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小人族の仲介人な私。  作者: 榎本あきな
第一仲介所:草原
7/24

7人目 無力

……前回のあらすじは…言う気も出ない…。

いやー…だってさ…、今回のお話に出てくるのが下級の妖精なんだよ…?

なんで僕を差し置いてでるのさ!ここは、知名度が高い僕が出るべきでしょう!?

…まあ、シーちゃんに免じてあらすじ言うけどさ…。

えーと、前回は「とても中心人物でした。事件の被害者的な意味で」らしいよ。



…あー…もうやんなっちゃう!早く行きたいよ…。シーちゃん達の世界に…。

………

仲介人である少女がいなくなった。

俺の目の前で。


その言葉に、色々な意味で寒気がした。

騎士であるというのに守れなかったこと。そして…俺だけでは確実に交渉が出来ないということ。

そもそも、この件に俺たちが選ばれたのが、俺は妖精が見えるから。カイアは騎士の中でもズバ抜けて知性的だから…という理由だった。まあ、他の所では嫌がってこの仕事を引き受けてくれなかった…というのもあるだろう。


俺は妖精が見えるため、小人族の印象も悪いイメージじゃない。むしろ、精霊に愛されすぎた種族だと認識している。愛されすぎて、周りから嫌われるくらい。

カイアの場合は…正直いって俺が交渉なんてできるはずもなかったから、無理やり引き入れた。ちなみに、引き入れ方はちょっとお話(おどし)をしただけだ。いたずら好きな妖精に手伝ってもらって…な?…他の騎士より脳筋じゃないってだけで大丈夫だと思うのが悪いんだ…!


そうして、やっと小人族と交渉できると思ったのに…。まさかこんなことになるとは…。

そう思いつつ、カイアの姿を探す。

確か、あいつは外で待機していたはずだ。だから、犯人の姿も見ている…おい、ちょっと待て。なんで外に待機していたのに捕まえられなかったんだ?あいつは騎士団の副隊長だから俺の次には確実に強いんだが…。

とりあえず、この土地と仲のいい風の妖精を呼び、小人族を持った人間を探すように頼み、ひとまず村の方へ駆ける。大丈夫。この風の妖精は温厚らしいから、要求はグレンシアの花束が欲しいってのだった。…後で小人族の人に頼まなきゃな…。


簡単に踏みつぶせそうな小さな村の少し手前にカイアはいた。

…というか、あいつは何を言い争っているんだ?

村の少し前にいたカイアは、何故か小人族の男性と争っていた。何やってんだ…。ちょっと聞いてみようと思う。


「――だーかーらー!違うって言ってるでしょ!?そもそも、交渉相手である君らに害をなしたら、僕らに不利益しかないじゃないか!それに、暴力で国の下へおいても、反逆されて終わりだよ?そこんとこ、十分理解してる!?もうちょっと考えてよね!」

「…とかなんとか言いながら、俺たちに脅しをかけてるんだろ!?暴力で俺たちに無理やり国の下へつくように誘導しようとしているんだろ!?…ばあ様が言うから耐えていたが…もう我慢できない!お前らを倒してやる!!」

「脅しなんてしてないから!それに、僕らがやったなんて証拠はないでしょ!?僕らが交渉決裂して喜ぶのは敵国ぐらいだからね!?国の下へつくように交渉してる僕らが、どーして自分から交渉を決裂させなきゃいけないんだよ!」


ふむ…。要約すると、少女と村人を拐ったのが俺たちだと思われているわけだ。………何故に?

いくら小人族といえども、人間が国を作って別々に暮らしているのはしっているはずだ。その勢力争いも。なんたって、小人族自身が勢力争いをして、今のように種族別に分かれて暮らしているのだから。経験がある彼らならわかるはずだ。……騎士団の連中のような奴ばかりじゃなければ……。いや、村長らしき人や仲介人の少女は騎士団の連中の様ではなかったから…大丈夫な人がほかにも…いるはず…だ。

とりあえず、このままじゃわからない。もう少し話を聞こう。


「だが!俺はみたんだ!お前らと同じ姿をした奴がサルビアさんとボウシちゃんを拐っていったのを!!この情報は確実だ!」

「はあ?そんなの本当かどうかわかるわけないじゃん!ってか、騎士団の服も盗めないし、もしも騎士団の中にそんな裏切り者がいたんなら、僕がこの事件が起こる前にボコしてるから。…いや、でも…可能性がないってことも…ない…か…。…隊長はどう思います?」

「……え」


ちょっ、いきなり!?いきなり俺に振るのかよ!ってか、気づいてたのかよ!知らなかった!俺知らなかったよー!?というか、俺、状況整理のために聞いてただけだから、自分の意見的なものないんだよ。そこ理解して!!そもそも、お前、俺が安易に言葉を発しちゃいけないの知ってるだろ!?「あなたの言葉は、妖精に影響を与えるのですから、安易に言葉を発してはいけません!」って怒られてたの見ただろ!?…あっ、ごめん。なんか自分で自分の傷口開いたから心が痛いです。


「もう…今まで何聞いてたんですか…。簡単に言うと、この小人族がこの事件は僕らの仲間が起こしたものって言い張ってるんですが、隊長はどう思います?って話ですよ。ちゃんと理解してください」

「………」


どうしよう。何も言葉が出てこない。

そもそも、他の騎士団の連中よりもマシってだけで、俺に意見を求めるのが悪いんだ!ある程度ないと、妖精の口車に乗せられたり、妖精の突拍子もない行動を止められないからな。……ほとんど妖精絡みじゃないか……。


マジどうしよう!…カイアさん怖いです。と思っていると、犯人を尾行させていた風の妖精が帰ってきた。ナイスタイミング!お前は俺の救世主だ!もちろん、魔王はカイ…あっ、ごめんなさい。もうそんなこと思わないんで、エスパー並に感知して、俺を睨みつけるのやめてくれませんか?…いや、切実に。


冷や汗を書きつつ、風の妖精の方へ目を向ける。

まお……カイアが小声で「逃げたな……」とか呟いてるけど、キニシナイ。キニシナイ。


「で…どう……だった…?」

『犯人 嘆キ 森 逃ゲタ マシタ』

「嘆きの……森…?」

『嘆キ 森 小人族 方 ヨク 知ッテル デス』

「……姿…とか…は」

『貴方 似テル マシタ 速度 素早イ 貴方 先 来タ 森 荒ラス 悪者 デス』

「ん……ありがとう…」


犯人は嘆きの森って所に逃げた…と。嘆きの森については後で小人族の誰かに聞くとして…、姿が似てるってのは…たぶん、騎士団の服の事を言ってるんだろうな…。素早い…か…。そして、森を荒らす悪者。可能性としては、敵国に雇われた盗賊…っていう可能性が一番高いな。騎士団員の裏切りってのも…あるって言えばあるけど…。

ってか、俺たちの前に来たって…もしかして、情報が漏れたのか?…可能性はあるな…。もうちょっと情報統制をきっちりとしないと。


そう考えていたとき、何かが服の裾をちょいちょい。と引っ張っているのに気がついた。

見ると、風の妖精が引っ張っていた。


『報酬 グレンシア』

「ん……わかってる…」

『明日 朝 五時半 小屋 前 オ願イ』

「…了解…」


俺が了承の言葉を返すと、風の妖精は満足そうに去っていった。まあ、去っていったってよりも、消えたって方が近いな。こう…スゥ…っと。ちなみに、これを友人に話したら、「お前…幽霊と見間違えてるんじゃね?」って言ってた。


「…で、どうだったんですか?隊長」


なんか下らなそうなことを考えていると、それを察知したかのようにカイアに思考を遮られた。

ちょっと不機嫌なのは、俺がさっきの質問に答えなかったことと、妙にくだらないことを考えていると直感的に察知したのだろう。…エスパーじゃないのですか?本当に?

まあ、そんなことは置いといて…、カイアに風の妖精からの言伝を言おう。


「犯人は…嘆きの森…逃げた。…姿は…騎士団の…格好…。俺たちの…先に…来た…。敵国の…雇われ盗賊…と…思われる…」

「敵国の雇われ盗賊…なるほど。それだったっら…。けど、騎士団の格好ってのがまだわからない…。それに僕らよりも先に来たってことは…もしかすると、僕らの側と小人族側、両方に裏切り者が居る可能性があるな…」


なんかなにげに小人族の人たちが激怒しそうな事を言ってるけど…、全然気がついてないみたいだ。今も近くの石の上でピョンピョン跳ねながら「ほら!言ったとおりだったろ!!」なんて言ってる。…完全にカイア、聞いてないけど…。

その時、カイアが何かに気がついたのか、俺を見た。


「嘆きの森…って…なんなの?」

「さあ…?小人族の方が…詳しい…」

「ふーん……」


あ、まずい。そう思ったときには、もう遅かった。

一人の小人族がカイアに襟首をつかまれ、カイアと同じ目の高さまで持って行かれた。


「ねえ…嘆きの森って…知ってる?」

「ヒッ!はっ、はい!えっと…この村の子供に代々伝えられる「手短に」はいぃぃぃいい!!えええっと……、この村が出来た時くらいから伝えられる、大量虐殺が起きた森です!」

「そう…。ありがとう」


ニッコリ(悪意の籠った顔で)と小人族の子にお礼をいい、手を離すカイア。小人族の子は、これ幸いとばかりに、放されたとたん、猫のように地面に着地し、そのまま駆けていった。…ご愁傷様でした。後、助けてあげられなくてごめん。

ふとカイアを見ると、さっきとは違う真面目な顔で考え込んでいた。


「…大量虐殺……。何か裏がありそうだな……」

「とりあえず……行ってみないことには…わからない…」

「そう…ですね。いかないことには、本当の事はわかりませんね。…行きましょうか」

「…準備は…念入りに…」

「それは僕のセリフです。隊長こそ、いつもポワッとしてて、すぐに荷物とか忘れちゃうくせに」

「……今回は…大丈夫」

「あはは。そうでなくっちゃ。……じゃあ、行きますか」


カイアのその言葉と同時に、俺は嘆きの森に、案内人役の小人族と一緒に向かった。

インターネット繋がったーー!!

やっと繋がりました!ここまでどれだけ大変だったか…。ぜんぜん繋がらないし、自分の渾身のできの3000字は一瞬で消えるし…。

消えたときは、絶望に打ちひしがれました…。私の2、3時間ェ……。と、柄にもなく「私」と思わず言ってしまいましたよ。

後、めーさん視点とボウシちゃん視点、両方入れることにしました。このサイトのことを知っているのか知っていないのか微妙な友人の蒼に聞いたら、「両方やればいいんじゃない?」とのお言葉を頂いたので。


次は、主人公のギボウシ視点です。あの森で、なぜ大量虐殺が起きたのか…。その謎も解き明かされます。……きっと。


それでわ。

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