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年下くんの大きな手  作者: 白井 みちる
2人のせいで
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“部室”

昼休み、部室へ直行。

それ以外の選択肢は私にはなかった。

いろんな人にからまれた。髪の毛がくるってしてて、1年生で1番可愛いって噂の子にも声をかけられた。マツゲ邪魔じゃない?ってくらい長くて、顔めっちゃちっちゃかった。やっぱ、人間生まれながらに不平等だよね。

翔から“一気に有名人じゃん”ってきたけど、間違いなくおまえらのせいだ。そして文明の利器を使う機会は間違いなくそこではない。

なんか廊下歩いてるだけでにらまれてる感じするし。ひそひそ声で話されてるのって意外と怖いんだよ。精神的にもういろいろ耐えらんないんですけど。


部室へ行っても女子からの追求は終わらなかった。部長が気を利かせて部外者は入ってこれないようにしてくれたけど

「あーあー。やっちゃったねー、弟くんと翔気くん」

と他人事だった。部長には大翔が弟だと言っているからいものの。

 これじゃ授業もまともに受けられないかもしれない。いや、授業のまえに私の心がもたない。

そんなことを思っていたら大翔から

“女子がうるさい。どうにかしろ”

 ってきた。いや、うん。私、一応君のお姉ちゃんなんだけどね。

翔からは

“部活ができない。助けてー。美羽のせいだよね”

 と大翔よりも悪質な脅迫が来た。っていうか私のとこに断りもなしに来た君達のせいだと思うぞ。

とりあえず

“私の身にもなれ。精神がもたない”

 と返してしておいた。


ここに10分ほどいて思ったが、部室が1番安全だな。

外から少し声がするけど、視線を遮断してくれるし。

“どこにいる?”

って大翔と翔から全く同じ文面のものがきた。

“部室”

 とだけ書いて送信を押した瞬間固まった。

後悔先に立たずって言葉が浮かぶが、その言葉、今浮かんでもまさに後悔先に立たずっていうね。

居る場所を教えたら来るに決まってる。あぁ、あいつらの事だ。なんにも考えず、部室のドアを開け放つことだろう。そう、女子を引き連れて。

サイアク。私って、自分が思っている以上にバカかもしれない。

いや、ちょっと待て。部室って返した私も悪いとは思うけど、どこにいるなんて聞く方も悪いと思う。

声がだんだん大きくなっていく。さっきの3倍くらい大きくなったなーって人ごとのように思った。



       







 明日から学校これないかも・・・・・・

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