おなかすいた
プルルルル プルルルr
「はい」
凌くんが帰ったあとすぐに電話が鳴った。
電話の向こうから聞こえたのは、先生の声だった。
「坂田さん?どうして今日休んだの?」
担任の声だった。
この人めんどくさいんだよな。
なるべく接触しないようにしてるんだけど、さすがに電話はムリだわ。
「いや、あの・・・はい。すみません。はい、はい。あの、明日からはちゃんと・・・はい。すみません。はい。・・・はい。失礼します」
もー、今日は嫌なことばかりあるな。
ぐうぅぅぅぅぅぅ
うっ!・・・おなかすいた。
朝ご飯食べてない。
昼ご飯食べてない。
おやつ・・・。
カップラーメンが、あったはず。
後でアイス買いに行こう。
3分待つのもしんどいくらいおなかが減っている。
とりあえず、なにか食うもの・・・。
冷蔵庫には、すぐに食べられるものがなかった。
飢え死にさせる気か!!
昨日の自分を恨む。
ん?
待てよ。昨日は、チョコがあったはず。
まだ全然残っていたはずなのに・・・。
大翔か翔か。
許すまじ。
翔なんか、追い出してやろうかな。
そろそろ家に帰った方が良いだろうし。
そうしよう。
うちから追い出そう。
よし。
そうなったら、あいつの荷物を片付けておいた方が良いな。
その日の午後を、片付けに費やした。




