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死神といっしょ!  作者: 是音
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第3話 死神と学校(序の口)

今回は死神in学校をかじった程度のお話です。後に細かく書こうと思います。

「いってきまーす」

「いってきまーす」


 誰もいない部屋にそう言うとオレ達は部屋を出た。


 ?


 オレ達?



「ぅわ! お前何でついてきてんだよ!」

「だってー、家にいても暇だもん! お決まりでみんなには私の姿見えないからさっ、いいでしょぉ〜?」

「ドクロの仮面で甘えるな! お決まりでみんなからオレが独り言を言っているように見られて変人扱いされるからやめて」


 そう。こいつは昨日突然やってきた死神。

 名前はロシュケンプライメーダ・ヘルツェモナイーグルスペカタマラス七世。

 オレは覚えたけど、昨日この名前入れて会話したら画面の向こう側から冷たい視線が向けられたので呼び方は死神だ。

 死神といっても見た目はメチャ恐いが中身は変人なのだ。

人のベッド陣取って漫画読むし、女って言ったら殺されかけたし、地獄から気味の悪い虫呼び寄せるし、首切りに飽きたとか言うし、浮くし、そのくせ飯食わせろだの風呂入るだのわがままだし。

 あっ、食事の時に一回仮面外したんだけど、普通に可愛い女の子だった。細い顔で目は青くて肌は白いし、金色の髪は肩辺りまで伸びてたな。

 何でいつも気味の悪い仮面つけてんのかって聞いたら、

「秘密のある女って素敵でしょ?」

 だとさ。勘違いもイイトコ。はよ帰れ。って言いたかったけど、不覚にも居候させてやるって言ってしまった愚かなオレ。取りつかれるってこういうことなのかなぁ?

 で、今二人で通学路歩いてます。(一人浮いてます)


「……ねぇ聞いてる? ねぇってば!!」


「んあ!? なんだよ?」

「もぅ、ボーッとしてるから呪い三個くらいかけちゃったよ?」

「……解け。っぐおぉ!」


 胃が痛い! これは痛いぞ! キ○ベジン、キャ○ジン、○ャベジン〜!


「あ、それは最初にかけた『お付き合いで飲み屋七件ハシゴしたサラリーマンの次の日の朝の胃』の呪いね! 痛い? 痛い?」

「ぐぉ、おぉぉぉぉ……解けぇ早く……」


 ぜ、全国のお父さま方、まことにご苦労さまです……ふぐぉぁぁぁ!


「……晩飯抜くぞ死神さん」

「解きます。残りの二つも解かせて頂きます」


 晩飯は大事らしい。


「ふぅ。ところで残りの二つはどんな呪いだったんだ?」

「ん〜と、『お付き合いで飲み屋七件ハシゴしたサラリーマンの次の日の朝の頭痛』の呪いと、『お付き合いで飲み屋七件ハシゴしたサラリーマンの次の日の朝の肝臓』の呪い〜!」


 ん〜死んでたねオレ。

 最後のとかマジヤバいよね。

 全国のお父さま方、人間ドックへ行きましょう。


「あ! 準くん、学校が見えたよ!!」


 嫌な予感がするね。すっげぇみんなの期待どおりだと思うのね。


――――――――


――そして九時間後。


「たっだいまぁ〜!」

「……た、ただい…ま……ぐふぅ」


 終わった。やっと一日が終わった。この死神のせいでオレの学校生活が散々だったことはみなさんお分りでしょう。

 そりゃあもうやりたい放題でしたよ。明日は休みだからゆっくりしよう。できそうにないけど。


 では今日の事を端的に箇条書きで述べます。


――――――――


・死神が授業中に先生の耳元で何やら囁いた。

・先生が悲鳴をあげながら教室を飛び出した。

・ビニール袋をさげて帰ってきたかと思ったらオレの机にカニ缶を並べた。

・ボーッとしているオレに向かって先生が

「今度のテスト百点にしてやる」

 って囁いた。

・死神はケラケラ笑っていた。



・死神が弁当の時間ある女の子の耳元で何やら囁いた。

・女の子は悲鳴をあげながら教室を飛び出した。

・ビニール袋をさげて帰ってきたかと思ったらオレの机に缶ジュースを並べだした。

・ボーッとしているオレに向かって女の子が

「餌付けないで」

 って囁いた。

・死神はケラケラ笑っていた。



・死神が帰りのショートホームルームの時、クラス一番の優等生の耳元で何やら囁いた。

・すると逆に優等生が死神の耳元で何やら囁いた。

・死神が悲鳴をあげながら教室を飛び出した。

・ビニール袋をさげて帰ってきたかと思ったら優等生の机にネコ缶を並べだした。

・戻ってきた死神はボーッとしているオレに向かって

「あの子怖い、消滅しそう」

 って囁いた。

・優等生はニヤリと笑っていた。


――――――――


 これは今日の出来事のほんの40分の1程度ですわ。


「準くん、御飯とお風呂どっち先にしてくれる? それとも、植毛?」


 ツッコミどころ満載で困っちゃうな。それからキサマは全国のお父さま方を馬鹿にしすぎだ。いつか教会の中に磔にしてやる。


 それから今日分かったことだが、こいつには打撃攻撃が効く!!

 あんまりはしゃいでたんでカニ缶を頭に投げたら直撃して泣いてた。


「あっ! 金の亡者準くん! カニ缶食べよっ♪」


 ん〜今日クラス全員の財布の中身チェックしてたお前にだけは言われたくなかったな。


「そうしよっか、クソったれ死神」


「貴様何故私が黄金のタレ好きだとわかった!! さては貴様八大地獄の餓鬼だな!? おのれ餓鬼の分際で生意気……」

「飯抜くぞ?」

「お風呂わかしてきまぁす♪」


 なんとなく手懐けるコツ掴んだ。

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