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ダンジョン「ナツヤスミ」は残酷です。  作者: ルルの眸(しゆ)
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夏休みがモデルの物語です。

へたくそな描写やストーリーだと思いますが、どうぞよろしくお願いです。

 世の中には、数多くのダンジョンが存在する。


 ダンジョンは、時には迷宮、時には城、時には洞窟などと呼ばれながらも、本質は変わらずに存在していた。


 そのダンジョンのことである。

 ダンジョンは、常に魔物の住処であり勇者を成長させる場でもある。

 勇者、冒険者を、阻み続ける難所もあれば、レベル上げに適した所もある。ダンジョンは十あれば十通りの特色があるとも言われ、まさにこれが「十ダンジョン十色」なのである。


 基本的に、ダンジョンにおいてモンスターは不可欠であり、それでこそ潜る意味があるといえるだろう。それと同じことが宝箱にもいえるだろう。


 この世界には常に、多くのダンジョンで溢れている。そのダンジョンたちを分類すると、大きく二つに分けられる。

 世界の始まりからあったと言われるダンジョンと、極まれに生まれる期間限定ダンジョンである。前者の方は、未来永劫消えることはない。後者の方は名前の通り期間限定で、いずれ消える。その期間は、ダンジョンによって様々だ。


 そんなある日のことである。

 期間限定ダンジョン、ダンジョンネーム「ナツヤスミ」が、この世界に誕生した。






 俺がその知らせを知ったのは、パーティーメンバーのサナが教会から帰ってきたときのことである。


「ねえ、みんな聞いて!」


 俺達が一斉にサナの方を見ると、サナは「そんなに見られたら恥ずかしいじゃん」と謎にテレてしばらくもじもじしていた。


「期間限定ダンジョン、明日出るんだって」


 そうサナは言い切り、こちらに背中を向けた。


「期間限定ダンジョンか。ダンジョンネームは分かるか」


 攻撃専門のロクが問い掛ける。


「……知らない」


 背中を向けたまま、サナは答える。


「目標レベルは?」


 タンクのガガが訊く。


「……知らない」


 指先になにかあるのか、指先を弄りながらサナは答える。


「明日、ダンジョンのとりいでそのダンジョンが生まれるのね?」


 ヒーラーの女性サラが、当たり前のことを確かめる。


「……うん」


 サナは手遊びを止めて、答える。


「…………どこから知った?」


 俺が訊いた。


「神父」


 即答だった。


「分かった。目標レベルがどれくらいにせよ、明日に向けてアイテムを揃えましょう。そして、そうね……。サナのレベルも上がったし、目標レベル37までだったら、挑戦することにするのはどう?」


 パーティーリーダーのサラがまとめて訊いた。

 全員、頷くなどなにかしら反応をして、俺達は解散した。

 その日俺は商店街を回り、ダンジョンに行くためのアイテムを揃えた。

 回復薬、解毒剤、聖なる水、そして使えばパフがつくカード(一回使うと無くなる)。その他もろもろを揃え、俺は明日を迎える。




 そして、夜が明けた。

 日が出てきて間もない頃、俺達のパーティーはダンジョンのとりいの前に立っていた。

 周りに、俺達以外の人影は見当たらない。

 そのとき、目をこする俺達の目の前で、とりいが赤色に大きく輝いた。サナとサラは小さく悲鳴をあげたが、なんのことはない。ダンジョン誕生が瞬間である。


 サラが、俺とガガとロクと目配せする。

 サラもダンジョンが生まれたのが分かったようで、俺達が頷くのを確認するととりいに近づき、とりいメニューを開いた。

 次の瞬間、サラが息を止めたのがわかる。

 それに気づいたサナが、サラのとりいメニューを覗き込んだ。

 俺達も、と男子勢がメニューを覗こうとしたときには、時すでに遅しで俺達のパーティー五人はとあるダンジョンの中にいた。


「なんで俺達に確認もせずにダンジョンに入った!サラ!」


 ガガの怒涛が聞こえる。

 ここはどこだろうと俺が辺りを見回すと、そこにはこれまでみたことのないほどの開放感あふれるダンジョンだった。


「目標レベルはどうだった?」


 ロクが冷静に訊く。


「それが……」


「その……」


 サラとサナは口ごもる。そんなにやばいダンジョンだったのだろうか?基本的に、ダンジョンに入るとボスモンスターを倒すまで出ることができない。故に、目標レベルは命の危険を左右する大切な情報なのだ。


「どのくらいあった?」


 ロクがもう一度問い掛ける。


「……目標レベルは、0だった」


「ゼロ?」


 思わず叫んでしまう。ダンジョンとは、ボスモンスターがいる時点で目標レベル0は有り得ない。有り得るとしたら、どういう場合か……。


「入っちゃったんならしかたない!行くぞお前ら。探索だ」


 ガガが先頭に立って、俺達はダンジョン攻略を進める。

 しかし十分も経たない内に、俺達はこのダンジョンの異常に気づく。


「モンスターが出てこないぞ!おいこら、どういう事だ?」


「宝箱はたくさんあるのにねー」


 ガガの怒鳴り声とサナの呑気なつぶやきが重なる。

 パーティーリーダーのサラも困惑顔だ。

 どうしようかと、パーティーで話し合った結果、しばらく待って他のパーティーがこのダンジョンに入ってくるのを待つ、と言うことにした。



 二時間後。


「なーんだよこれは!誰も入って来ないじゃねーかぁぁ!」


 ガガがどれだけ叫んでも、状況が変わることはなかった。

 このときの俺達は知る由もないが、このダンジョンは世にも珍しいインスタントマップ上での座標が使われていたので、他のパーティーがこのダンジョンに入ったところで、俺達と会うことは有り得ないのであった。


 仕方なく、パーティーを進める俺達。

 何時間も歩いた先に、ボスはいた。


ダンジョンネーム「ナツヤスミ」。

目標レベル0。

ボスモンスターコード[The Homework]。

ボスモンスターレベル「魔王」。


 ボスモンスターの中で一番の強敵と呼ばれるレベル「魔王」。

 そいつは、海が見える砂浜で寝そべっていた。

 ボスモンスターを取り囲む形で、モンスターコードがゆらゆらと漂っている。

 生き物とは形容しがたい、そのボスモンスターは、書物のような形をしており、見ていて寒気がした。


 俺達が近づいていくと、急にそのボスは呪文を唱え始めた。


「☆▶▶▶★!」


 聞き取れない呪文は、墨よりも深い黒色の螺旋となって、俺達を襲った。

 ガガにその螺旋が触れた瞬間、ガガは倒れた。すぐにサラが回復魔法を唱えたものの、ガガはもう死んでいるようで、その魔法がガガに効くことはなかった。


 半分狂気になりながら、俺達のパーティーは無我夢中に戦った。

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