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釣りガール、魔物を食べる

 やっと釣り上がった大型岩喰いを持ち上げてクーラーボックスに入れる。暴れるわ棘に刺さるわで大変だったが何とかなったのはレベルが上がったからか。


名前 シズク

年齢 6

状態 普通

レベル 2→3

生命力 7/8→12

体力 3/9→14

魔力 4/12→18

瞬発力 8→12

持久力 7→12

総戦闘力 10→20


・スキル(釣り人)

C基礎

 →生活魔法 常時身体強化 釣具召喚 釣り経験値獲得

C鑑定・調査

 →魚鑑定

C竿

 →竿強化

C糸・リール

 →糸絡み防止 糸強化

C魔法餌

 →ウェイト操作 練り餌 虫餌 エビ餌(new!)

C釣り補助

 →滑り止め

Cクーラー

 →クーラー召喚 容量30(up!) 水筒

C船

 →船酔い防止


・加護

 星女神加護 漁神加護


・称号

 村長の孫娘 釣り好き 料理好き 前世記憶保持者 女神に愛されし者


・女神から一言

 大物ゲットおめでとう。


 レベルアップはゲームでも嬉しいけど現実でも嬉しいね。戦闘力がまた倍になった。もう前世の中学生くらいなら喧嘩しても勝てそうだ。

 今日は大物ゲットが嬉しかったのですぐにも家に帰る事にした。早くお魚を食べたいしね!


「お姉さま、やっぱりすごいですね!」

「有り難う」

「こう言うのをさすおねって言うんでしょうかね?」

「何それ?」


 ナミエはオタクなのでたまに良く分からない言葉を使う。聞き返したが説明を聞く気も無いので帰る事にした。帰りにアタルとトマンに釣果を自慢する事も忘れない。二人共すげーすげーと飛び跳ねて喜んだ。





 お爺ちゃんに獲物を見せた所若干引いていた。大人でも魔物魚はなかなか釣り上げられないらしい。私の場合スキルで竿や糸を強化出来るからなんとか釣れたのだろう。

 このスキルをくれた女神様に感謝しないと。この後は時間もあるし村の教会に行ってみようかな?

 その前にお昼ご飯はこの魚を捌かないとね。デカいし暴れるしまず絞めるまでが大変だ。少し棘に刺さりながらもなんとか絞める為に包丁を背骨側、頭のすぐ後ろに叩き込む。

 余談だが、魚を殺さずに絞めたい時は頭の目の上辺りを包丁の背で叩くと良い。今回はすぐに調理するので背骨を断ち切ったが、尾頭付きを作りたいならこの方法で絞めると良いだろう。

 しばらくして動きが止まったので鱗を落として腸を出し、洗ってから三枚に下ろす。背骨や頭などのアラはスープに使おう。


 さて、半身のうち更に半分はお刺身にする。残りは私とお母さん、お爺ちゃんのために焼こう。

 お刺身には魚醤と辛子を使う。聞いた話ではあるがわさびと辛子はほとんど辛さが変わらないらしい。近縁種で辛み成分が変わらないと言う話だったと思う。実際に魚醤と辛子で食べてみるとわさび特有の香りは無いがなかなか美味しかった。

 魚醤はこの村の特産品の一つだが臭いが強くて使いづらいのであまり売れてないらしい。ただ刺身に使うと美味しいんだけど、当然と言うかこの国に魚の生食の文化は無かった。今初めてお刺身が作られた訳だ。

 浄化魔法が有るから生食自体はされてるらしい……生で肉にかじりついてたらちょっと嫌だな。


 さて、魚を焼こう。フライパンにオリーブオイルを引き、塩胡椒で味付けをした魚を皮の方から焼く。ちなみに油は引く、が正しく敷くではないそうな。

 焼きながらフライ返しで押さえつけるとじゅわーっぱりぱり、と、良い音がする。火加減は弱めの中火だ。

 私は魚とかを焼く時はこのくらいの火加減が好きだな。これより強いと中がレアなまま表面が焦げたりするし、弱いとなかなか火が通らないしね。時間をかけて弱火で焼く低温調理法も有るんだけど。


 パリッと皮が焼けたらひっくり返して後はじっくり火を通す。これで皮はパリパリ、中はしっとりの焼き魚が出来上がる。楽しみだな~。ああ、ご飯が食べたい。


 一応騎士爵領はお米を作っている。皆大好きジャポニカ米だがいったい誰が品種改良したんだろう……。

 騎士爵領は河川がいくつか有るので水田が作りやすいみたいだ。雨は少なめなんだけどね。


 さて、スープの方もアラにじっくり火を通してアクを取り、食べられない部位を除くと野菜やキノコを入れてじっくり煮込む。この三つの調理は同時進行だ。さて、パンしか無いのは寂しいけど頂こうかな。


「魚醤に辛子に生の魚か」

「魚に辛子を少しだけ付けて魚醤に少し付けて食べるんだよ」


 お爺ちゃんに刺身の食べ方を教える。

 カソレ村はまだ若い港町だが、村が出来たばかりの頃は魚を生で食べた事も良く有ったらしい。まあ新鮮なら早々中らないだろうね。寄生虫はちゃんと洗い流してたのかな? 浄化魔法は有るけど。


「うん、美味い。これは辛い酒が飲みたくなる!」

「ほんと、普通に生で食べるのは生臭いんじゃ、と思ったけど、辛子と魚醤を付けたら甘味だけが引き立つわね」


 良かった、刺身文化は受け入れられたようだ。次は焼き魚だな。


「おお、皮が抜群に美味い!」

「身も柔らかくてしっかり火も通ってる、美味しい~」


 これも受けた。唐揚げも受けたし天ぷらも作ってみよう。ただ、まだ出汁が無い。今は昆布を取ろうと考えてはいるんだけど、鰹節も流石に枯れ節は無理だが荒節ならば作れなくはない。薫製は村でも作っているのでその工程で作れる。確か一日三時間、一週間ほど燻したら出来たはず。その辺りは徐々に提案しよう。

 それよりもまずは……塩が苦いのをなんとかしたい。

 スープも受けが良かった。どうも魔物魚である岩喰いは高い魔力を持ってるからか出汁が強く美味しいようだ。また食べたい味になっていた。クーラーボックスに状態保存能力が付いたら貯めておきたいなあ。ちなみに小さい方の岩喰いはお爺ちゃんの晩酌に使う事にした。


 さて、教会に行って女神様に祈ったら塩田を見て回ろうかな。






 すみません、今日はここまでです。

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