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死神といっしょ!  作者: 是音
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第38話 死神と学校(冷や汗)

ふぅ・・・。


今日も一日疲れたよ。

死神のおかげで疲労度が八割増しだな。学校が遊び場だという完全に小学校低学年的な発想だからなアイツは。

そもそも家にいても暇だからという理由が羨ましすぎる。じゃあ飯食ってゴロゴロして寝てやがれ!と言いたいところだが、実際学校ではそんな感じだし、そんなことを言おうものならヤツはどんな凶行に出るかもわからん。


まぁ死神が来た時点でオレは平凡ライフとおさらばしてしまったんだな。


今日の出来事も思い出すだけで背筋が寒くなるよ。


では今日の出来事を簡単に箇条書きで述べます。(これ久しぶりかもな)


―――


・学校で死神は春の眠気に負け、オレの机の上で爆睡していた。


・英語の小テスト中だったが、死神がプリントを下にして寝やがったのでとりあえずオレはボーッとしていた。


・それを見た教師がオレのところまで歩いてきた。


・教師は

『里原〜、もうテスト終わったのかぁ?ん〜?』

と、英語教師特有の鼻の骨を殴って砕きたくなるような口調でオレの机の角をバンバン叩いた。


・死神が起きた。


・オレはちょっと慌てた。


・死神が怒った。


・オレはめっちゃ慌てた。


・死神は怒って教師の鼻の頭に英語の辞書ぶつけた。


・教師鼻血ブー。


・隣の美香、大爆笑。



・オレ何もしてない。


・オレ職員室呼ばれた。


・死神ついてきた。


・生徒指導部の教師、長ったらしい説教スタート。


・死神はあからさまに嫌そうな顔。


・オレは危険を察知し、他の教師の目の前で後ろに手を組み、行動不能をあらかじめ証明。


・説教は続く。


・死神が怒った。


・とりあえず、心の中で〈なんで!?〉ってツッコミ入れといた。


・死神は近くに座っていた校長のヅラを剥ぎ取った。



・オレ顔面蒼白。


・死神は説教教師のコーヒーカップの中にヅラをぶちこんだ。


・オレの膝が震えだす。


・校長、ヅラが無いことに気付き焦る。


・校長、周囲を見回す。


・濡れヅラエスプレッソを発見。


・職員室=修羅場。


・死神大爆笑。


・オレ大失笑。



―――


いかん、寒気がしてきた。その後、説教教師がどうなったかは全然わからん。明日いなかったらどうしよ?あ、いいか。オレからしてみれば好都合だな。うん。



ガラガラッ


「大変だよ準くん!」


・・・。


「今テレビ見てたらね・・・」


・・・。


「男性リポーターのチャックがフルオープンだったんだよぅ!全国ネットで!!アッハハハハハハ!!」


・・・。


「おい死神」


「アハハハハ!なぁに準くん?」


「ここは風呂場だ」


「・・・え?」


「・・・」


「・・・」


「うひゃぁぁぁぁぁ!」




ガラガラッ、ピシャン!


アホだ。

さて、今日一日で死神がやったのはまだまだこれだけではないのだよ。



―――


起こされた死神はしばらく不機嫌で、ヤケになって弁当まで食いはじめた。


ちなみに時刻は午前10時。


「食欲の春だから」

とかわけのわからん理屈を述べながら短時間でオレの弁当を完食。


その後美香が暇そうな死神を見て、しなくてもいいのに

「死神ちゃん、これ超爆笑!」

な話を始めやがった。


話題は《学校の七不思議》。

みたいな話らしいが、スーパークレイジー女子高生七崎美香によって誇張、脚色付けを施されたその話はそんな生易しいものではなく・・・


《学校の隣の教会の七人の不思議ちゃんシスター達の武勇伝》


という別の意味で恐ろしい話を聞かされたのだった。

死神は楽しく聞いていたが、授業中にも関わらず美香のガトリングガントークを浴びるオレは教師から放たれる冷視線ビームとの連携で穴だらけになっていた。


何で美香にその視線を向けないんだ?

と考えたら、そういえば一年生の頃、美香に冷視線を送った若い国語教師が次の日の朝


『未来が真っ暗だよ母さん・・・』


と呟きながら放心した顔で辞表を提出したという話を聞いたことがあったのを思い出した。


高校一年生の頃はまだオレも無慈悲なファンタズマのリーダーだったから気にもしなかったけどね。

よくよく考えたら危険なヤツだと今更気付き、改めて関わりたくないランキングの見直しを検討したくなった。




死神は美香の話を聞くと


「もっと武勇伝聞きたい!」


とか言いだしやがった。

貴様、毎日が既に武勇伝だろ。


「その教会に行こう準くん!」


急な思い付きキター!


ちなみに美香がその話を終える頃には放課後になっており、今から行くのも気が引けるので休日である明日に行くことになった。


そんな面倒なことをすんなりと受け入れたのは、美香や死神の強制もあったが、オレは一回死神を教会の中に入れてみたいと思っていたからだ。


あ、そうそう。教会には確かにシスターがいると聞いてはいるが、七人もいないはずだ。美香の嘘だよ死神さん。


その後死神は野球部で気が済むまで暴れてから帰った。最近は野球部をひやかすのにハマっているらしい。タチ悪ぃ。


―――


で、今に至る。


明日はゆっくりできると思ったのになぁ。


おっと、そうそう。何でウチの学校の隣に教会があるのかというと、まぁ簡単な話がオレの通う学校はそういった宗教的な風潮があるからである。

オレは神様とか信じないから気にしてないが。


・・・教会の隣で死神が暴れてるなんて。

ま、いいか。天国と地獄は仲が良いみたいだし。派遣されてきたヴァルキュリアさんが何よりの証拠だよな。


―――


風呂から上がると居間では死神が笑い転げていた。


「アハハハハ!アーッハハハハ!お腹痛いーー!ゥアッハハハハハ!!」


何だ?テレビではニュース番組が映っている。バラエティじゃないぞ?


「おかしー!アハハハ!!」


「死神、落ち着け。何を見た?」


「政治家がくしゃみしたら鼻血が出たーー!!」


うん、ちょっと見たかった。


「お腹が・・・助けてぇアハハハハハ!!」


そんなに笑うことか?


「だ、だって政治家が・・・プフッ・・・


《最近になってやっと男女平等化が・・・ハーックション!・・・ん、失礼。最近になってやっと鼻血がぁぁぁ!ブハァ!!》


ってスムーズに鼻血出してんだもん!アハハハハハ!!」


ツボにハマっちまったのか。


「ギャーハハハハハ!!!《最近になって鼻血がぁ!》って何!?鼻血が最近何なの!?アハハハハハハお腹痛い!」


英語教師の鼻に辞書ぶつけたくせに・・・。



「AHAHAHAHAHA!!日本ノ政治家サイコーデス!」


欧米化しやがった!


「あはははは!ふぅ〜やれやれ。・・・飽きた」


飽きたの!?


「明日は不思議ちゃんシスターに会えるね準くん!楽しみぃ〜♪」


オレは激しく不安だよ。美香の話だからそのシスターが不思議ちゃんかどうかも怪しい・・・。


死神にしたらそんなことは関係ないか。


「じゃあ伏線を残して次回へ続く!」


「いらんことを言うな」

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