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小人族の仲介人な私。  作者: 榎本あきな
第一仲介所:草原
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1人目。転生者な私

スケッチブックに、暇で絵を描いていたら、いつのまにかこのお話の絵を描いていた。

お話の構図ができたから、衝動的に書いてみた。


…なんで書いちゃったんだろう…。

ちなみに、このお話は短めに終わるつもりです。はい。

つもりだから……確証はないんだけど…


表紙絵、書いてみました。

挿絵(By みてみん)

何百年も前…。地球に有毒な気体が発生した。

理由は簡単。環境汚染、地球温暖化などによって地球が壊れたのだ。

そのため、地球は独自でその元となる人間を撲滅する気体を作り上げたのだ。


アメリカから広がり、海を越え、ヨーロッパ、日本、オーストラリアなど、徐々にその気体は広がっていき、人間は死に絶えた。


しかし、絶滅はしていなかった。


この気体は酸素より軽いようで、下の方にはわずかながら酸素が残っていた。だが、残っているのは数センチ…小指サイズしかなかったのだ。

そこで人間は、小さくなった。どんどん、どんどん……小さくなった。この地球で住むために。


こうして現れたのが、今の私達の祖先…新人類の誕生だった。


ここで少々話を変えよう。

有毒な気体になって困るのは、人間だけじゃない。動物や植物だって同じだ。

もちろん、植物や動物だって、人間と同じように死に絶えていった。


だが、動物や植物の場合は、それを取り込み、順応していった。

人間が小さくなったのに対し、動植物は、そのままの状態でいることを望んだのだ。


順応した動植物は、新たな力を手に入れた。その力は……理性だった。

理性を手に入れた動植物は、理性の次に知性を手に入れ、さらに進化した。


これが、亜人の誕生であった。


亜人は、順応したためかそのまま…つまり、前の人類の大きさのままだった。

それに対抗してか、新人類の中から、順応しようという者が現れた。

たくさんの新人類が死に絶え…そして、ようやく、一人の新人類が順応したのだった。


次々と新人類の大きさが元に戻っていったが、その半分は小さいままだった。

怖かったのだ。死ぬかもしれない恐怖が。突然出現した、自分たち以外の人間…亜人の存在が。


元に戻りたがらなかった臆病者…それが私の祖先。小人族(コロポックル)だ。


今でも私達は臆病者と罵られる。中でもとりわけ酷いのが、アーヌ皇国の憲法で、「小人族を見たものは、その小人族を即刻始末しろ」という憲法がある。お父さんから聞いたときは、絶句した。


そんな差別される私達でも、ちゃんと評価をしてくれる人はいる。その中で、ぺテルス王国は一番最初に私達を評価してくれた国だ。

私達は、元となった人類…今では旧人類と呼ばれる人たちに一番近い種族だからか、今の人間よりも記憶力が優れている。また、旧人類の歴史なども御伽話として私達に伝えられているので、知識に優れている。また、身体能力も……人間の体に上るくらいは軽々と出来る。木も、できるといえばできるが、大変なので引越しのときくらいにしか上らない。


そんな私達には、専用依頼というものがある。まあ、他の種族にもあるが。

私達の種族の専用依頼は、「グレンシア摘み」だ。


グレンシアとは、私達と同じように気体に順応できなく、小さくなった花のことだ。

とても小さく、私達が3センチだとしたら、グレンシアは1センチだ。

また、雪の様に白く美しいため、別名「白雪華」とも呼ばれている。


そのグレンシアは、万病に効くといわれ、1グラム煎じて飲めば、大抵の病は治ってしまう、万能花なのだ。

だが、とても小さいため、他の種族では踏み潰すか見逃してしまう。

そのため、小さい私達専用の依頼なのだ。







今、私は兄と共に町へ向かっている。


お父さんもお母さんも亡くなってしまったため、自力でお金を稼ぐために町へ向かうのだ。

村の人は、私達が成人するまでなら養うつもりだったらしいが、それでは私達が罪悪感で押しつぶされてしまう。

なので、兄と考え、私達は町へ行ってそこで暮らすことにしたのだ。


幸い、一番近い町はそこまで小人差別が酷くない。

そのため、私達は丁度その町から村に帰ってきた人に頼み、一緒の竜車に乗せてもらったのだ。


ちなみに、竜車とは馬車の別バージョンである。馬が引いていたのが竜に変わっただけだ。

竜といっても、私達は小さいから竜もそれにあわせて小さいが。それでも、ネズミくらいはあるだろう。


そんな私達は、休憩がてらグレンシアの花を摘んでいる。

町について売れば、家が見つかる間くらいはそのお金で過ごせるだろう…という考えだ。

どうやら、ここはグレンシアの群生地だったようで、花がとり放題である。


……ところでさ、目の前にあるこの花はなんだい?

高さは、私の少し上。私が3センチ5ミリくらいだから…3センチ7ミリくらい。

花はコスモスに似ていて、茎が花瓶の様に見える。ってか、最初間違えた。


あんな花…見たことないんだけど…。

後でシロ兄に聞こう。


「おーい。そろそろ出発するから戻って来ーい」


そろそろ行くみたいだ。

途中であの花に釘付けになったが、両手いっぱい位あれば十分でしょ。

両手で花を落とさないように気をつけながら竜車へ駆け寄る。


竜車の荷台に乗り込むと、竜車が動き出した。

元々、人を乗せるために作られていないため、直に振動が伝わってくるため、子供の私はぴょんぴょん跳ねてしまう。振動で。


「どれくらい集まった?」


シロ兄がそう聞いてくるので、私はグレンシアを荷台の床に並べる。

ちなみに、シロ兄というのは兄のあだ名で、本当はシロツメクサという。

小人族は花の名前をつける風習があり、全員が花の名前だ。私もそう。

あ、シロツメクサってのは、いわゆるクローバー。

シロツメ「クサ」って書いてあるけど、一応花らしい。


そういや、シロ兄の成果は………多すぎない?

籠いっぱいってどういう意味だよ。というより、どこで籠をもらった。


「んー…。僕のとボーシのを合わせれば、結構な量に…あ、この籠はあの人に貸してもらったんだ」


そういって、前の方で竜の手綱を握っている人を指差す。こら。指差すな。失礼だぞ。


……やっぱスルーできません?私の名前。

そう。私の名前は「ギボウシ」シロ兄が小さいころは結構活発だったしく、今度は大人しい子が生まれてほしいとのことで、花言葉が「静寂」のギボウシという名前をつけたらしい。

まあ、シロ兄のやんちゃもなりを潜めてきたし、私は静寂以上の無口になったけど。


そういや、あのコスモスっぽい花のこと聞いてないや。

ってか、知ってるかな。あんな印象深い花だったら、私にも教えられるはずだと思うけど…。


「ん?コスモスっぽい花?そんな花見たことないな…。おじさんに聞いてみようか」


私にそう答え、荷台に被せてある布を押しのけ、おじさんの方へ行くシロ兄。

やっぱり知らなかったみたいだ。ってか、おじさんも知ってるのか?

そう思いながらシロ兄についていく私。


私が布を押しのけると、もうシロ兄はおじさんの隣に座っていた。早いな。


「あっ、ボーシ!おじさんが知ってるってさ」

「ああ。知ってるさ。何せ、有名な話だからな。ま、本当か知らんが」


ガハハハと笑うおじさん。笑ってないで早く教えてほしい。


「おじさん。早く教えてほしいって」

「ん?そんな急かさなくても…。まあ、いいか。その花はな、「転生華」といわれる花で、枯れても何度も生まれ変わるらしい。だが、それは輪廻転生…つまり、記憶を持って転生してきたものにしか見えないんだとよ」

「じゃあ、何?ボーシは転生者?」

「そうかもなぁ。まあ、俺はそんなこと知らないし、ガセかもしれんがな」

「ボーシは、転生者なの?」


そんなことあるわけないじゃないですかー。私そんな記憶ないし。

たぶんガセだよ。あったら、その知識を使って大儲けしてるから。

花のこともわかったし、そろそろ荷台の方に戻ってるから、何かあったらいってねー。


「はーい。じゃあ、僕はおじさんのお話でも聞かせてもらおうかな」

「俺の話か?いいぞ。たっぷり聞かせてやる」

「わーい。やったぁ!」


キャッキャと騒ぐ後ろをそのままに、私は荷台に戻る。


…ごめん。記憶ないとか嘘。私、記憶あるんだ。

生まれたときから、私には前世の記憶があった。

母乳を飲むのは羞恥プレイだったなー…じゃなくて。


私の記憶では、前世での私の記憶が一切なかった。

その代わり、家族との記憶や友人との記憶は残っていた。

でも、私の名前とか性別とか、そういう記憶は一切残っていなかった。


だけど、死ぬ瞬間だけは鮮明に覚えている。


私は、謎の気体で死んだのだ。そう…地球が出した有毒な気体で。

あの時は、本当に苦しかった。苦しくて苦しくて…でも、家族や友人には生きていて欲しかった。

結局、私の家族や友人は、私の目の前で死んじゃったのだけれど。


小さいころは、今まで以上に悩んだ。家族や皆が死んだのに、私だけ転生して能天気に暮らしていいのか…と。

まあ、そんなの振り切ったけどね。


でも、私は死んでも、シロ兄だけは絶対生かすつもりでいる。

私の前世の兄は、私と同じように気体で死んでしまったため、そのかわり…といっては何だけど、私の兄の代わりに、せいいっぱいシロ兄には人生を全うして欲しい。


決意を新たに決めたとき……竜車が持ち上げられた。


ガタンと音がして、持ち上げられる竜車。荷台の中をゴロゴロ転がる私。

…ってか、目回る!気持ち悪い!前転、こんなにしたことないよ私!


気持ち悪っ!と思っていると、竜車が下ろされた。

…そういや、シロ兄とおじさんは大丈夫なの……か?

いや、大丈夫なはずない。荷台の外にいたのだから、持ち上げた人に何かされたんだろう。


気持ち悪さを押し切って、私は布を持ち上げ、外に出る。


地面に一歩…ついた瞬間、だれかにつかみ上げられた。

誰だ!失礼だぞ!いくら小人でつかみ上げやすいといっても………な?


目の前にいたのは、超絶イケメンさんでした。無表情だけど。

こんな顔の人、前世でも見たことないぞ。そういえば、この世界の人って結構顔が整っている人が多いんだけど…もしかして気体効果?あ、でも、それじゃあお母さんやお父さんやシロ兄が整っている理由が無いな。


ところで、いつまで私を見続けているつもりですか。

別に、いやん。エッチーとかいいませんけどね?そろそろ離して貰いたい。

服が重力に負けて千切れそうで怖いんですよ。




「小人族の村まで、案内して欲しい」

「は?」




耳鳴りと共に聞こえた言葉は、可笑しな言葉だった。…それこそ酒場のネタに出来そうな。

転生華を描いたら、人が描きたくなった。

人を描いたら、その子を呼んでいる子を描きたくなった。

私の技量では屈んでる人間は描けなかったから、華より小さくなった。


↑この一連の動作で、この物語はできました。

ちなみに、衝動で書いたので次のお話考えてません。

それでもよろしかったらどーぞ。


それでわ。

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