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釣りガール、十二歳になる

 いよいよ私も十二歳だ。身長だけはすくすく伸びている。

 いや、具体的には……百七十センチが見えてきた。もうお母さんやお爺ちゃんと並ぶと私の方が高い。

 まずは恒例のステータス閲覧だ。



名前 シズク

年齢 11→12

状態 普通

レベル 51→58

生命力 328/328→384

体力 354/354→414

魔力 408/408→470

瞬発力 310→364

持久力 341→405

総戦闘力 1520→2106


・スキル(釣り人)

C基礎

 →生活魔法 水操作 結界 常時身体強化 釣具召喚 道具回復 魔力回復 体力回復 生命力回復 釣り経験値三倍(UP!)

C鑑定・調査

 →水棲生物全鑑定 接水千里眼 接水走査 釣り場テレポート

C竿

 →竿強化 遠投援護 竿三本召喚 体力吸収 魔力吸収 生命力吸収

C糸・リール

 →糸絡み防止 糸強化 糸延長 自動巻き取り リール強化

C魔法餌

 →ウェイト操作 練り餌 虫餌 エビ餌 イカ餌 魚餌 貝餌 万能餌 ターゲッティング

C釣り補助

 →滑り止め 雨除け 虫除け 魔物除け 偽装 小魚一荷釣り 一本釣り 麻痺

Cクーラー

 →クーラー召喚 容量500 水筒 製氷 泥抜き 保温 鮮度維持 解体 熟成操作(new!)

C船

 →船酔い防止 小舟召喚 漁船 水陸両用車(new!)


・加護

 星女神加護 漁神加護 海神加護(new!)


・称号

 村長の孫娘 釣爵 子爵(new!) マーリン大陸期待の星 村の指導者 釣り神 魔物魚の天罰 伝説喰い 魚料理伝道師 イケメン(new!) 美少女(new!) 人たらし(new!) 海の女神(new!) 前世記憶保持者 女神に愛されし者


・女神から一言

 ふはは、我が兵は無敵よ!



 ……よし、ツッコミ放棄。

 って訳にもいかないか……。まず釣り経験値は三倍になったがレベルの上がりづらさは変わりない。必要経験値が多すぎる。

 クーラーの熟成操作は便利。だがカイリちゃんたちも使えるスキルなのであまり必要がない。


 水陸両用車は凄かった。十人乗れるし軍用なのか装甲が厚くて悪路も問題無く走る。

 ついついナミエたち女の子とドライブした。……言い寄ってくる女の子が更に増えてしまった。

 加護も海神加護が増えたがたぶん称号の海の女神のせいかな。効果は水の中で能力が二倍になる程度。

 ……かなりヤバい。水中に一時間や二時間平気で潜れるし。水さえあれば無敵だ。


 マンサ様が会わせてくれたルミニエ公爵と言う女性の上級貴族さんに娘認定されて子爵位を授かった。いきなりニッケル様を追い抜いたのだが。ニッケル様男爵になれたのにちょっと泣いてた。

 正式にカソレ村はカソレ領になり、近隣の村もカソレ領下に入った。……ニッケル様泣いてた。

 そしてイケメン認定されてたぶん女の子に対する魅力が上がった。それを相殺するつもりか美少女なんて称号がついたが、女神様のご機嫌取りに違いない。更に人たらしで対人の魅力は凄く高くなっているらしい。

 私に悪意を持って近づく人が少なくなったのは良かったが十二歳になって婚約が出来るようになったので、毎日のように貴族さんが押し寄せてくる。カソレ領が潤って何よりだ。

 婚約?

 する訳ないな。


 私自身が称号で女神認定を受けてるが、もしや死んだら女神にされるのか? 星の女神様めんどくさいから私に仕事を投げる気じゃ……。

 そして私は女神様の兵ではない。どうしても戦わせたいのかね?

 スローライフさせろ。


 そう言う訳で釣りに行く。のんびりウキ釣りがしたい。

 磯で延べ竿を召喚してウキを浮かべ、潮の香りや波の音を聞きながら、青い空に白い雲を眺める。そんな風に平和な夏の海を味わっている。


 ぼや~っと釣りをしているとカイル君がやってきた。一人って珍しい。


「シズクちゃん、ちょっと良い?」

「ん、どうかした?」


 カイル君は何やらもじもじとして下を向いている。なんか可愛いな。

 いつもはハッキリしていて行動もテキパキしているのに珍しい。いや、たまにこんな風にハッキリしなくなることはあったな。


「エサイルで騎士爵位をもらって、明日国に帰ることになったんだ……」

「えっ……」


 青天の霹靂って、たぶんこれのことだよね。

 そっか、そりゃそうだよね。いつまでも一緒にいられて、ゆっくり仲良くなって行けるつもりだった。

 でも、もうお別れ……お別れなんだ……。


「そ、それでっ!」

「ふぁいっ!?」


 カイル君が小さな箱を差し出してきた。すっごい勢いでビビった。


 ……さすがに色恋ごとに鈍い私でも、これ知ってるよ。

 指輪……だよね。どうしろって言うんだろう。

 あ、ヤバい、頭真っ白だ。

 えーと、カイル君は良いお友達だから……。いや、違うな。

 真っ白になってまごまごしているとカイル君は言葉を続ける。


「僕の国だと十五歳になった男子は十二歳以上の女子と正式な結婚の約束を交わすことが出来るんだけど、これはその証と言うか、いや、何言ってんだ僕……」

「ふああ……」


 真っ白になった後は真っ赤になってバタバタするばかりだ。結婚、結婚って言った?

 二回の人生を通して初!

 初である!

 いや、意味が分からないな。焦りすぎだ私、落ち着け。

 ようするに他の貴族さんたちと同じ婚約の申し込みだ。今世はやたら多いから慣れた……はずなんだけどやっぱり身内から来るとショックが違うと言うか……。


 ……もう少し仲良くなる時間が欲しかったけど。でもこの世界ではこれくらいが普通なんだろう。

 つか、どうしよう~っ!?






 春が来ました。今章でこのお話も終わります。

 最後までお付き合い宜しくお願いいたします。

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