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釣りガール、十一歳になる

 私はまた大きくなった。百六十センチを超えてしまったよ……。もう時々大人と間違われている。

 女部分の復活のためにナミエが作ったシャンプーや化粧品の数々で女を磨いているがだいたい毎日海に向かうので磯臭い。しかも手は魚臭い。


 帝国と女王国の戦いは女王国の圧勝で終わり、その交渉の場には何故か私が連れて行かれた。魔物魚の討伐や輸出を約束し、奪った砦を返しそこに国境線を作る事で話は合意に至った。ナミエ曰わく、譲歩しまくりですわ、だ、そうだ。


 で、何故か私がダシに使われた。帝国領は海に面しており、沖にはあの憎きシーサーペントがいる。

 つまり海上貿易のために私の力を貸せるようになる可能性がある。今はまだシーサーペントは釣れそうにないのだが。

 現在の能力はこんな感じだ。


名前 シズク

年齢 10→11

状態 普通

レベル 45→51

生命力 251/251→328

体力 273/273→354

魔力 325/325→408

瞬発力 244→310

持久力 278→341

総戦闘力 1213→1520


・スキル(釣り人)

C基礎

 →生活魔法 水操作 結界 常時身体強化 釣具召喚 道具回復 魔力回復 体力回復 生命力回復 釣り経験値二倍

C鑑定・調査

 →水棲生物全鑑定 接水千里眼 接水走査 釣り場テレポート

C竿

 →竿強化 遠投援護 竿三本召喚(UP!) 体力吸収 魔力吸収 生命力吸収(new!)

C糸・リール

 →糸絡み防止 糸強化 糸延長 自動巻き取り リール強化(new!)

C魔法餌

 →ウェイト操作 練り餌 虫餌 エビ餌 イカ餌 魚餌 貝餌 万能餌 ターゲッティング

C釣り補助

 →滑り止め 雨除け 虫除け 魔物除け 偽装 小魚一荷釣り 一本釣り 麻痺

Cクーラー

 →クーラー召喚 容量500(up!) 水筒 製氷 泥抜き 保温 鮮度維持 解体(new!)

C船

 →船酔い防止 小舟召喚 漁船


・加護

 星女神加護 漁神加護


・称号

 村長の孫娘 マーリン大陸期待の星(new!) 村の指導者 釣り神 魔物魚の天罰(new!) 伝説喰い 魚料理伝道師(new!) もう既にイケメン(new!) セイレーン(new!) 前世記憶保持者 女神に愛されし者


・女神から一言

 もう一流冒険者だね。



 ええと、スキルがもうネタ切れ感溢れてるね女神様。これ以上スキルが増えると私も釣りが詰まらなくなりかねないからかなり気を使われてる気がする。クーラーボックスは五百で打ち止めらしい。正直物凄く容量が余ってるけど。


 称号の方も行き詰まり感を感じさせる。もう既にイケメンってなんだ。喧嘩売られてるのか本当に女部分が絶望的なのか……。後者っぽい。

 最近村の女の子に告白され始めたし。

 身長百六十を超えてしまってはどう見てもイケメンだ。胸も順調に絶壁を継続している。しかも釣りで鍛えられた肉体はしっかり締まっている。肌だけは辛うじて綺麗だが年中日焼けしてるのでこれも危ないかも知れない。魚コラーゲン吸収のスキルが欲しい……。


 なんだか色々絶望的な気分の時は釣りに限る。今回は川釣りしてみようと思いカソレ村内に流れる三つの川の中から一番大きい川にナミエとカイル君を伴い、いつもの三人で釣りに向かう。


「川釣りってどんな魚が釣れるの?」

「鯉の仲間の魚が多いかな。鱒の仲間もいるけど」

「有名なのは山女や岩魚、鮎や鯉、鮒も釣れますわね」

「私はオイカワやカワムツも好きだしスッポンとかも釣れてくるよ。淡水釣りのターゲットであるバスや鯰も所によっては釣れるしね」

「魚って本当に色々な種類がいるよね……」

「この世界は更に魔物魚までいますわ」


 ぼんやり川底を見ているとヌマエビがたくさんいたので網で掬っておく。かき揚げ作ろうかな。


「今日は天ぷらにしようかな……」

「食べたいなあ」

「私もですわ」


 最近お爺ちゃんのダイエットが成功し、中年太りを克服したので料理の自由度が回復した。今はオシモさんがナミエズブートキャンプでダイエットしている。

 早く私の料理を食べるのだ、と、かなり気合いが入っているらしい。最近お貴族様との付き合いが多いから村の人たちとコミュニケーション取らないとね。


 カソレ村は知らない間に町に申請されていた。人口は八百人をいつの間にか超えているしお店もかなり増えてる。宿もマンサ様の協力で凄く増えていた。女神様の寵愛を受けてる人たちはこっそり来ているらしいが私は知らない。

 グラル女王国内のだいたいの眷属は来ているらしい、とはマンサ様からの情報だ。


 川を上流まで進んでいるとエルフのシラサさんが森から現れた。ひさしぶりだが相変わらず美しい。


「今日は山の中で釣りかい?」

「川魚を釣ろうかと思いまして」

「魔物が出るかも分からない。付き合おう」

「有り難う御座います!」


 シラサさんにも食べてもらうなら少し大物を釣ろうかな。村に配るのも良いだろうし。

 この少し上に広い淵があるからそこで何か大物を探そうかな。

 淡水の大物と言ったら有名なのはタキタロウだろうか。タキタロウは幻の魚だが岩魚の成長しきったものじゃないかと聞いた事がある。実際に釣った事が無いから分からないが。

 他にはイトウや青魚なんかも有名だ。どの魚もチャレンジしたかったが釣った事は無い。

 淡水魚も決して馬鹿には出来ないのだ。ましてや魔物魚のいる異世界、八メートルのドジョウがいる世界なのだし。

 さて、ようやく目的の淵が見えてきた。


「魔物魚に襲われないように気をつけてな」

「この規模の淵だとすぐ襲ってきそうだね」

「水中が真っ暗で怖いですわ」

「うん、釣れるかな?」


 こう言う急流で魚が居着くのは岩の根の辺りだ。そしてその辺りに潜む魚は肉食であるケースが多い。フライ(毛針)を流し込みたいポイントだ。

 虫餌で羽虫を作って投げ込んでみる。水面をゆっくり流される羽虫。

 次の瞬間、ドバンッと水面が割れた。


「おう、びっぐふぃっしゅ……」


 ナミエがビックリして片言になった。飛沫を浴びてカイル君は水浸しに、シラサさんは平然と私より後ろに逃げていた。水も滴るとは言うが本当に良い女は水に濡れないのだな。


「お姉さま、フッキングして下さいませ!」

「おっと」


 糸を巻き取り強めにフッキングをする。向こう合わせでフッキング出来ていた気もするが。向こう合わせとは魚が自分で慌てて泳ぐ事で自らフッキングしてしまう、結構有り難い状況だ。

 さあ、どんな魚が釣れてきたのかな?






 この前に一回区切ったら良かったかも。

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