りますね‼」

 「アタシは?」

 「寝ててもいいけど、よかったら助手席に座るか?」

 「なんか面白そうね、座る」


 ミレイナの席だが譲ろう。そういえばトラックって2人乗りだな。暇なとき追加装備でシートが購入出来ないかチェックしてみよう。デコトラ化も気になるし。



 でも、まずは森を出て昼メシかな。


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お読みいただき有難うございます!
最弱召喚士の学園生活~失って、初めて強くなりました~
新作です!
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