弟に下に見られた事件
大翔とラリーを始めて5分ほどして翔が来た。
「バッチリだよ。早くやろ!!」
何がバッチリなんだよ。5分やそこらで説得できるんなら最初からやっとけ。まぁ
これでほんとにからみが無くなったらおがんでやるけどな。
「じゃあ俺、教室戻っから。それに、女子がうるさくないか見てくる」
「ん」
「ねーちゃんも危ないと思ったら逃げろよ」
「うい」
我が弟が心配してる。お姉ちゃん、嬉しいよ。(涙)
「ひでーな大翔。俺ちゃんと注意したって」
「はいはい」
それだけ言って大翔は行った。
「あいつ、ぜってー聞いてねー」
そう言いながら、翔はラケットを取った。半袖を肩までまくり上げる。
「あっちー」
は?なんなんお前。いや別にかっこいいとか思ってないから。
5分ほどラリーをしてから試合をした。
・・・が、最後までやれなかった。大翔が来たから。
「翔!お前、何言ったんだよ!」
「えっ。何って美羽に近づくなって言っただけだけど?」
「・・・じゃあ、何で」
何がどうしたのだろう?大翔がいつにもなく取り乱している。翔を見ると、同じ事を考えていたようでこっちを見ていた。2人同時に首をひねる。
「とりあえず2人とも部室行くぞ」
事情がつかめないのでついて行くことにした。
なぜか大翔は人目の少ない道を選び、わざわざ遠回りしていた。そんなにマズイことが起きたのだろうか。
私が、学校に来たくなくなるような事じゃなければいいが。
いや、すでに来たくはない・・・。
「ねーちゃんの中学の頃がばれてる。噂でどんどん広まってる。話、めっちゃ盛られてるし。盛られなくてもヤバイのに」
部室に入ってから数十秒後、すげー学校に来たくなくなるような情報が大翔の口から放たれた。




