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釣りガール、魔物狩り大会優勝を目指す

 そう言えば今船の上にふたりである。まあ年を聞くと十二歳らしいし、九歳の小娘と十二歳の小僧なので問題は無いだろう。それよりも自分の釣りを始めよう。


 今回はせっかく漁船を出して岩場まで来たので魔物石鯛を狙いたいと思う。餌はサザエとかを使いたいが貝餌はまだ使えない。イカ餌を使うか。

 イカ餌のまわりにエビ餌と練り餌を作り、寄せ餌にする。投入後寄せ餌がほどけたらイカ餌に魔力を込めて動かす。さあ、食いついてこい。

 ちなみに寄せ餌も暫くしたら無くなるが魔力を使い続けたら消えないで残る。


 ちなみに加護の一つである漁神加護で私は常に豊漁になるように魚が寄ってきやすい体質になっているらしい。いつも一回か二回で本命が釣れてくるし、外道も入れた五目釣りもできる。

 獲物の分布は自然任せなので完全に、とはいかないが流石は漁の神様と言うか、とても気前が良い。


 おっと、色々考えていた所でラインが走る。


「よっし、お魚っ!」

「おっ、釣れたの?」


 漁船が傾きそうな大物が沖合でヒットした。大物だと流石に浅い岩場までは泳いで来れないから大物狙いなら沖合を狙うしかない。ちなみにスキルで呼び出される船は女神様の船なので転覆も沈没もしない。大物も狙い放題だ。

 調子に乗ると落水はするけどね。落水すると自動的に膨らんで体を浮かべてくれるライフジャケットも召還済みである。


 しかしこの魚、かなり魔力も上がっていてラインもロッドも強化しまくっているのだがそれでも厳しそうだ。これは今までで最大の奴が来たか? そう思わせる強い引きだ。


「ふっ、ぐっ!」

『身体強化の祝福、魔力強化の祝福!』

「お、おおっ」


 流石は勇者、私の力を強化してくれたようだ。ガリガリと滑っていたドラグが滑らなくなり、魚の動きも竿でコントロールが出来ている。一気に釣り上げにかかる。


「魚が見えてきた……ってデッカいな!」

「うん、オーガヒラメより、ずっと大きい!!」


 その瞬間どこからかナミエの声が聞こえた。陸を見ると走りにくいはずの岩場を転げるように走ってくるナミエが…………飛んだ。文字通り空を舞う。どうやらナミエが召喚できるグリモワールにはそんな魔法もあるらしい。華麗に漁船に着地するナミエ。


「私のいない所でのフラグ建設は許しませんよ!」

「今釣りしてる所!」

「あ、すみません」


 フラグって何のこっちゃ。水操作で海水を持ち上げて触り、そのデカい魚を接水千里眼で確認、鑑定。

 グレーターデーモンフィッシュと出る。私が狙っていた石鯛の化け物のようだ。ちなみに人を食う魔物の一種らしいので釣り上げる際には気をつけなければならない。激しく水の中に引きずり込もうと下に泳いで逃げるグレーターデーモンフィッシュ。こいつは釣れたらレベル二つくらい上がりそうだ。勇者の力で強化された私は一息に魚を引き寄せる。


「上がって……きたあっ!」

「きましたわー!」

「よし、トドメは任せろ!」


 カイル君は光魔法で銛を作り出し魚の額に投げつける。激しい爆発。魚は無事か?! と叫びそうになったが、ゆっくり浮かび上がる魚体には多少は傷が付いているが、気絶しているだけのようだ。


「……どれだけ強い魔物なんだ……」

「レベル三十五で苦戦するんだから……どれくらい?」

「ドラゴンくらいでしょうかね?」

「三十五って……強いな……やはり……」


 何かカイル君がショックを受けているが私は魚を釣り上げた感動で聞こえなかった。ナミエの魔法で浮かせた気絶している魚体に触りクーラーに取り込み、一旦村に帰る事にする。





 さて、レベル二つ上がった。


名前 シズク

年齢 9

状態 祝福(身体・魔力)

レベル 35→37

生命力 159/159→171

体力 108/173→186

魔力 98/212→227

瞬発力 158→172

持久力 177→189

総戦闘力 743→805


・スキル(釣り人)

C基礎

 →生活魔法 水操作 結界 常時身体強化 釣具召喚 道具回復 魔力回復 体力回復 生命力回復 釣り経験値獲得

C鑑定・調査

 →魚鑑定 海藻鑑定 貝鑑定 エビ鑑定 接水千里眼

C竿

 →竿強化 遠投援護 竿二本召喚(new!) 体力吸収

C糸・リール

 →糸絡み防止 糸強化 糸延長 自動巻き取り

C魔法餌

 →ウェイト操作 練り餌 虫餌 エビ餌 イカ餌 魚餌 貝餌(new!) 万能餌

C釣り補助

 →滑り止め 雨除け 虫除け 魔物除け 偽装 小魚一荷釣り 麻痺

Cクーラー

 →クーラー召喚 容量370(up!) 水筒 製氷 泥抜き 保温 鮮度維持

C船

 →船酔い防止 小舟召喚 漁船


・加護

 星女神加護 漁神加護


・称号

 村長の孫娘 村人期待の星 子供たちの指導者 釣りマスター 魔物魚の天敵 大物喰い 料理マニア 男勝り 水棲少女 前世記憶保持者 女神に愛されし者


・女神から一言

 順調だね。勝てるかな?


 順調順調。勝負はまだ分からないけどこの後は魔物魚でも釣りやすい岩喰い辺りを釣って数を伸ばそう。ちょうど竿を二本召喚できるようになったのでナミエも入れて三人で釣りを続ける事にした。


「きっとサイズはシズクちゃんが一番だよ!」

「次は数釣りだよ」

「私にも釣れますかね?」


 そう言えばナミエは本を一冊読み切ると経験値が増えるらしい。今のレベルは幾つだろう?


「レベルは二十八で戦闘力は五百くらいですかね?」

「なら大丈夫だよ」

「竿が壊れたり糸が切れたりしないかな?」

「そこは私が強化をかけるし」


 船を出して大魚と戦いかなり魔力を消耗したが、まだ三人分の竿や糸の強化はできるだろう。さあ、もっと釣るぞ!






 ビールをロックで飲みながらポテチを箸で食べています。

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