表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/85

萌えた&夏詩くん

「おーい、大翔ー。君らはどこに行くつもりなのかね?」

「教室」

なぜにだ。首を傾けて分からないアピールをしてみる。

なんか盛大なため息、つかれたんだけど。

「授業」

「は?」

急いで腕時計を見る。

・・・ヤバイ。これは怒られるパティーン(パターン)だ。っていうか、どうしよう。今はとりあえず保健室に行って・・・。

「おい、ねーちゃんどこ行くんだよ」

「保健室」

「・・・どっか行く前にメールしろ」

なぜに命令口調だ。そして、いちいちメールはめんどい。

「美羽、部活どうすんの?」

「・・・?行くつもりだけど?」

「いや、大丈夫?」

「うん。今は、動きたい気分だしね」

「じゃあ、部活の後、男子が終わるまで待ってて。一緒に帰ろ。心配だから。っね?」

「・・・。」

今の間は、なんだよ。って思ってる方、これは体験しないと分かりません。

考えてもみてください、私の状況を。

なぜか頭の上に翔の手が乗っている。そして目の前に、道で通りかかっただけで誰もが振り向く顔がある。そして、くさい台詞。「心配だから。っね?」

画面の前で首を傾けている人ー。いたら、その人は女子としての感覚ヤバイですよ。どんだけ男子に興味ないんすか。

長々と語ったが、簡潔に言うと翔に萌えたのだ。

そして、注意としていっておくが別に翔のことを好きというわけではない。

「おーい。美羽、分かった?」

「ん」

「じゃーね」

いいなぁ。大翔と翔、同じクラスで。

私なんか、同じクラスの女子全員から敵と見なされちゃったし。

とりあえず、保健室早く行こー。

「失礼しまーす」

「あら、どうしたの?」

「集団によるひどいいじめに遭いました」

「いやぁね」

「ホントですよ」

「先生恋バナとかだったら、話聞きたいのにな」

「先生、生徒の話で楽しむのはやめてください」

「あら、好きなのよ」

「そうですか、ベッド借りて良いですか?」

「ごめんなさいね、どうぞ」

1番右のベッドにはカーテンが掛かってたから、誰かが使っているのだろう。たぶん、保健室に来る8割の人がサボりたいが為だ。

シャッ、シャッ。

カーテンを開けてしめる。

そしてベッドに横たわる。布団は掛けずに、腕を頭の下でくんで天井を見る。無機質な真っ白の天井。



「ねぇ」

声は出ない。口を押さえられて相手の口元には人差し指があった。初めて聞く声と顔。

「叫ばないでね」

とりあえず、うなずいておく。

「そう、ありがと。」

口から手が離れる。新鮮な空気が口の中に広がった。

「誰?」

反射的に質問していた。

「俺?」

お前しかおらんだろうが。

「そっか。俺、久佐賀夏詩くさかかし。よろしく、美羽先輩」

言いにくい名前だな。っていうか、なぜに私の名前を知っている。

「あっ、俺一年だから敬語使わないでね」

お前は敬語を使わないのか?

「あと、カッシーって呼んで?」

「夏詩くんで良くない?」

「俺的にカッシーの方が気にいってんだけど」

どっちでも良くない?っていうか、私の名前を知っている方が気になるんだけど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ