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異世界の配達屋さん~世界最強のトラック野郎~  作者: さとう
『第12章・トラック野郎と勇者のお礼』
143/273

143・トラック野郎、ゲームで遊ぶ

 コンビニで買ったお菓子を片手に、俺達はゲーセンにやって来た。

 ドアを開けてはいビックリ、ミレイナ達は唖然としてたよ。

「これがゲームセンターだ。あっちがパチンコとスロット、こっちが格闘ゲームやクレーンゲーム、あっちが卓球台」

「す、すごいキラキラ光ってます」

「なにこの音楽? あとキラキラに、へんな金属は」

「恐ろしい技術ですね······」

「まぶしー」

『うなーお』

 さて、それぞれゲームを説明してやるか。

「一通り説明するよ、まずはクレーンゲームから行くか」

 クレーンゲーム筐体は五台ある。

 ぬいぐるみ系とお菓子系などで、どれも面白そうだ。

 とりあえず、しろ丸みたいな犬のフカフカクッションの筐体を選び、百コインを投入した。

 ちなみに、ご丁寧に両替機まで置いてある。

「このボタンを操作して······」

 アームをボタンで操作し、しろ丸クッションに狙いを定める。

 ミレイナ達は凝視してる。クレーンが気になるのか、しろ丸クッションが気になるのか。

 アームは見事にクッションを掴み·······落とした。

「あぁ、失敗だ。とまぁこんな感じでアームを操作して景品を掴む遊びだ、やってみるか?」

「じゃ、じゃあ私が」

 どうやらミレイナはしろ丸クッションが欲しいようだ。

 小銭入れからコインを出し筐体へ入れ、俺のやったようにアームを操作する。だが、クッションは掴めたがポロリと落ちた。

「あぁっ、も、もう一度‼」

 ミレイナは再度コインを投入。

 熱中してるしここは邪魔しないでおくか。

「ご主人様ご主人様、あれなに?」

「ん、あれは卓球台だ。やってみるか?」

「うん」

 コハクは卓球台に興味があるらしい。  

 すると、シャイニーも付いてきた。

「あれ、キリエは?」

「あそこよ」

 シャイニーが指差した場所には、怖いオーラを漂わせてミレイナと共にクレーンゲームに熱中するキリエがいた。狙いは色違いのしろ丸クッションらしい。

「あの可愛いクッションが欲しいみたい。ま、アタシはしろ丸がいるから要らないけどね」

『なおー』

 シャイニーはしろ丸を抱き締める。

 相変わらずしろ丸は可愛いな。フカフカモコモコした生のクッションだ。

 卓球台は二台、壁際にラケットやピンポン玉が置いてある。

 シェイクハンドにペンハンドのラケットに、なんと室内用シューズまで置いてある。

「いいか、これはラケットでピンポン玉を打ち返すゲームだ。ミスしたら相手に一ポイントでサーブは交換、先に21ポイント先取した方の勝ちだ。シャイニー、そっちに立って」

 シャイニーを相手にピンポンを打つ。ちなみに俺は中学時代に卓球部に所属してた。

 シャイニーは何もせず玉を見送る。

「おい、打てよ」

「打つ? これで?」

「ああ、このネットが境界線だ。相手の陣地に玉を打って打ち返す、打ち返されたらまた打つの繰り返し、相手がミスしたら一ポイントでサーブ交換」

 ま、こんなルールでいいだろう。

 シャイニーは最初こそぎこちないが、運動神経は抜群なのですぐにラリーが出来るようになった。

「ご主人様ご主人様、わたしもやりたい」

「いいぞ、ほら」

 俺はラケットをコハクに渡す。

 当然だが、自然とシャイニー対コハクになる。

「くくく、コハク······勝負よ」

「いいよ。動きは見たからもうわかった」

 見ただけでわかるのかよ。

 まずはシャイニーのサーブ。

「しゃあっ‼」

「えい」

「んなっ⁉」

 コハクは、いとも簡単にシャイニーのサーブを打ち返した。

 しかもドヤ顔······ヤバいなこりゃ。

「じょ、上等‼ ぶっ潰す‼」

「シャイニー、わたしには勝てないよ」

 こうして、激戦が始まった。




 ミレイナとキリエはクレーンに夢中、シャイニーとコハクは卓球に夢中になっていた。

 くくく、俺は念願のパチンコ筐体へ行きますかね。

『なおー』

「おっとそうだ、待ってろよ」

 でもその前に、コンビニで買ったビーフジャーキーをしろ丸にあげよう。

 俺はしろ丸を抱えて壁際の椅子に座り、コンビニ袋からビーフジャーキーを取り出す。

「ほら、美味いぞ」

『なうなう』

 俺の膝上でビーフジャーキーを食べるしろ丸は可愛いね。

 思わず頭をフカフカ撫でてしまう。あぁ癒やされる。

「よし、行くぞしろ丸」

『なう?』

 しろ丸を抱え、いよいよパチンコ筐体へ。

 アニメ物や特撮系の筐体に有名人系の筐体などが並んでる。待て待て、落ち着け落ち着け。ニヤニヤするのはまだ早い。

 とりあえずアニメ物の筐体に座り、様子見で千コイン札を入れる。すると玉がジャラジャラ出てきた。

 懐かしい、休日の楽しみの一つであるパチンコがトラック内で出来るなんて。

 俺は右手をコキコキ鳴らし、ハンドルに手を添えた。




 気が付くと、サイフの中の札は消えていた。

 ミレイナとキリエはしろ丸クッションを抱き締め、シャイニーとコハクは肩で息をして床に突っ伏している。

 俺は大負けしていた。

 久しぶりのパチンコなのにそりゃないぜ。

「今日はこれくらいにするか」

「はい、うふふ、ふかふかです」

「ここは欲望に負けると恐ろしい事になりますね······気を付けましょう」

「こ、コハク、明日、明日もう一度勝負よ······」

「いいよ、はふぅ、疲れた」

「せっかくだし、みんなで温泉にでも入ったらどうだ? シャイニーとコハクは汗も掻いたしな」

 我ながらナイスアイデアだ、別に変な意味はない。  

 すると女性陣は頷き、着替えを取って温泉へ向かった。ちなみにコハクはしろ丸を連れて行った。

 俺は背伸びをしてトラック内のソファに寝転がる。

「やっぱミサイルとかレーザーとかより、こういう施設を充実させるのがいいな」

 戦闘ではデコトラカイザーに変形すれば負けはない。

 新しく獲得したクレーンジャケットも強いし、油断さえしなければ超危険種でも災害級危険種でも相手に出来る。

 それに、シャイニーやコハクもいるし、実はとんでもない魔術の使い手のキリエもいる。はっきり言って勇者パーティーに匹敵する強さじゃね? ま、本業は運送屋だから関係ないけどな。

『なうなうなうーっ』

「こらしろ丸、待って」

「ん?·········え」

 しろ丸とコハクの声が聞こえたと思った瞬間、真っ裸のコハクが俺の前を横切った。

『なうーっ』

「ダメ、ちゃんと洗う」

 ナマ乳がぶるぶる揺れ、水滴がポタポタ落ちる。

 上も下も丸見え、しろ丸を捕まえ小脇に抱えた。

「あ、ご主人様······ごめんなさい、床が濡れちゃった」

「え·········うん」

 羞恥心が薄いのか、コハクは身体を隠そうとしていない。

 濡れた琥珀色の髪に短い黄色のツノ、肩から胸の先端にかけて流れる水滴、お腹を伝って下半身に水滴が·········。

「コハクっ‼ タオルタオルっ‼ コウタさん見ちゃダメですっ‼」

 タオルを巻いたミレイナの言葉にハッとなり、両手で顔を隠しソファに顔を埋めた。

「もう、ダメですよコハク。女の子がむやみに身体を見せちゃ」

「でもご主人様だよ?」

「ダメなのはダメです!!」

「んー、わかった」

「もう······ほら、戻りますよ」

「はーい」

『なーう』

 二人と一匹は風呂場へ戻って行った。

「·········おぉう」

 とんでもないモノを見てしまった。

 コハク、とんでもないボディの持ち主だ。鍛えてるからだろうか、しなやかだけど柔らかいところは柔らかそうで······し、しまった。

「··········俺って奴は」

『社長。下半身に血液が集中』

「やめろ!! てゆーかいきなり喋んな!!」

 タマを黙らせ、俺は深呼吸を繰り返した。




 さっきの続きだが、忘れちゃいけない事がある。

 強いのはあくまでもデコトラカイザーであり、俺自身は何の力もない一般人だ。

 最初に言っておく。

 今回、俺はマジで命の危機を感じた。

 トラックのいない場所で、マジで死にかけた。

 しかも、原因が······勇者太陽のせいでな。

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お読みいただき有難うございます!
最弱召喚士の学園生活~失って、初めて強くなりました~
新作です!
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