第二章1話 門出の惨劇(1)
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澄んだ鐘の音色が輝かしい未来を祝福する神聖な教会で、永遠を囁き合う新郎と新婦の姿があった。
そこはかつて東京と呼ばれた街〈トレライ・ズ・ヒカイント〉でも落ち着いた雰囲気で結婚式が開けると有名な場所である。教会周辺には自然が演出され、天気の良い日限定の式典がおしゃれであると評判だ。
そこで、一組の夫婦が誕生する。
慈愛の表情を浮かべ祈りの言葉を捧げる牧師は、誓いへの段取りを慣れたものだと円滑にこなし、門出の式を讃美歌で彩る。
祭壇の上で指輪を交換した新郎はいままでの人生で一番の幸福を加味していただろう。
指輪をはめられた新婦はこれから始まる幸福に胸を焦がしていただろう。
二人を見守る親族、友人、職場にいる上司、中には二人の恩師も祝いの言葉を紡いでいる。この幸せが自分自身へと帰って来ると思っている様だった。
一匹の黒猫が現れるまでは
可愛らしい子猫が突如とあらわれ、一声鳴く。
その後、教会の中にいる新郎新婦並びに参列者達の命は全て
子猫の主によって奪い取られた。
1
一人の少年がいる。
とは言っても普通の視点から見れば妙竹林な姿をしている。
両の瞳は金色の輝きを宿し、平均的よりも少し低い身長、ファッション雑誌にでも乗っていたのであろう髪型を整髪料で作った髪は染められていないが金色に近い。見た目だけで言えば悪くない顔立ちをしているのだが、瞳や頭髪が目立ち過ぎているため今一番どこに注目すればわからない男だ。
そんな少年が一人の少女に声をかけた。
彼よりも頭一つ分程小柄な少女は声の方向へとふりかえる。
「ん? ジャッキー? どうしたの?」
高めの可愛らしい声、猫の様にパッチリと開いた片目だけ蒼い瞳に吸い込まれそうな魅力を感じるが、ジャッキーと呼ばれた少年には見慣れた顔だ。
真面目な顔で、ジャッキーは少女に頭を下げる。
「正明! 後生だ! 俺に力を貸してくれ!」
頭をさげられた女の子は目を丸くしているが、ジャッキーはさらに押しを強める。
「俺の一世一代の勝負の時なんだ! この力を解放する時が遂に来たんだぜ!」
そう叫ぶと、ジャッキーはさほど鍛えられていない細い右腕を高らかに突き立てる。
周りの生徒が不思議そうに振り返るが、彼に羞恥の感情はない。
ジャッキーの高いテンションに反して妙に落ち着いた正明はため息交じりに言葉を返す。
「で? 僕はどうすればいいの? 対戦相手? なら志雄を呼ぶけど?」
「俺をサラッとミンチにしようとしてない?」
「うん」
「俺はまだ生きていたいからパス。って! そうじゃなくて! 正明の力が必要なんだよ」
正明は頭を小さく傾げる。
「何がしたいの?」
ジャッキーはその言葉に、少し口元を抑えて顔をそらす。
頼んだのは自分であるくせに、いざ口に出してお願いするとなるとかなり緊張する。
「実は・・・・・・俺、好きな人が出来て」
顔を赤く染めて、今までとは打って変わって小さな声で呟く。
それに正明は少し驚いたような表情を見せると、可愛らしい顔をにまぁ~っと悪い表情にすると、デバイスを高速で取り出して何かを打ち込むと直ぐに仕舞い込んだ。
「・・・・・・何した?」
「みんなにぶちまけた。ジャッキーが好きな人の事で相談してきたって」
「この性悪女! なんて悪党だ! あぁ、俺の儚い恋心を打ち砕いたな⁉」
目の前にいる奴はジャッキーにとってはある意味賭けにも近い最後の手段であったが、色々と最悪な事になるだろう。
伊達正明。
男の様な名前をしているこの女の子は(実は男)孤立気味であったジャッキーに声をかけて来た物好きな奴であった。それに、紅の優等生達とは別の意味で頭のキレる奴でもあった。証拠に彼女には様々な事から助けてもらっていた。
が、彼女の友達は意外と多い。
それが曲者と言うより、変態揃いだ。
「大丈夫! その女の子に薬を盛って興奮させよう! 後は既成事実をジャッキーが作れば勝ちだよ」
「薄い本みたいで嫌だぁ! 俺は恋がしたいんだよ!」
「僕に聴かないでよ。それなら後ろにいる変態に聴きなよ」
「ん?」
ジャッキーが後ろを振り向くと、そこには短髪の女の子が立っていた。ジャッキーよりも若干背が高く、人懐っこい笑顔を振りまいている彼女には見覚えがあった。
「加々美・・・・・・さん?」
今し方変な事を言っていたのは彼女だったのだ。
「YES! 童貞君! この私が正しい性感戦争を教えてあげようではないか!」
「いやぁあああ! 正明! 助けて!」
「じゃぁね。加々美を黙らせたいなら上半身裸になればいいよ」
ぶっきら棒にそれだけ告げると彼は去って行ってしまった。
加々美を押し付けられたジャッキーは正明の背中を見送るが、餌を吊るせば彼女は動く事を彼は知っている。
何か、良いネタがあればなぁ・・・・・・
ジャッキーは肩を落とすと、加々美にデバイスで男の裸を検索し、画像を顔に押し付ける様に見せる。
ゆで蛸の様になった加々美は叫び声をあげて一目散に何処かに走り去ってしまった。
途端に独りになったジャッキーは金色の瞳に決意を固めると、ある場所へと足を進める。
2
現場の写真を並べながらオーダーの面々は渋い顔をしていた。
この世の地獄でも見ている様だった。戦場でも同じような光景はあるのだろうが、平和がある程度確保された日常の中でその光景を見るのはあまりにも気分が悪い。
写真にはほぼ赤黒い色しか映っていない。
場所は教会の中だろうか? 人間の形を中途半端に保った肉が血液を噴き出しながら床に転がり、複数の死体は壁に縫い付けられており燃やされている。男、女、年寄関係無しに虐殺されている。
特に目を引く者は、新郎新婦だった。
門出を向かえたであろう二人は別々の死に方をしていた。
新郎は首から大量の血を吹きだし、凄まじい形相で息絶えている。辺りをのた打ち回ったのだろう。彼の周りには吐瀉物に汚物が散乱している。
新婦は壮絶の一言だ。
「ウソだろ・・・・・・なんの恨みがあったんだ?」
オーダーの一人が呟く。
その写真を冷静に見る副隊長である御堂衛は、ため息をつく。
隊長の竜崎由希子は既に慣れているのだろう。彼女も分析しようと凄惨な写真をまじまじと観察している。
「ひっ・・・・・・うっ、え」
気分を悪くしたのだろう一年生の隊員はトイレへと走って行く。
「これが、花嫁の死に方かよ」
新婦は十字架に張りつけられ、それ以上は具体的には言えないが、顔が無くなっていたとだけ言っておこう。
恐らくだが、生きている状態で顔だけを攻撃されて死んだのだろう。
身体には奇妙な事に傷の一つも、血の一滴も垂れていないのだから。
「死神の飼い猫だな・・・・・・この殺し方。相当この連中は奴を怒らせたのだろうな」
「隊長、やっぱりあの連中イカレてますよ! 結婚する人間にこんな事するなんて!」
「いや、そうとも限らん」
由希子はそう言うと、魔法で空中にある事件の資料を出す。
そこには被害者達の情報が記載されていた。
「これは・・・・・・?」
「殺された連中は全員、裏社会の人間だ。ギルドともつながりを持っていて、相当な悪事を働いている。子供を使ってオークションが行われていた事件を知っているな?」
「えぇ、あれも非道な事件でしたね」
「殺された夫婦の妻はこの事件の主犯だ。旦那の方も相当な屑だぞ? 非合法な魔具を未成年へと売り捌いていた上に、何人もの若い女を手駒にした上で食いつぶしている」
由希子はそう言うと、写真を机の上に放り投げた。
この殺人は、解決しない。
いや、事件は始まってすらいない事に気付いたからだ。
「しかし、子供が式に出席していないのもおかしな話だ。今回も、子供は誰一人として殺されていない所か、現場も見ていない」
御堂がそう呟くと同時に、会議室の電話が鳴った。
丁度近くに立っていた桂木が電話を取る。
「はい、オーダー操魔学園支部。え? 北条さんが?」
その言葉に由希子は額を抑える。
御堂も苦笑いをしている事がサングラス越しでも見て取れた。
「隊長! 北条美樹隊員が、蒼の劣等生へと決闘を申し込み病院送りにしたそうです!」
報告を受けた由希子は会議室のテーブルを力強く叩くと叫び声を挙げた。
「北条を連れて来い‼」
「は、はいぃぃぃぃ!」
彼女の剣幕で腰を抜かさんばかりに仰天した桂木は飛ぶように事務所を出て行った。
この間の結婚式場を襲撃した際の(見せしめ)は効果を発揮したのだろうか。
伊達正明は学校の裏庭でぼんやりと考えていた。
風に少し長めの前髪がなびくと、煩わしいと感じたのか彼は髪をかき上げ、ベンチに横たわると大きく欠伸をする。
殺しに慣れていると自分でもわかる。あれだけ思いっきり殺しているのに殆ど何も感じない。
それは、殺した連中が自分と同じ世界で生きている者達だからだろう。かなり狂った理由であるが彼にはそうとしか答えられない。
特に花嫁を殺した時も何も感じなかった。
感じた事と言えば、杭が大量に必要であった上に、身体には傷をつけずに殺す事が意外と難しかったなぁ、ぐらいだ。
順調に狂っているのかもしれない。
「ハンゾー」
「此処に、第一船長様」
一言呼ぶと、ベンチの横にハンゾーが現れ傅く。
「どう?」
情報を集める様に命じていたが、正明自身も正直な所そこまでの期待はなかった。例の新郎新婦を虐殺したのは、第三位のギルド〈インフィニット〉への挑発と構成員への動揺を誘うための嫌がらせだ。
貴様らも無残に殺すぞ。
そう言う意図があったが、三位のギルドが簡単に動くとは思えない。だが、ハンゾーの口から出てきた言葉は耳を疑う情報だった。
「情報収集の結果でございますが、第三位ギルド〈インフィニット〉はギルド長死亡により・・・・・・先日、壊滅致しました」
正明はその言葉に無表情で答えるが、内心は驚愕に満ちていた。
「一騎打ちで、死んだの?」
「はっ、インフィニットのギルド長である不知火 統四郎様は一騎打ちにて戦死いたしました」
正明はハンゾーに顔を見られないように寝返りをすると、表情を困惑の色に変えた。
第三位の医療系ギルドである〈インフィニット〉は、簡単に言うと第一位ギルド〈使徒〉の舎弟とも言える立場のギルドであった。
〈使徒〉はギルドの場所が掴めない事で有名だ。コンタクトを取るためには第三位の〈インフィニット〉を介さないといけない。だから、WELT・SO・HEILNはそこから攻めようと考えたのだ。
だが、
「ランキングは?」
「それが、現在第三位には〈ブレイブ〉と言う工業ギルドが入り込んでいます。このギルドは最近できたギルドです」
「えぇ⁉ 何が、起きているの⁉」
ギルドのランキング上位三位は易々と手に入る物ではない。
「絶対に何かある! 結婚式で僕たちが暴れた事を皮切りに、何かが起きているよ」
「困惑の色は他のギルド長も隠しきれていない様で、ディミオスの件もありますので・・・・・・恐らくこれから、ギルド戦が多く勃発する可能性が」
「だろうね」
腰にホルスターを召喚すると、正明はいくつか魔法を発動する。
情報拡散の為の思念系魔術を組み立て、仲間達へと飛ばす。
「ハンゾー、メイド長に警備レベルの強化を知らせて。後、執事長に後で僕の所に来るように伝えて」
「承知致しました」
短く返事を返すと、そこにハンゾーの姿は無くなっていた。
「だけど、〈ブレイブ〉って連中が今の下請けだろうね」
正明は頭を掻くと、のっそりと校舎へと歩き出す。授業には出なければいけないだろう。
死神の飼い猫は、棺で眠る妹を蘇らせるために奔走する。
全ては、欠けた自分の一部をこの世に取り戻すために。
3
「ジャッキー、お前ココには来るなって言っているよな」
「で、でも! 少しぐらいならいいじゃないか」
「才能が無いゴミの分際で偉いものだな」
その直後にジャッキーは攻撃魔法の直撃を受ける。
簡単な火炎魔法だが、それでも防御魔法を使えない彼には恐ろしい一撃だ。
「うわああああ‼」
「ハハハ! 防御魔法を使えよ! そうか、使えないんだな!」
身体に火が付き床を転がるジャッキーは笑う紅の優等生へ向けて右手をかざす。
「俺も、スキル持ちだ。喰らえ! ハッ!」
「なに⁉」
慌てて紅の優等生は防御魔法を展開するが、何も起きていない。
精神に作用するものかと確認の為に意識を集中するが、やはり紅の優等生に何も実害のある変化はない。
「で、出ない・・・・・・なんでだ」
「ビビらせんな! この雑魚が!」
ジャッキーは腹部に鋭い蹴りを受け、その場でうずくまってしまう。腹部で吐き気が爆発し、身体を鍛えていない彼には致命的な打撃となる。
「ふん、何もできない人生しか待ってないゴミが・・・・・・粋がるからだ」
「なら、粋がらせてもらいましょうか?」
突如として横からかかった声に紅の優等生は身構えるが、それよりも先に顔面に拳を叩き込まれる。
「決闘ですか? ならやりましょうか? 魔法なんか使いませんから安心してください。素手で十分です」
現れたのは艶やかな黒髪をポニーテールに結わえた長身の女子生徒だった。身体つきはスポーティーながらも、十二分に女性としては魅力的な輝きを持っている。凛とした声に強い意思を感じる。
女子生徒であるが、スカートではなくズボンをはいている。校則違反ではないが、やはり目立つ。
その女子生徒に殴られた紅の優等生である男子生徒は、プライドが傷つけられたのか怒りの形相で決闘用のフィールドを張る。
「志雄さん」
「アイリス、彼の事を頼みます」
「合点承知ぃー」
抑揚の無い声で倒れるジャッキーを引きずるのは、銀髪の三つ編みに丸い眼鏡をかけた小柄な女の子だ。白衣を着ているので蒼の劣等生達には有名な変人たちの一人である。
「さて、校舎の中では無くていいのですか?」
「ほざくなぁ!」
志雄と男子生徒が決闘の場としたのは優等生専用校舎と劣等生専用校舎の間にある渡り廊下だ。
動き回る事に不自由しない程には広い。
志雄は制服の上着を脱ぎ棄てると、締めていたネクタイを拳に巻く。
その隙を狙い、男子生徒はジャッキーに放った火球を連続して放って来た。
「加々美さんの蹴りの方が速いですね」
火球を両踵に重心を落とし、上半身を動かす事で攻撃をかわして距離を詰める。
やはり素人だと志雄は考える。
距離を詰められても、防御魔法で防げば良い。そんな驕りと甘い対策が何よりの証拠だ。
「甘いですね。魔法を使わないので少々強めに」
志雄は男子生徒の腹部に突き上げる様に左拳を叩付ける。
すると、彼の身体はわずかながらに浮き上がる。その瞬間に飛び後ろ蹴りを顔面へとくらい後方へと彼は吹き飛ぶ。
辺りに湧いていた野次馬の生徒が声を上げる。
志雄の見事な体術に感心しているのだろう。
「がぁ、な、なぜ・・・・・・防御魔法を張ったのに」
「私の拳の方が強いだけです」
立ち上がる男子生徒に容赦なく志雄は左の拳で連続攻撃を仕掛けていく。
「ひっ!」
「魔法はどうしました? 才能のある人間が、逃げ回ることしか出来ないとは!」
男子生徒は自爆する様に火炎魔法を放つが、その火炎の中から右手を構えて現れた志雄に防御魔法を砕かれてしまう。
そこから放たれる蹴りに男子生徒は目をつむる。
が、何も起こらない。
慎重に目を開けると、そこには彼女の拳があった。そこから彼の額にデコピンが飛んでくる。
「弱い者いじめはダメですよ? 反省して下さい」
その言葉と共にフィールドが崩れ去る。
術者である男子生徒が負けを認めたからである。
上着を拾い上げて、ネクタイを締め直しながら志雄はアイリスとジャッキーの元へと歩いて行く。
「叩きのめしなよ」
「男のプライドをへし折られたのです。殴られるよりも辛いと思いますよ?」
アイリスの表情は豊かでないが、無表情でほっぺを膨らましている様子は少し可愛い。
ジャッキーは志雄を見上げ、礼を言うと立ち上がってまた紅の優等生専用校舎へと向かおうとする。
校則には蒼の劣等生が紅の優等生専用校舎へ入っていけないルールは無いが、暗黙の了解とも言える決まりが生徒間にあり、迂闊に入ると今の様に叩きのめされてしまう。志雄がいなければこの場を納める事は出来なかっただろう。
「待って下さい。そっちには行かない方が良いですよ? ここは境目ですからグレーで済みますが、校舎へ入れば袋叩きにされます」
「助けてくれたことはありがとう。でも、一目だけでも会いたい人がいるんだ」
「その方への伝言なら正明に任せれば」
「聴いてもらえなかったよ。彼女も、流石に俺の我儘には付き合ってくれないよね」
その言葉を聞いた志雄が表情を難しいものへと変える。
志雄の力はジャッキーよりも圧倒的に強い。彼は肩を掴まれたまま動けずにいると、渡り廊下の優等生専用校舎側から一人の女子生徒が歩いて来た。
「決闘があったのはここですか?」
志雄はその人物に見覚えがあった。
と言うよりも、最近になって仲良くなったばかりの友達だ。
「華音さん」
「え? 志雄さん?」
華音と志雄はアイコンタクトで芝居を打つ。
「オーダーとして、決闘の勝利者へ経緯を聞きます。勝者はどちらですか?」
「誰でしょうね? 私も彼も怪我はしていませんよ?」
「なら、あなたの勝ちですね。紅の優等生を相手取って無傷で戦いが終わるわけがないですから」
華音は毅然とした口調で志雄とアイリスに魔法で手錠をかける。
「間抜け、一人逃がしてる」
「こら、アイリス。言ってはいけませんよ? 何でもありません」
その様子に、華音は取り残されているジャッキーを見ると彼にも手錠をかける。
「逃げる事は許されないですよ? 貴方も来なさい」
そのまま彼女達は(合法的に)紅の優等生専用校舎に入っていった。
「最初から私を呼べばよかったですね? ジャッキー」
「でも、オーダーに!」
「安心していいよ。何もしないから、正明の友達でしょ? 私に協力出来る事があったら言ってね」
ジャッキーは目を点にして、華音の言葉を聞いていた。




