お風呂
ベットに腰掛ける。
モフモフ
そして、ギューっとぬいぐるみを抱きしめる。
うぅ、疲れた。
何か最近一日が濃くなってきてる気がする。
いや、それは私のせいじゃないんだ。
めげるな、美羽。
とかいってもな~、疲れるものは疲れるんだもん。
あ、風呂。
入らなきゃダメかな。
ダメかな。
ダメだよな。
「大翔」
リビングに行くと半裸の大翔が居た。
もう、慣れたけど。
っていうか、男子の裸ぐらいで騒ぐ女子の気が知れん。
「あ、俺今はいったからお湯熱いかも」
そうなんですよね。
大翔は熱いお湯が好きなんですよね。
でも、熱すぎると逆に疲れない?
何のためのお風呂だ、みたいな。
「あれ?」
大翔の背中に傷跡があった。
「どうしたの、それ」
「あ?」
結構大きい傷だけど。
大翔は気付いてなかったのかな、いやそれはないよね。
「あぁ、別に」
やっぱしってたか。
「ホント、大丈夫?」
「・・・覚えてないのか?」
「え」
何のこと?
だって、そんな大きい傷のこと知ってたら忘れるわけ無いじゃん。
え?
なに。
そう聞くまえに大翔が口をひらいた。
「なんでもない」
「え、ほんとに?」
「ねーちゃん、カンケーなかった」
「でも、どうしてそんな大きい傷」
「小さい頃のことだろ、そんなのいちいち覚えてねぇよ」
いや、覚えておいた方が良いかと。
「ふーん、ま、いっか」
「早くお風呂入れ」
「あーい」
そうだ、明日はまだ平日なのだから。
そして、朝練があるんだから。
早く行かなきゃいけないのに。
いやぁ、眠い。
「おい、おぼれんなよ」
「うん」
大翔の言葉に反撃する気にもならず、お風呂へと向かう。
服を脱いで、コンタクトを外し、体と頭を洗う。
流してから、お風呂に入る。
「あっっっっっつ!」
お風呂から慌ててでる。
一気に眠気覚めたわ。
何でこんなに熱いんだよ。
皮膚の感覚おかしいんじゃねぇの?
なんて言葉にはしないけど。
言葉にはしないけど、大翔のことは恨む。
体を拭いて、服を着て髪の毛を結び直す。
「大翔」
そう言ってリビングのドアを開けるが、翔しかいなかった。
「あ、美羽。翔なら寝たけど?」
「は~?」
あの野郎。
「お風呂開いた?」
「うん、開いたけど」
熱かったよ。
そう言おうとしてやめた。
ちょっといたずらしてやろう。
翔も熱いお湯は苦手だったはずだ。
「どうぞ」
「うん、じゃお風呂行ってくる」
よし、お風呂で叫ぶと良い。
いつものお返しだ。
30分後
「は-、気持ちよかった」
何か無事に出てきたんですけど。
うざいんですけど。
無駄にイケメンなんですけど。
「お湯、熱くなかった?」
いらいらしながら聞いてみる。
「うん、だからちょっと水足して入った」
「何で熱いって分かったの」
「ん~?美羽が悪い顔してたから」
そんなにわかりやすい顔してるかな?
「なんてね、美羽の声がリビングまで聞こえたから」
おまえ、笑ってんじゃねぇか。
「そんで、大翔が吹き出して部屋から出てってたよ」
おい、共犯者。
「大翔が吹き出すなんて珍しいよね」
ほんと、こんなに疲れる方が珍しいわ。




