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釣りガールの異世界スローライフ ~釣りスキルで村を大きくします~  作者: いかや☆きいろ
最終章 釣りガール、異世界を釣る。

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釣りガール、戦争に参加する

 今日は四話更新です。

 十三歳になった。

 グラル女王国はエサイルに幾らか援軍は送っているものの、本国は至って平和だ。

 私もナミエを手伝って走り回るようになって釣りの機会も減っているが、釣りに行く時は大勢で行って楽しんでいる。

 さて、私のステータスだが、もうあんまり変わらないので手に入れたスキルや称号だけを記そうと思う。


 スキルは魔導飛行船とか出た。女神様……やりすぎだって……。

 称号は村の指導者がカワヒラ領の指導者になっている。村を平穏に保つ指導者スキルの効果範囲が広がっているらしい。

 この年になって私もエサイルに派遣される可能性が出てきた。イソーリズ様が警告した通り派閥内でもいろいろ揉めているらしく、私のために争われるのも嫌なので戦争に行くことにした。

 スローライフは一年か二年はお預けになるかも知れない。


『まあ飛行船に乗って敵陣を壊滅させたら良いわよ』

「嫌ですよ前線なんて。マンサ様も後方支援が貴族の本来の仕事って言ってましたし」


 貴族が前に出るのは普通は最後の手段だ。敵にしろ味方にしろ被害が増大する。

 私たちが前線に突っ込めば戦争はすぐに終わるだろうが徹底的に相手を潰す形になってしまうだろう。

 つまり用兵によって戦況を好転させるのが一番被害が少ない。


 それにマンサ様は戦争が長引けば戦費が稼げる。もちろんそのために戦争を延ばしているわけではないと思うが。……思うが。


「戦争が長引いても女神様もシオ姉も文句言わないんだよね~」

「女神様は分かるけど女王陛下も?」


 マンサ様が言うにはシオ女王陛下はマンサ様が虐殺すると泣くらしく、それなら戦争が長引くのを厭わないらしい。


 兵士の命はどうなんだ、と、思ったが、戦争で兵が死ぬのはそもそも避けられないし、マンサ様がサポートしている状態で人が死ぬことはなかなかない。らしい。

 死んだ人はテレポートでレイカ様の元に送れば生き返らせてもらえるとか。

 ……戦争になるのかそれ。やっぱり圧倒的じゃないか、我が軍は。


 なのでマンサ様的には「戦争を終わらせられない兵が悪い」らしい。死んだら痛いが実質的には不死の軍団だ。


 そんな戦場をほぼ眺めるだけの役目に着いたり、交代で自領に帰り行政活動をしたり合間に釣りをしたりしているうちに一年が経った。

 ここで問題が起こる。

 敵の攻撃でこちらの部隊が丸ごと一つ消えたのだ。

 これは貴族の力としても異常らしい。


 問題と言うのはこの後だ。


「来年はシズクちゃんと結婚なのにこれ以上戦争を長引かせたくない!」

「ですわ!」


 カイル君とナミエが暴走した。





 ナミエがなぜ突撃したのかと言うのは後程語ろう。

 ぶっちゃけ女神様の寵愛を受けている二人が戦場に出たことで戦の趨勢は一気に傾いていった。

 しかし敵国、ニウルーク帝国は停戦協定に応じず、あまつさえ前回一部隊を消滅させた戦力を前線に持ってきてこちらを脅す真似をしてきた。

 ここでカイル君は敵前戦に怒りの突撃。敵陣が弱卒ばかりでも魔力は有限だ。

 これは非常に危険な行動だった。


 案の定魔力を切らしかけたカイル君に敵の隠し兵器とされている者の魔法が襲いかかった。


「死ねええええっ!」

「くそっ!」


 カイル君を死なせるものか。

 私はこの世界に来て良かった。

 君たちのお陰で、そう思ってるんだよ。


 私はその時砦の上に立ち……。


 釣りを始めた。ターゲットはこの世界で一番の大物。


「ターゲッティング・勇者」

「!?」

「勇者、一本釣りいいいっ!!」

「えええええええっ!?」


 隣で見ていたナミエがネタも忘れてびっくりした。


 私のターゲッティングは以前トマンを釣ったように、人でも釣れる。一本釣りスキルは三メートル以下なら一発で釣り上げられる。


 敵の攻撃魔法が届く前にカイル君を釣り上げ、捕まえた。

 そのままキスなんかしてやる。

 釣ったのは勇者だけどキスが釣れた。


 ……ナミエの目が痛い。


「ま、まあ無事で良かったですわ」

「あ、有り難う」

「あとは敵のボスを釣り上げたら終わりだよ。カイル君、ナミエ」


 私が呼び掛けると二人はすごい笑顔で振り返った。


「この釣りが終わったら私たち結婚するんだ!」

「それはフラグですわお姉さま!?」


 魔導飛行船を呼び出し敵の魔導師を釣り上げて麻痺をかけてクーラーボックスに放り込む。


 ……うん、人間もクーラーに入れられた。

 ……この魚はあとでマンサ様にでもあげよう……。


 こうして私たちの釣り……戦争は、呆気なく終わった。






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