表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白銀の三姫  作者: suzuyumi
12/12

間話1〜別れの前夜〜


ルツが覚悟を決めた夜。


クーロの執務室からルツが「おやすみなさい」と言って出ていった。

扉が閉まると同時に、アスリルが低い声で切り出した。


「おいクーロ、話が違うじゃないか。エイトを護衛につけるんじゃなかったのか?」

「今変えた」

「お前が城に、一人になるじゃねーか」


クーロは窓の外を見たまま答えた。


「分かってる。……だから、あなたに手紙を渡したんでしょ」

「…本気か?」

「本気」

「二人でおんなじ返事しやがって……」


アスリルは深く息を吐き、頭を掻いた。

クーロはようやく振り返り、いつもの笑みを浮かべる。


「……お願いよ、アスリル。ルツとティースを頼むわ。あなた以外にも、優秀な人材は多いもの。こっちは何とかなるわよ」

「誰が内通者か分からないのに、何が大丈夫なんだ!」


声が荒くなる。

クーロの笑みが、少しだけ翳った。


「…分かるわよ。ここに証拠は無いけれど、必ず捕まえてやるわ」

「それに……」


アスリルは珍しく、言葉を選ぶように間を置いた。


「クーロが暴走したら誰が止めるんだよ」

「そうね……ティースもアスリルも居ないんじゃ、誰も止められないわね」


クーロはあっさりと認めた。

その口調は軽いが、目は笑っていなかった。

沈黙が落ちる。

月明かりが、二人の間に細く伸びていた。


「しばらく安心して眠れないだろうから、今夜は1人でゆっくり寝かせて」


クーロが静かに告げる。

アスリルはしばらく彼女を見つめていたが、やがて扉へと向かった。


「………また明日な」

「また明日ね、おやすみ」


扉が閉まる音。

一人残されたクーロは、窓辺に立ったまま動かなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ