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epilogue
「悠太」
私は大切な人の名を呼んだ。
でも、貴方に会うことは、もう叶わない。
私はもう、貴方には会えない。
だって私は、旅立ってしまったのだから。
ここは死の国。
生者である貴方は、来ることができない場所。
しかも、死の国へ行くことを認められた死者になった私は、生者の国である現世にはもう、戻れない。
『ゆかさ、僕だよ』
貴方はそう言って、毎晩、私の元へと訪れてくれた。
そして、私の凍りついた心を溶かしてくれた。
貴方は、私に唯一優しく接してくれた、大切な人。
「貴方のこと、忘れないわ。大好きよ」
もう私の声は、悠太には届かない。
たとえ、どれほど大きな声でも。
何度繰り返して言ったとしても。
これが、私と悠太の幻想のような物語。
もう二度と戻らない、大切な日々。
これで「銀河街の幻想」は完結いたしました。
いかがでしたでしょうか?
評価、感想等あれば頂けますと幸いです。




