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もう少し

長いこと見つめ合っていた気がする。

おーい、センセイ授業進めなくていいのかー?

いや、ここは"どうかしましたか?"とでも言ってみると良いのだろうか。

「先生、授業は」

ここで学級委員が介入。

出来た学級委員だことで。

「あ、ごめんなさい。では、えー。ここが」

そう言うとセンセイは授業を再開した。

しかし、明らかにチラチラとこちらを見てきた。

授業は教室を見渡しながらやらないと。

あまりにもしつこいので、授業を聞くふりをしながらじっと見つめてやった。



「では」

先生がそう言うと学級委員がごうれいをかける。

「起立、礼」

直後、教室中がざわざわと騒がしくなる。

「美羽ちゃん?」

彩笑ちゃんが心配そうに聞いてくる。

「ん?」

「授業、すごい集中してたね」

「そう?」

かすかに笑ってみる。

授業に集中してるようにうつっていたとは。

これからは国語の評価が上がるかもな。

とか言っている場合ではない。

さて、いきますか。


先ほどまで教壇に立ってチョークを持ち、淡々とした口調で話していた背中を見つける。

私よりも背が高い。

「すみません」

「はい」

振り返った彼女は驚愕の表情を浮かべた後、繕おうと微笑を浮かべる。

しかし、明らかに動揺していた。

「覚えてますか?」

「・・・えーっと、ここじゃなくて良いかな」

たしかに、ここでは私も彼女も自爆するようなものである。

さすがにその覚悟はない。

「じゃあ、夜また電話するんで。絶対に出てください」

「はい」

そう言うと顔を伏せて彼女は職員室へと入っていった。

そろそろこの問題にも終止符を打ちたいことだ。

今日の夜、やっと終わる。



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