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3話「災厄な今日の日はさようなら」

4月11日午後3時 俺は椅子に縛られています。

解説の桜さんから見て、この状況はどう見えますか?


はい、私から見るとまだ地味すぎるくらいですね。もっと腕にシルバーを巻くとかして欲しかったですね。


どこかの王様っぽい感想ありがとうございます。

私はただ今、脱出を試みているのですが難しいです。


ハルが帰ったのが、2時間ぐらい前のはずですが、誰も救出に来ません。


おおっと! ここで誰かがリビングに向かって来ています。誰でしょうか!……妹だぁ! リビングに入るか、入ってしまうのか?


ガチャ


入ったぁぁぁぁ!


「ってことで妹よ、助けて」


「お兄ちゃんの頼みだから助けてあげたいけど、今回はお兄ちゃんがハル姉の話を聞かなかったのが悪いんでしょ? だからお兄ちゃんを助けないでーす」

妹が俺の敵になっていた。俺が居ない間にハルが俺の敵を作っていたとは……。認めたくないものだな! 若さ故の……古いか。


「ほんとに反省してるし、何でも言うこと聞くからさ。ねっ! このとおりです!」


「縛られたまんまで、このとおりと言われてもだけど、まあいいかな。でも、その言葉はちゃんとハル姉に言うんだよ! お兄ちゃん!」


「わかったよ」

ちゃんとハルのことを考えてくれていて、俺を解放してくれるなんて。ほんとになんて良い妹なんだ! 泣ける!


「そういえば、ハルが言いたかったことってなんだろう?謝る時に聞いて見るか」


※※※※※※※※※※※※※


光が二人も幽霊に憑かれている。


このことは、私がさっき憑神家で気付いたことだ。


「うーん。どうすれば……そうだ!」


「出てきて! ネコ!」

私が、そう叫ぶと


「お呼びでしょうか? ご主人様」


ネコという名前の猫耳ロリ少女が現れた。ネコは、私がちょっと前に使っている式神である。双子の弟でイヌもいるけどネコの方が考え事に関しては役に立つ。実は、ほぼ同時に亡くなっただけで血のつながりとかはない。


「さっそくだけどネコ、アナタも見てたよね?」


「さっきのご主人様が恋焦がれる方ですか?」

ネコが不満気に答える


「さっきの方の事なら、癪に障りますけどイヌを置くというのはどうでしょうか? あの二人だけならイヌだけで十分だと思いますけど」


「そうね。そうさせてもらうわ。時間がないし」

私は、光を助けるために動き出した。


※※※※※※※※※※※※※


4月11日午後10時


もうこの最悪な一日が終わる。そう思うと、安心したのか俺は睡魔に襲われていった。


午後11時


「普段なら、光がこの時間には熟睡中なのは知ってるんだから!」


怪しい侵入者が家族の手引きの元で俺の部屋に入ってきていた。


「イヌ。ごめんけど、少しの間任せるよ」

侵入者の足元にいたのは、犬耳のショタ式神のイヌだった。


「任せて、ご主人様。光くんの事を守ってみせるよ!」

ちっちゃな番犬はやる気満々である。

しかし、侵入者達は油断していた。彼等は、夜の住人だということを


「光さん! 起きてください! なんか昼間のハルさんが来てますよ!」

しかし起きない。ただのしかばねのようだ。


「しょうがないですね。この黄金幽霊ゴールドゴーストとさえ言われた私の力を見せてあげましょう!」

黄金幽霊は小宇宙を高める


「金縛り!」


「うっ!? あれ、身体が動かない。お前ら俺になんかしたな!」

この茶番に耐え切れず、本題を言うハル。しかし、光は

「知ってるよ」


「え!? だって幽霊が二人憑いてるんだよ!」

ハルは、困惑する。

その姿を見て、イヌもさらに困惑する。


「まあ、ありがとな。こいつらは俺がちゃんとするし、危なくなったらハルに相談するからさ。だから、安心しろ!」


「約束ですよ」


「ああ約束だ!」

ハルはすっきりしたのか帰ろうとする。


「おい! この時間はもう危ないだろ。 確か、一部屋開いてるから、泊まってけ! 良いよな、母さん!」

ドアを開けた先にいた母さんが現れ


「いいわよ! お家には私が電話しとくから。泊まってきなハルちゃん。別に、光の部屋でもいいわよ」

それを聞いた、ハルの顔が何故か赤くなり


「遠慮しときます! でも‥‥いつか泊まりたいな、じゃなくてえっとこの式神。名前はイヌと言います。この子置いて行くんで 挨拶して!イヌ」


イヌと呼ばれる男の子は恥ずかしそうに挨拶する。

「皆さん。よろしくお願いします」


「じゃあ、お願いね光! 失礼しました!」

ハルは、走って我が家から去っていった。

そして、我が家のメンツが一人増えた。

母さんは、せっかくだから泊まってけばよかったのにとハルが帰ったことを惜しんでいる。

幽霊達は、昼間の漫画の続きを読んでいる。


こうして、俺の災厄な一日が終わった。


1章「災厄な一日目」:終

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