**コイバナアフレルニチジョウ。
今日は台風がやって来ていて外でも遊べないのでクラスの中でクラスメートと話していた。
なぜかコイバナになってしまい、盛り上がっている。
その中で1人だけ他校の女の子に告白して成功した人がいる。
「おおーやっと俺らの中で彼女持ち誕生だな!」
「じゃあそれにあやかって……衣良、告れよ、応援すっぞ」
「な、なんで俺なんだよっ! お前が告れよ〜」
なぜか私に白羽の矢が立って、いきなり告白を強要された。
「いやいや、俺好きなやつとかいねぇから」
「いやいや、はこっちのセリフだ! うそついちゃだめだぞ〜?」
「そーだそーだ!」
私が精いっぱい事実を言うと、周りがにやにやし始めた。
うそ? なんの話だよ……。
腕をつんと突っついた友達に、
「うそってなんだ? なんじゃい、なんじゃい」
変な言い方をしながら尋ねてみると。
みんな笑いながら、
「衣良好きな人いるんだろ? 杜和が言ってた」
「俺も聞いた。『彼はかっこいい人が好きなんだ』ーって」
「かっこいい女子が好きなんだろ?」
誰からの情報だよって思ったが、その犯人は杜和。
まああの人なら平気な顔してまじめにかっこいい人が好きとか言いそう。
きっとその人って杜和自身のことを言っているんだというのもけっこう長い間一緒にいる私には察することができる。
杜和はかっこよくはないでしょ、とかは言わないけど。
「違うから、それのほうがうそ! もーあいつうそついた……」
「お前らいつも部屋でも一緒だろ? そういう話もするだろ」
「そういう話?」
「こ、い、ば、な!」
そういう考えまったくなかった。
ある意味彼が私のことを好きだと告白してくれるのはコイバナなのか?
「しないよ、意外に」
えー意外だわ!
そんな声がけっこう多くてびっくりした。
みんな毎日コイバナしてるとでも思ってたのかな?
「なあ、男だけで2人で寮住まいってどんなんなん?
俺らも寮見に行けるんだったら遊びに行きてぇ!」
「あー良いよ。先生と杜和に確認してみるわ」
「あざっす、衣良先輩!」
何言ってんだよ、とか言いながら笑いあう今、楽しくて仕方がない。




