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異世界の配達屋さん~世界最強のトラック野郎~  作者: さとう
『第10章・トラック野郎と様々な事情』
112/273

112・トラック野郎、聖王国へ出発

 トラックの強化はまだ続く。

 とりあえず新しい部屋は保留。まずは確認を済ませよう。

「えーと、設備に不満はないから……車体強化も別にいいや。じゃあ【カイザーカスタム】で」

『畏まりました。項目・形態の増大に伴い画面を整理しました。該当項目をタッチして下さい』


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【カイザーカスタム】

[アタックコマンド][ドライビングバスター][各形態コマンド]

【各形態スペック】

[トラックフォーム][ユニックフォーム][ブルフォーム]

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


「お、だいぶ変わったな。やっぱちょくちょく確認しないとダメだな」

『そうですね』

「………」

 なんだろう、もしかしてバカにされたのだろうか。

 タマがこんなにはっきり肯定するなんてな。

「え、ええと……[ドライビングバスター]って?」

『性能の強化と変形機構の習得が可能です』

「へぇ……じゃあ見せて」

『畏まりました』


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【ドライビングバスター】

[双剣モード][長槍モード][薙刀モード]

[ハンマーモード][ガトリングモード][大鎌モード]

【獲得済】

○大剣モード ○キャノンモード

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


「おお、意外といっぱいあるな」

 でもいらない、だって必要ないし。

 大剣モードだけで十分。それにキャノンモードは必殺技に匹敵する威力だしな。

「うーん……コマンドも必要ないなぁ」

 武装も変えなくてもいいし、従車も別にいいなぁ……やっぱ[遊戯ルーム]とついでに[武器庫]を購入しておこうかな。いざという時のために武器は必要だし、ゲーム機はあれば嬉しいしな。

「よし、戦闘系はもういいや。【車内設備】で[遊戯ルーム]と[武器庫]を購入だ」

『畏まりました………購入完了。トラック内に[遊戯ルーム]と[武器庫]を設置しました。現在獲得した社長専用武装を全て[武器庫]へ移動しました。[遊戯ルーム]の商品が解放されました』

「来た来た。じゃあ[遊戯ルーム]の商品を見せてくれ」

『畏まりました』


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【遊戯ルーム】

《ギャンブル台》

○パチンコ筐体[50000] ○スロット筐体[50000] 

○ポーカー台[20000] ○ルーレット台[20000]

《スポーツ台》

○ビリヤード台[8000] ○卓球台[5000]

《ゲーム台》

○格闘ゲーム筐体[35000] ○レースゲーム筐体[35000]

○クレーンゲーム筐体[38000] ○コインゲーム筐体[25000]

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


「改めて、俺のチートスキルはとんでもないってのがわかった」

『設備を購入しますか?』

「うーん……高いなぁ」

 今やポイントは俺一人の物ではない。強化ならともかく娯楽に使うのはちょっと気が引ける。

 ここはみんなと相談してから購入しよう。それに、パチンコ筐体のためなら多少危険なモンスターと戦闘してもいい。それくらいの覚悟はあるぜ。

「よし、とりあえずここまで。いろいろ確認出来たし、これでいいや」

『畏まりました』

 結局、殆どイジってないな。

 まぁいいや、必要に応じて追加していこう。これからはレベルアップしたらちゃんと確認するクセを付けることにしよう。

「さーて、そろそろメシか……しろ丸にもご飯やらないと」

 ミレイナが作り置きしたご飯があるはずだ。

 俺は背伸びをして二階へ向かった。

 作り置きのチャーハンを温め、しろ丸と一緒に食事をする。

「美味い。やっぱミレイナは天使だな」

『なうなう』

「お、しろ丸もそう思うか?」

『うなー』

 俺の足下でチャーハンをがっつくしろ丸は可愛い。

 相変わらずデブ猫みたいな鳴き声だが、それにも慣れた。

『なおー』

「お、食べたか」

 俺も食べ終わったので、皿を洗う。

 食事も終わったし、昼寝でもするか。

「しろ丸、一緒に昼寝でもするか?」

『うなーお』

 俺の足下をグルグル回る。

 俺はしろ丸を抱き上げ、その身体をフカフカとモフりながらソファへ横になる。

「……ホーリーシットか、変な名前だな……ふぁ」

『なおー……』

 オーマイゴット、ホーリーシット。なんかケンカ売られてるみたいだ。

 それに、災害級危険種とか……何でこう、俺の平和な日常を邪魔するのかね。

 でもまぁ、ホーリーシットには行ったことないし、クリスを送るだけならプチ旅行気分で行こうかね。それと今回から冒険者ギルドに依頼を出して、会社には定期的に見回りに来て貰うか。ニナは無償でやってくれたみたいだけど、流石に悪いしな。

「ふぁ……」

 しろ丸を撫でていると眠気が来た。

 柔らかくフカフカなしろ丸……あれ、もう寝てる。

 それを確認しながら、俺の意識も闇に沈んだ。




 ふわりと、肉の焼ける香りがする。

「おにーさん、夕飯の時間だよっ」

「………クリス?」

 俺を揺さぶって起こしたのは、明るい金髪の少女クリス。

 買い物から帰ってきたのだろうか、その表情は明るい。どうやらリフレッシュしてきたようだな。

「今日はエッグオークの焼き肉だってさ。しろ丸も早く」

『うなー……』

 俺の胸元で寝ていたしろ丸を抱き上げ、クリスはダイニングへ。

 背伸びをして首をコキコキ鳴らし、俺もみんなの元へ。

 ダイニングテーブルには鉄板が敷かれ、ミレイナが鉄板に油を敷いていた。

「遅い」

「悪い悪い」

 シャイニーのセリフはお決まりだ。

「社長、今日は焼き肉です。たくさん食べて下さいね」

「サンキュ、キリエ」

「旅の買い物も終わりましたので、後で食材をトラックに積み込みますね」

「ああ。俺も手伝うよ」

「わぁ~、いい匂いっ」

「クリス、起こしてくれてありがとな」

「いいのいいの、ねぼすけを起こすのはタイヨウで慣れてるしっ」

 クリスはすっかり打ち解けたな。

 短い期間だったが、共同生活は楽しかった。

「それでは、乾杯しましょうか」

 そう、この夕食はクリスの送別会を兼ねている。

 クリスは勇者パーティーの元へ帰る。つまり俺たちとの生活はおしまいだ。

 湿っぽくならないように、俺は明るい声で言う。

「クリス、今度は太陽達を連れて来いよ。歓迎するからな」

「うんっ、ありがとうお兄さん、大好きっ!!」

「お、おう……」

 こんな金髪美少女に大好きなんて言われてしまった。ちょっと興奮する。

「で、では……かんぱいっ!!」

 俺の合図で乾杯し、ミレイナが肉を焼き始める。

「お肉、お肉」

『なおーん』

 クリスは鉄板に落とされた肉をジッと見て、膝上に乗せたしろ丸も同じように見ていた。

「っくぅぅ~っ!! ビール最高ね!!」

「ああ、この一杯のために生きてるぜ!!」

 俺とシャイニーは缶ビールを飲んでいた。このメンバーで俺と酒が飲めるのはシャイニーしかいない。キリエはビールよりもワインをチョビチョビ飲むのが好きみたいだし、ミレイナとコハクは未成年だ。

「………」

「キリエ? どうしたんです?」

「いえ、何でもありません」

 キリエは、考え込む事が多くなった気がする。

 上の空というわけではないが、たまーにぼんやりする事が多いんだよな。

 ま、今日は無礼講だ。楽しく行きますかね。




 そして、ホーリーシットへ向けて出発の日がやって来た。

「クリス、大丈夫か?」

「うん……ちゃんとタイヨウ達に謝って、また仲間に入れて貰う」

 クリスを送り届けたら後は太陽に任せる。

 オーマイゴットだのホーリーシットだの俺には関係ないし、政治的な絡みや戦争なんかは関わり合いになりたくない。さっさと済ませて仕事に戻ろう。

「ホーリーシットね……アタシも行くのは初めてよ」

「私もです。キリエ、どんな所かわかりますか?」

「………」

「キリエ?」

「ちょっと、どうしたのよキリエ」

「あ、いえ、なんでもありません。失礼しました」

 俺の足下では、しろ丸をなでるコハクがいた。

「しろ丸、初めてのお出かけだね」

『うなー』

 なんか癒やされる。

 くじ引きの結果、助手席に座るのはキリエとなった。

 全員がトラックに乗ったのを確認し、出発する。

「さて、目指すは聖王国ホーリーシット。『グリーン平原』を抜けて『ムーワ密林』を越えるルートだな」

「はい。それではよろしくお願いします、社長」

 キリエの様子も気になるが、俺はトラックを走らせた。

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お読みいただき有難うございます!
最弱召喚士の学園生活~失って、初めて強くなりました~
新作です!
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