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死神といっしょ!  作者: 是音
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第43話 死神&準 VS 幻獣ペア

大会編の続きです!今回は準くんも戦います。

《冬音・ナイトメア》ペアをなんとか撃破したオレ達は着々と階を上り、六階まで来ていた。


それまでも幾度か死神業者達と交戦状態になったが、冬音さん達と戦ったことでオレの体も大分温まり、更に死神も絶好調なだけあってなんなく撃破してきたのだった。


この旅館厄介なことに一階一階の階段が設置してある場所がランダムだという、複雑な構造をしている。


「ねぇ準くん」


「なんだ?」


「地獄街なら吹き抜けだし、各階に階段があるんじゃない?」


気付くの遅すぎだ。だが


「考えてもみろ。そんなわかりやすく楽ができるポイントなんてエリート餓鬼が密集してたり、死神業者共が激戦を繰り広げてるに決まってるだろ。ほら」


そう言ってモニターを指差す。


案の定カキぴーの実況の中、地獄街はまさに爆音と怒声が響き渡る激戦区と化していた。


一体どんだけ参加してんだよってくらいの人工密集度だ。


かろうじて二階まで上ったペアもすぐに攻撃を受けて引きずり下ろされていた。急がば回れってやつだ。


『さぁここは激戦区の地獄街!!立ち並ぶ店は一応安全とされているが、保障はできないぜシュガーレス!』


一階の店達はご愁傷様だが、五階に位置するゲルさんのおカオスディメンジョンが心配だ。


もしあの店が荒らされるようなことがあればオレと死神は真っ先に店に向かい、店の前に仁王立ちになって近づく連中をボコボコにするだろう。


「行こう準くん!急がないと・・・」


「あぁ。先越されちまう」


と走りだそうとしたその時


『里原様ペアでございますね?』

『最優先撃破リストに入っております。覚悟』


エリート餓鬼だ。七人とはちょっと多くないか?


「最優先撃破リストだって準くん!やったぜ!」


喜ぶな!


エリート餓鬼達はスラリと姿勢良く立ち、手袋をはめ直した。


「お前は三人、あとはオレがやる。いいな?」


「あぃ!了解〜!」


エリート餓鬼が突撃してくる。

先頭の一人目と二人目は首を掴んで死神にパスする。

謎の必殺技の餌食になるがいいさ。


さて、三人目と四人目。こいつらの格闘レベルはかなり高い。


『覚悟』


ふむ。


・左ジャブ×2

・右ストレート

・左クイックフック、右クイックフック(この二撃の連打が異常に速い)

・右膝


か。早いし良いコンビネーションだなオイ。

回避と防御で動きを見極める。三人目は手技中心だなこりゃあ。


でもなぁ・・・。


右ストレートを外側に回避し、スーツの肘部分を掴んで引っ張る。

タイミングを合わせると、これが面白いようにバランスを崩す。

・・・顔がノーガードだぞ。


バキィ!


『ぐはぁ・・・』


ちょいとエグイが右上段回し蹴り。終了。


『さすがでございます・・・な!』


四人目。こりゃまた特殊な・・・。


・左ジャブ

・右ストレート(体勢から次に足技が来るのが丸分かりだ)

・右足の足払い気味の下段

・そのままの遠心力で一回転し、右足上段・・・


まだコンビネーションは続くのだろうが、隙を見つけてそのままにしておく程オレも暇じゃない。


一回転したバランスの悪い上段蹴りの足を掴み、蹴りの勢いを後押しするように振り抜かせる。


『しまっ・・・』


バランスを崩したらこっちのもん。三半規管を揺らすべく顎に軽いフックを入れる。


ドサッ


よし。


死神の方も片付けたみたいなので


「もう一丁いくぞ」


「あぃよ!」


五人目を死神にパス。


オレも残りの六人目、七人目を撃破。


「くらえぇぇぇ!《そろそろ浴衣とか欲しいな準くん》!」


どーーーん!


もう技名とかじゃなくて自分の思いついた事柄じゃねぇか。


浴衣な。わかったわかった。


『お見事・・・』


ふぃー。《最優先撃破リスト》とやらに載るとこんな厳重警戒されるのか。


「見て見て準くん、七階への階段があるよ!」


「おー。やったな」


死神の指差す先には上り階段が設置されていた。


ランダムに配置されているとはいえ、階段は階にいくらでもある。先を越されていなければ良いが・・・。


階段を上ると異変に気付いた。

黒焦げになった死神業者やエリート餓鬼が大量に気絶しているのだ。


「なんだよこれ」


「うひゃ〜、強い人がいるんだねぇ」


一応七階は客用としては最上階だ。


「七階って何があるんだ?」

「な〜んにも!」


は?


「七階の地面はね、地獄街六階天井なの!」


なんだそりゃ?


「つまりぃ・・・」


と死神がオレの手を引いて廊下を進み、広い空間に出た・・・って、すげぇ!!


その空間に立ったオレは浮いていた。


正確には、地獄街六階の天井に張られた板が透明で、七階の地面から下の光景が丸見えなのだ。


真下では小さくなった死神業者達がまだ最下層で争っているのが見える。


「七階にある部屋は地獄街の真上にあるこのひろーい空間、《無》の間だけなんだよっ!」


本当に凄い。高所恐怖症の人でなくても足がすくむだろうな。


《無の間》とは言っても広さは地獄街と同じであり、なーんにもない空間の中心には階段が見える。

あれが唯一八階へ上る階段なんだろうな。


それから、なーんにもない空間には階段の前にもう二つ程違うものがあった。


・・・。


実況頼むぜカキぴー。


『さ、さぁ!これはぁ!!《里原・死神》ペアがついに七階へ到着だぁ!!観客の盛り上がりも凄まじいぜぇ!!だが現在七階にいるのは二人だけじゃないみたいだぞぉーーー!?』


そう。オレと死神の目の前にいる。こいつらは・・・


〈ニャー、若造。ヤルジャナイカ〉


〈我々は正式な参加者ではない〉


!?


『なんとぉー!出場者狩りの為に放たれた刺客《猫・麒燐{きりん}》ペアだぁぁぁぁ!!』


あの最強猫は知ってる。だが問題は隣のヤツだ。


一見、大柄な鹿のように見えるそいつは、金色の鱗に身を包み、蹄{ひづめ}は真っ白で、巨大な一本角を生やしている。何より体中に電気を纏っているのには驚いた。


「うわぁーっ、見て準くん、麒燐だよぉ!」


「死神業者達を黒焦げにしたのはコイツか。でも麒燐って天国所属の聖獣じゃあ・・・」


〈ニャー、私ノ友人〉


この猫、友達の輪スゲー!!


〈まぁ、ケットシーが地獄を気に入ったらしいからな〉


とキリン。

・・・ん?ケットシー?


ケットシーってあれだよな。猫の姿をした精霊みたいなヤツ。


・・・。


あの雑種猫が!?


「どうでも良いけど通せーー!!」


無謀な突撃すんなー!


この無謀さを簡単に表すと、

《旅立ったばかりの主人公がラスボスを倒した後に出てくる真のラスボスに立ち向かう》

くらいの無謀さだ。


〈ニャー!馬鹿にも程があるぞ小娘!〉


ついに猫のセリフも平仮名表示だ!


〈まったくだ死神娘!〉


キリンも体中に電気を溜め込む。


〈エネルギーは調節してある。くらえ!〉


次の瞬間死神に向かって巨大な雷撃が飛んできた。


「ちぃ!」


死神を抱えて横へ飛ぶ。


バァン!


さすがに死ぬだろ!


〈ニャー、遅いわ若造!〉


まずい、猫パンチかよ!


ドカァン!


死神を抱えたまま吹き飛ばされる。


「あうち」


「大丈夫か死神!おい!」


「うぅ〜・・・」


軽く気絶してる・・・。


・・・。


・・・。


・・・。


『おい・・・』


〈ニャ?〉


〈・・・!!避けろケットシー!!〉


〈ニャ!?〉


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


バガァァァァァン!!




・・・?


うーん、いたたたた。気絶とは不覚不覚〜。

あれぇ!?私視点?何で?



ズッドォォォォン!!


『オラァァァ!!』

何?準くん!?


〈ニャッ・・・若造・・・一体何だその戦闘力は!〉


〈先程とはまるで別人・・・〉


あーっ、アレだ。以前八大地獄温泉で大暴れした《裏準》くんだよ!

解説不能になったから私視点になったんだね!


でも凄いよ準くん!キリンさんと猫を相手に押してるもん!


〈ケットシー!お前の速さでなんとかならんのか!〉


〈ニャー!これでも《ラディカルグッドスピード・レベル3》なんだ!無茶言うな!ギニャッ!〉


ドォン!!


『得意の雷撃はどうしたよ!ぁあ!?』


裏準くんの戦い方は凄いよ。メチャ速い猫の攻撃をあえて受けて、反射的に猫をひっつかんで攻撃するってゆぅ捨て身の戦法なんだもん!


ん〜、でもあれは準くんっぽくないよね。


・・・。


うん、戻ってもらいましょっ!


(本当はまだ私視点でいたいんだけどね。そうだ、またいつか私視点のお話作って貰おっと♪)


「よっしゃ、いいかげん目ぇ覚ませ準くん!必殺・・・


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ぼかぁーーーん!


ぐはぁ・・・いってぇ。


「何すんだアホ神!」


「おっ、戻った戻った♪」


ん?


あー。またやっちまったのか。


〈ニャー?戻ったのかニャ?〉


〈そのようだ〉


さぁて、よく覚えてないけど、とりあえずどうやってここを切り抜けようかね?


「死神にお任せだよ!」



何か策でもあるのか?と尋ねる前に死神は既に行動に出ていた。


ヤツは


「ニボシがある!」


といきなり意味不明発言をしたのだ。


〈ニャー!嘘をつくな!〉


「ホントだもんね〜っ」


そう言って死神は透明の地面を指差す。

遥か下、地獄街の中でも一際目立つパステルカラーの雑貨屋カオスディメンジョンの前でゲルさんが魚を持って上を向いていた。

んなアホな。


〈ニ、ニャァァァァ!ニボシLOVE!!〉


どこで猫の好物を調べたんだか・・・。

いや、それよりゲルさんを仕込むのはルール的に・・・あ、確かルールブックにそんなことは書いてなかったな。


〈お、落ち着けケットシー!!〉


キリンが慌てて猫を引き止めるが、猫は透明の地面に顔をくっつけてバリバリ引っ掻いている。


そんな間抜けな姿をボーッと見ていると、死神がオレの袖を引っ張った。口に人差し指を当てて《静かに!》というジェスチャーをする。


すると死神はそ〜っとオレを引きつれて猫と麒燐の背後を潜り抜け、階段に乗った。


さらに死神はローブの中からマイクを出した。ってこれでゲルさんと通信してたのか!!


「ゲルさん、私達は安全を確保したよ。ヨロシク!」


通信相手はゲルさんなのでもちろん返事はない。

通信を切った死神は大きく息を吸い込み、


「おーい馬鹿猫ー!そんなにニボシが欲しいならあげるよーー!」


と叫んだ。


〈ニャー!マジでー!?〉


〈こらケットシー!!〉


その瞬間、いつの間に仕掛けていたのか、七階の地面が爆破された。


意外に猫は驚くこともなくゲルさんに向かって垂直落下していく。頭の中はニボシでいっぱいなのだろう。

・・・最強猫が実力発揮せずにあっさり罠に引っ掛かってんじゃねぇよ。


一緒に落ちていく麒燐は・・・


〈ニボシとはそんなに素敵なものなのか?〉


興味持ち始めた!


「ごめんね麒燐さぁん!今度そのフサフサな首の毛触らせてね〜!」


〈いいよ〜〉


軽っ!


「死神、麒燐は今回オンリーのオリジナルキャラだぞ」


「えーっ!」


ま、機会があれば出てきてくれるさ。

オレは風穴の開いた透明な地面を見ていると、カキぴーのやかましい声が聞こえてきた。

てっきりオレ達の事かと思ったら違うみたいだ。


・・・!


『な、なんとここで優勝候補の二ペアが相討ちだー!』


モニターには


彩花さん、ヴァンパイア、白狐さん、カブキさんが気絶して映っていた。

凄まじい戦いだったのだろう。食堂と思われるその部屋はボロボロだった。


「彩花さん達、負けちゃったの!?」


「負けてはいねぇ。相討ちだ。すごいな、白狐さんとカブキさんが相手だったのによ」


頑張ったなバンプ。


「大会が終わったらみんなでパーティーだな」


「アハハハハ!準くんからそんなこと言い出すなんて珍しいね!」




「・・・ん、いや。ほら行くぞ!次はついに八階かぁ、何の部屋かなぁ〜」


「あっ、待ってよぉ準くーん!!」


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