表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

第2話 禊ぎの日

ぽつり。

また、ぽつり。

空を見上げると、雨が落ちてきていた。


夜になるころには、雨は本降りになっていた。

屋根を打つ雨音だけが、静かに響いている。


御堂の中で、二人は向かい合って

夕食をとっていた。


しばらくして、山神さまがぽつりと言う。

「今日は、人里に下りる日ではなかったのか?」


ハルは手を止め、

丁寧に箸と椀を置いた。


「そのつもりでしたが、雨が降ってきましたので。

明日、雨があがれば里に下りるつもりです」


「明日は禊ぎの日だぞ」


「はい、分かっています。

それまでに帰ってきます」


山神さまは何も言わず、箸だけを動かした。

雨音だけが、二人の間に流れていた。



翌朝。

雨は止み、葉に残った雫が朝の光を受けて美しく輝いていた。


ハルは急いで支度を整え、

里へ下りて用事を済ませると、足早に山へ戻った。


御堂の前では、山神さまが仁王立ちで待っていた。


「……遅い」


その一言だけを、不機嫌そうに落とす。


けれどハルは慌てることもなく、

「申し訳ありません」と小さく答えると、

淡々と禊ぎの準備に取りかかった。


山神さまは何も言わない。

ただ、その様子をじっと見ていた。

お読みいただきありがとうございます。

次回は3月28日に、第3話「祈りの届く山」を更新予定しております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ