エピローグ
本日四話更新です。これが最後です。
目が覚めた。
私が目覚めたのは拡張に拡張を重ねたカワヒラ領の領主の館、つまり私の家の私の部屋だ。
あれ? 生きてる。
手の温もりに気付いてそちらを見ると、星の女神の聖女、レイカ様が私の手を握っていた。
「……間に合いましたね……」
「えっ、えっ?」
頭の中に盛大なクエスチョンマーク。いったい何が起こったの?
「星の女神様がなんとか、今回悪戯してきた月の女神様までお仕置きに引っ張ってきて計算を進め、シズクさんの魂の呪いを解析、解除しました」
「えっ、えええっ!?」
あの時の黒髪の女の子は月の女神様で、なにやら星の女神様に悪戯を仕掛けていたらしい。その代償に私の呪いを解析してくれたそうだ。多分意図的に。
つまり私は……。
……救われた?
「本当にギリギリでしたが、最後にはシズクさんのバハムートを釣りたい気持ちが上位の神様の心にも響いたようです」
「へっ?!」
レイカ様によると、つまり私は、自分の釣り意地の汚さに救われたようだ。あの時釣っていたのは呪い解除のためのキーワードだったのだそうな。
うん……。
釣りガールで良かった……。
ふと視線を上げると、カイル君やナミエ、お爺ちゃんにお母さん、マンサ様や貴族の皆様、元村人たち、カイリちゃんたちが集まっていて……すっごく暑い。ナミエに言われて領主らしく大きな寝室を構えているがさすがに数十人が入れるほど、そんなに部屋は大きくない。
暑い。
「良かった……シズクちゃん……」
「暑い」
「ええっ!?」
タイミングをしくじった。駄目、カイル君は暑くないから抱き締めていて欲しい。
「カイル君は暑苦しいらしいですわ」
「うわあ……。もっとクールにならないと駄目かなあ……」
「いや、暑苦しくないから二人とも、来て」
二人を呼び、抱きしめた。
私は釣りガールとしてこの世界に生まれ落ちて、そして村だったカソレを大きな貿易港にまで変えた。
……でも私は釣りしかしてなかったな。ナミエやマンサ様、オシモさんたちに頼りきりで。
私はつまり、皆の協力と釣りスキルだけで村を大きくしたんだろう。
これからも釣りをしよう。
そして、ちょっとは女らしさ、復活したかな?
◇
釣りをすることにした。
狙う魚はバハムートである。
この世界最大の魚、バハムート。全長百メートル超で重さは五百トンを超えるらしい。想像もつかないな。
バハムートの餌は女神様である。
万能餌を女神様にしてエルフ大陸沖を泳がせる。
万能餌女神様はビキニの水着だ。貧乳ではあるが実にエロい。
これは良いものだ。
「お姉さま、帰ったら見せてあげますわ……」
「いや、それは良い」
「ひどっ」
そんなやりとりをしていると、当たりが。
「来た」
「これがバハムート?」
「最後に、キマシタワーッ!!」
ナミエは絶好調だな。私も超巨大魚バハムートを釣る。
これは私の釣り人生の一つの集大成だな。
◇
それから半日、バハムートの吐くブレスをナミエが抑え、波を私がコントロールし、カイル君が攻撃し、カイリちゃんとマンサ様は後ろで調理準備しながら舌なめずり。
うん、後ろ二人自重。
バハムートって白身魚かな、赤身魚かな? それとも牛肉やマグロみたいに赤身にサシが入っているのかなあ?
私たちは皆でバハムートを釣り上げて、皆で料理して、皆でお祭りするだろう。
女らしさは明日から! いっぱい騒ごう!!
釣りガールの釣りはきっと皆を幸せに出来るんだ。
釣りガールの異世界スローライフ ~釣りスキルで村を大きくします~
――fin――
まだいくらかお話は考えています。書きたかった釣りの話も料理の話も残っています。
ですが書く予定はまだ立たないので、このお話はここで終わりとさせていただきます。
最後までお付き合いいただいた皆様、有り難う御座いました。
また次作にて! クーラーボックスもよろしくお願いします!




