夏詩くんの暴走
「やっぱやめるって言わないでね」
「言わないから、早く言ってよ」
「じゃあ、今日から俺の彼女になって」
「・・・。」
何言ってんのこいつ、という目で見てみるが夏詩くんの目は真剣だった。
「マジですか?」
「うん。あっ、でもホントにカレカノになるわけじゃないよ。ふり」
「それはまた何ででしょうか?」
そしてなぜ故に私でしょうか?
「彼女いたほうがかっこいいじゃん☆」
「さようなら」
「即答!?付き合ってくれるって言ったじゃん。それとも先輩ってそんな人だったんだ」
うるせー。まず、頼んでる時点でかっこわるいから。っていうか、私の方が“夏詩くんってそんな人だったんだ”って言いたいんだけど。いや、初対面だから知らないんだけどね?
「いいじゃん、一週間だけ。お願い」
一週間でも、長くないか?
「私、まだ誰とも付き合ったことないけど?」
「うっそー!意外。先輩好きな人多そうなのになー」
「そんなのいるわけないじゃん」
無自覚のストーカーならいたけどな。
「っていうかs」
シャッ。
カーテンが開けられた。先生の手によって。
「夏詩くん。君は何でこっちにいるのかな?腹痛治ったんなら、教室に行きなさい」
それより“っていうか”っていう言葉の先を説明してほしい。A型だから、やけに細かいことが気になるんだよね。
「うん、ちょっと話してたんだ。じゃあね、先輩。よろしく」
よろしくじゃない。とりあえず、夏詩くんに付き合うって言ったのなしにしてほしい。2・3分前の自分がのろわしい。
「坂田さん、あと少しで授業終わるわよ」
「はーい」
もう終わりか、授業。
って言うかヤバイ。夏詩くんのせいで犯人、探すの忘れてた。今の時間は何だったんだろう。
「ハァー」




