表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死神といっしょ!  作者: 是音
54/116

第54話 (ちょっと番外♪) 白狐な一日

今回はアジア三強の〈アノ人〉に視点をお願いしちゃいました♪

ん〜っ


今日も良い天気ね。

ったく、カブキから回ってきた仕事がまだいっぱい残ってるのよね。アイツ飄々と逃げるから。


・・・。


・・・。



!?


何コレ!私視点!?なんで!?


・・・え、あ。


どうも白狐でございます。

じゃなくて!なんで私なの!?作者!バカこら!出てこい!!


へ?


《白狐さん綺麗だから》?


・・・。


読者様もそう思っているのかしら?


・・・。


黙るんじゃないわよっ!


ま、いいわ。

今日は私視点らしいですので、宜しくお願いします。


 さて、ここは地獄旅館八階・女性社員棟の一室。つまり私の部屋ね。和室は良いわよ、広いし、落ち着くのよ。

 そうそう、仮面キャラお決まりの質問で《寝るときも仮面?》ってよく聞かれるけど、そんなわけないです。事実私は今素顔ですもの。

 しかしまぁ、布団の上で独り言を言っているみたいで不思議な感覚ね。里原くんの気持ちがよく分かるわ。

 朝はきっと皆さんと変わりないと思うわ。朝食をとり、着物に着替えたりと色々な支度を済ませ、仮面装着っ。

 で、いつもこのくらいのタイミングで・・・


プルルルルル


 ほら来た。


ガチャ


「白狐よ」


『おはようございます白狐様。治安課の餓鬼です』


「おはよう。今朝はどうしたの?」


『はい。その、申し上げにくいのですが・・・閻魔様とドミニオン様が

〈っしゃぁ!ロシュ達に会いに行くかドミニオン!〉

〈まー合コンは夜だし、いいぜー〉


という会話を早朝にしていらっしゃいまして・・・只今人間界ゲートに移動中です』


・・・。


あのアホコンビが!仕事しろよ!


「二人の現在状況は?」


『お二人は現在、地獄旅館三階、魂ラウンジで・・・ナンパ中です』


いっぺん本当に殺してみるか。


「わかったわ。エリート餓鬼達をお客様の邪魔にならない程度に派遣してちょうだい。あと、カブキは見つからないでしょうから、夜叉を呼んでおいて」


『了解致しました』


ブツッ


・・・やれやれね。朝は奴らの捕獲や、迷子になった餓鬼の子供の捜索みたいに小さな任務が入ってくるのよ。

 さて、仕事に忠実な夜叉の事だからすぐに・・・


ピリリリリ


 今度は携帯。


「夜叉?」


『白狐殿、朝から大変ですな』


「お互いね。さ、今日も仕事よ。三階で会いましょう」


『承知』



 通話を終え、武器のクナイを帯に差す。きっと抵抗するでしょうから。


さ、頑張りましょ。


――――――


地獄旅館三階


・・・。


 本当に魂をナンパしてるわあの二人。


「フハハハハ!マジマジ?俺様ってそんなに有名!?聞いたかドミニオン!」


〈うっせー〉


「ふてくされんなよ!魔剣だってそこそこ有名さ!そこそこな!フハハハハ!」


・・・。


 遠くから傍観する私。さらに後ろに立つエリート餓鬼達の一人が見兼ねて言う。


『白狐様、如何致しましょう?』


「・・・アナタ達は散開して安全の確保。あの二人は私と・・・」


 突如夜叉が隣に現れる。


「某が相手をしましょう」


 エリート餓鬼達は了解、と言いながら散開した。


〈お、おい閻魔・・・〉


「んぁ?どうした?」


〈テメーが寄り道してっから見つかっちまったぞ〉


 魔剣の言葉に閻魔がこちらを向く。


「・・・げ」


 げ。じゃねぇわよアホ野郎。


「閻魔」

「閻魔殿」


 閻魔は明らかに逃げる算段を立てている顔。


「あ、えーと。あ!そろそろ《めざ○しテレビ》のお天気お姉さんを見る時間だぜ!」


 毎朝見てるの!?


〈違うぜ白狐。閻魔が本当に毎朝欠かさないのは《N○K朝のテレビ小説》・・・ぐはぁ!〉


 主婦!?


「うるせードミニオン!テメーだって《お母○んといっしょ》は欠かさねぇくせに・・・ぐはぁ!」


 ガキ!?


「フッ、全部ウソだけどな」

〈フッ、全部ウソだけどな〉


・・・殺す。




 私はクナイを両手に握り、刀を構えた夜叉と共にアホコンビへ突撃する。


「お?お?やんのか?よっしゃ!いくぞドミニオン!」


〈はぁ〜?やだよめんどくせぇ〉


「エクスカリバーのブロマイド(ぼそり)」


〈っしゃあ!魔力解放ぉぉぉぉ!!〉


 何よその感情の変化!!


「夜叉、左右へ展開!鬼斬剣で足を止めて頂戴」


「承知」


 夜叉はラウンジの広い空間の壁をズドドドドと走りながら私の反対側へ回る。


「《狩魔・鬼斬剣{カルマ・キザンケン}》!!」


 刀を横に振った夜叉は赤い剣圧を放ち、当然魔剣を構えた閻魔は飛んで避けるから、そこへ私が無数のクナイを投げる。


「うおっ!フハハハハ、防御だドミニオン!」


〈OK、任せろ。オラァ《絶対拒絶魔結界(でも愛は受け入れるよ♪)》!!〉


 全部弾かれた。アホな性格してても二人共魔力は最強だものね。


「フハハハハ!じゃあ次はこっちからいくぜ!必殺・・・《日曜日の夕方は切ないでやんす》!!」


ズドーーーン!!


「アンタがわけわかんない技名付けるからロシュが真似するんでしょうがぁぁぁ!!」


 実は結構閻魔や皆の悪いクセがロシュやメア達に移っちゃってるけど、里原くんには秘密よ。怒られちゃうから。


〈あ、閻魔。あとでスイカ食おうぜ〉


「いいねー、どこのスイカがヤスイカナ。おやじギャグで自爆。フハハハハ!!」


「テメーら突然何言いだしてんだコラァァァ!!」


「お、落ち着いて白狐殿っ」


・・・まったく!


『えー、調べでは《八百屋ビッグバン》が一番安いです閻魔様』


「どいつだ!今律儀に答えやがったのはどのクソエリートだぁ!?」


「び、白狐殿、落ち着いて・・・!閻魔殿のペースに引き込まれてはいけません!」


・・・はっ!


 私としたことが。ダメね。落ち着かないと。

 うん、夜叉の言うとおり閻魔のペースに引き込まれては駄目。アジア三強として示しがつかないわ。


「さぁ閻魔!勝負再開・・・」


――――――

「おっちゃん、《ギャルアイスクリーム》一つ〜。あ、閻魔様割引きな」


『あいよー』


〈閻魔、オレもオレも〉


「悪ぃおっちゃん、二つな」


『あいよー』


「あり?どうした白狐、不機嫌そうな顔して。今日は化粧のノリが悪かったか?仮面付けてちゃわかんねぇや。フハハハハ!」


―――――――


・・・。


「し」


「んぁ?」


「し」


「なんか言ったか?つーかこの《ギャルアイス》うめぇぞ!」


・・・。


「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


ボカッ!グサッ!ベキィッ!


「ギャァァァァ!骨がぁ!」


バキッ!ゴッ!ズバァァァァ!


「ギャァァァァ!俺様の《ギャルアイス》がぁ!」


ぐしゃっ!ベコォ!ギィン!バキッベキベキィ!


「はわわわわ、白狐殿ぉぉ・・・!」

〈ぃぎゃぁぁぁ!刃こぼれぇぇぇぇ!!オレの顔がぁ!!〉


――――――


 こうして朝のしょーもないお仕事は終わったのです。

 六階が主に死神業の事務を管理している場所で、私や夜叉、カブキなんかはそこで書類をまとめたりしているの。他の死神業者はアジア中を飛び回って魂狩りをしているわ。

 最近は魔列車ができたことで仕事の効率も数段上がったし。



 さて。閻魔は傷だらけのままアフリカ支部の会合へ向かわせたし、カブキの仕事も片付け終わったからちょっと休憩しましょ。


――――――


 時間ができた時は大抵地獄旅館内にある甘味処で一服。

 廊下の長椅子に座ってまったりするのが好きなのよ。


『いらっしゃい白狐さん、今日は仕事が早く片付いたのね』


 店員の餓鬼さんが団子とお茶を持ってくる。


「ええ。ここのお団子は大好きよ」



『あら、ありがとう』


 お茶を飲んでまったりしていると、目の前の廊下を餓鬼や魂の子供達が走って来る。鬼ごっこかしら?


 転んじゃ駄目よ。


ドタバタドタバタ


〈待てーっ!〉


〈待て待てーーっ!〉


〈待てカブキー!〉


ブハッ!


「うっせぇ誰が待つかガキ共!食うぞ、食っちまうぞ!!」


〈わーわー!〉


〈きゃーきゃー!〉


ドタバタドタバタ


・・・。


・・・。



 何やってんの?あのバカブキ。つーか鬼ごっこに本気出してんじゃないわよ。


 夢中で走る鬼ごっこ集団は私に気付くことなく前を通り過ぎ、行ってしまう。


ドタバタドタバタ


〈待てー!〉


〈よこせー!〉


〈白狐さんの化粧水よこせー!〉


ブハッ!


「うっせぇボケコラ!これ無くしたらオレがアイツに殺されるんだよ!ついてくんなぁー!」


ドタバタドタバタ


・・・。


・・・。

 わ、私の化粧水。なんでアイツが持ってるのよ。


(その晩、カブキはボロボロになった)


 あ、そういえばもう夏ねぇ。今度里原くんの所へ夏料理をご馳走になりに行こうかしら?彼の料理はなかなか気に入ってるから。

 なんてこと言うとロシュに睨まれちゃいそうね。


 私の昼間の生活は大抵こんな感じね。たまに人間界へ行ったりもするわ。

 さぁて、午後からまた仕事よ。最近は忙しくて大変。楽しいからいいんだけどね。




 では皆様、またお会いしましょう♪

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ