↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レベル-99の大佐が異世界転生したら、身体の耐久度が水に濡れたティッシュ並みだった件〜天才的な脳だけで生き残る〜  作者: ティラピア池
第3章 八万の軍勢と二十の戦場

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/41

第28話 貴族同士の決闘と、森へ逃げる騎兵

はじめましての方も、お馴染みの方も、お越しいただきありがとうございます!作者のティラピア池です。今日も皆様に楽しんでいただけるよう、気合を入れてお届けします!

その朝、ヴァルテリス領の戦場には、無数の角笛と兵士たちの足音が響き渡っていた。


その戦場の一つでは、両軍の兵士たちがそれぞれの陣地に展開していた。


ヴァルテリス軍の前方から、一人の男がゆっくりと歩み出る。


アルブレヒト・ヴァルテリスだった。


その向かい側から、黒を基調とした貴族用の鎧を身にまとった男が歩いてくる。


その男は――アークデューク・ルシウス・フォン・アークタヴィエル。


二人は数十メートルほどの距離を保ったまま、互いに向かい合った。


アルブレヒトは、静かにルシウスを見つめる。


「……久しぶりだな、ルシウス。」


ルシウスは無表情のまま、アルブレヒトを見返した。


「アルブレヒト……。」


アルブレヒトは小さく息を吐く。


「まさか、お前自身がこの戦場に来るとは思わなかった。」


ルシウスはゆっくりと剣を抜いた。


「……もう、くだらない話はいい。」


次の瞬間――。


ルシウスの姿が消えた。


「――ッ!」


その動きは、あまりにも速かった。


ルシウスは一瞬でアルブレヒトの側面へ回り込み、剣を振り抜く。


しかし、アルブレヒトはすぐに後方へ跳んだ。


「スタン・アロー!」


至近距離から放たれた矢が、ルシウスへと飛んでいく。


――バチッ!


矢がルシウスの身体を捉えた。


その瞬間、ルシウスの身体が完全に停止する。


「……!」


アルブレヒトは、その隙を逃さなかった。


すぐさま弓を引く。


「ターゲテッド・ドレイン・アロー!」


無数の矢が、あらゆる方向からルシウスへと襲いかかる。


ルシウスは動けない。


しかし、彼の剣には突然、強烈な魔力がまとわりついた。


――カン!


――カカカカン!


一本、また一本と、矢が弾き飛ばされていく。


中には空中で破壊される矢すらあった。


アルブレヒトは目を細める。


「……まだ動けるのか。」


数秒後、スタン・アローの効果が切れた。


その瞬間、ルシウスが再び動き出す。


「今度はこちらの番だ。」


――ズン!


ルシウスが一気に踏み込んだ。


アルブレヒトは最初の斬撃をかわす。


二撃目。


三撃目。


四撃目。


ルシウスの剣は、アルブレヒトに反撃の隙すら与えない。


アルブレヒトは後退しながら、矢を放ち続ける。


「ターゲテッド・ドレイン・アロー!」


――シュッ!


ルシウスが剣で弾く。


――カン!


次の矢が側面から飛んでくる。


――カン!


それもルシウスは弾き飛ばした。


それでもアルブレヒトは撃ち続ける。


一発。


二発。


五発。


十発。


やがて、数十本もの矢が空中を埋め尽くした。


ルシウスはそれらを次々と剣で弾き続ける。


しかし、その動きは少しずつ鈍くなっていた。


アルブレヒトが薄く笑う。


「お前は、全部防ごうとしている。」


ルシウスが睨み返す。


「それがどうした?」


「その分だけ、魔力も体力も消耗する。」


アルブレヒトは再び弓を引いた。


「長期戦なら、俺のほうが有利だ。」


ルシウスは黙り込む。


次の瞬間、彼の剣を中心に凄まじい魔力が集まり始めた。


「なら――短期戦にする。」


――ドン!


強烈な魔力の圧力が周囲へと広がった。


ルシウスは剣を構える。


「Sword Dominion(ソード・ドミニオン)!」


剣から凄まじいエネルギーの斬撃が放たれる。


アルブレヒトは即座に後方へ跳んだ。


――ズバァン!


彼の目の前の地面が大きく裂けた。


「……剣魔法か。」


ルシウスは再び前進する。


アルブレヒトは矢を放つ。


ルシウスが弾く。


アルブレヒトはさらに矢を放つ。


ルシウスはまた弾き飛ばす。


二人の戦いは、なおも続いた。


一分。


二分。


五分。


そして、十分。


それでも決着はつかなかった。


やがて、二人の呼吸が荒くなっていく。


アルブレヒトの額には汗が浮かんでいた。


ルシウスもまた、明らかに疲労している。


ついに二人は、数メートルの距離を取って停止した。


ルシウスは剣を構える。


アルブレヒトも弓を構える。


どちらも退くつもりはなかった。


その時――。


――ブォォォォォン!


ルシウス軍の後方から、戦争を告げる角笛が響いた。


すぐに軍の指揮官が叫ぶ。


「全軍、前進!」


数千の兵士たちが一斉に動き始めた。


アルブレヒトは後方をちらりと見る。


「……そういうことか。」


ルシウスも自軍を確認する。


「この続きは、また後だ。」


アルブレヒトは小さく頷いた。


「俺もそう思っていたところだ。」


二人は、それぞれの軍へと戻っていった。


ほどなくして、ヴァルテリス軍とルシウス軍が激突する。


ヴァルテリス軍の騎兵隊が前進を開始した。


「騎兵隊、前進!」


数百の騎兵が敵軍の側面へ向かって一気に駆け出す。


しかし――。


「Fire Wall(ファイア・ウォール)!」


巨大な炎の壁が、騎兵隊の前に出現した。


「何っ!?」


騎兵たちは思わず速度を落とす。


しかし、ヴァルテリス軍の魔術師たちもすぐに動いた。


「武器強化魔法、発動!」


光り輝く魔力が兵士たちの武器を包み込む。


「防御強化魔法、発動!」


続いて、防具にも強化魔法が施される。


騎兵隊の指揮官が剣を掲げた。


「炎を恐れるな! 隙を探して突破しろ!」


騎兵たちは炎の壁の隙間を見つけ、一気に突破していく。


だが、敵軍もすでに準備を整えていた。


「Fireball!」


「弓兵隊――放て!」


――BOOM!


――シュシュシュシュッ!


火球と無数の矢が、ほぼ同時に飛来する。


ヴァルテリス騎兵隊の先頭が、次々と攻撃を受けて隊列を崩していく。


「止まるな!」


「森へ入れ!」


まだ動ける騎兵たちは、一斉に森へと退いていく。


彼らはここで全滅することを選ばなかった。


森の中へ入り、そこで再び戦術を組み直すためだった。


一方――。


アルブレヒトは、まだ戦場の中央にいた。


ルシウスとの戦いによって、彼の体力はほとんど残っていない。


アルブレヒトは大きく息を吐いた。


「……まずいな。」


身体から力が抜け始めている。


その様子を、遠くから敵兵たちが見つけた。


「アルブレヒトだ!」


「もう疲れ切っているぞ!」


「逃がすな!」


数騎の敵騎兵が、一斉にアルブレヒトを追い始める。


アルブレヒトは後退しようとする。


しかし、その足取りは明らかに重かった。


「……くそっ。」


敵騎兵が迫ってくる。


そのうちの一人が槍を高く掲げた。


「これでアルブレヒトを倒せるぞ!」


馬が一気に加速する。


槍の穂先が、アルブレヒトへ向けられた。


しかし――。


――ドドドドドド!


突然、木々の向こうから大量の足音が響いた。


アルブレヒトが振り返る。


森の奥から、ヴァルテリス軍の槍兵隊が姿を現した。


彼らは即座に隊列を組む。


「槍兵隊、陣形を組め!」


兵士たちは一斉に槍を構えた。


無数の槍が、一本の壁のように並ぶ。


敵騎兵たちは一瞬だけ速度を落とした。


敵の指揮官は、その槍兵隊を見て笑う。


「……無駄だ。」


「そんな槍兵の陣形で、我々の騎兵を止められると思うな!」


敵騎兵隊が再び突撃を開始する。


しかし――。


彼らは気づいていなかった。


自分たちの後方に、ヴァルテリス軍の魔術師たちがすでに展開していたことに。


一人の魔術師が静かに手を掲げる。


「今だ。」


――ゴォォォォォ!


巨大な衝撃波のような魔法が、敵騎兵隊の背後から放たれた。


「何――!?」


敵騎兵たちの身体と馬が、前方へと一斉に押し出される。


「止まれ!」


「止まれない!」


騎兵たちは完全に勢いを失えなくなっていた。


前方にはヴァルテリス軍の槍兵隊。


後方には、彼らを押し続ける魔法。


逃げ道はなかった。


敵の騎兵指揮官が叫ぶ。


「散れ! 左右に――!」


しかし、もう遅かった。


ヴァルテリス軍の槍兵たちが一斉に槍を構える。


「今だ!」


槍兵隊が一斉に前進する。


――ドン!


敵騎兵は槍兵隊を突破することができなかった。


さらに、背後からの魔法による圧力が続いている。


敵騎兵隊の隊列は完全に崩壊した。


やがて――。


戦場の一角が静まり返った。


敵騎兵隊は、完全に打ち破られていた。


アルブレヒトは槍兵隊から数メートル離れた場所に立っていた。


その呼吸は荒く、今にも倒れそうだった。


一方、先ほど森へ退いたヴァルテリス騎兵隊は、すでに森の奥まで移動していた。


彼らは十分に距離を取ったところで停止する。


騎兵隊の指揮官が残った兵士たちを見回した。


「全員、少し休め。」


一人の兵士が頷く。


「ここで、新しい作戦を立て直しましょう。」


森の外では、まだ戦争が続いている。


そして、その二つの軍勢の間で――。


アルブレヒトは、まだ立っていた。


身体はすでに限界に近い。


それでも彼は、戦場を見つめ続ける。


「……この戦争は、まだ始まったばかりだ。」

少しでも「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけたら、ページ下部の**【ブックマークに追加】や【評価(★★★★★)】**をいただけると嬉しいです!皆様の応援が執筆の大きな励みになります!もしかしたら「こういう設定の小説は途中でエタる(エピソードが途絶える)んじゃないか……」と思って、ブックマークをためらっている方もいるかもしれません。ですが、断言します。私はこの作品がライトノベル化、コミカライズ、そしてアニメ化するまで絶対にエタりません(更新を止めません)!ぜひ大佐の行く末を、一緒に最後まで見届けてください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。