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白銀の三姫  作者: suzuyumi
11/12

序章〜旅立ちの朝〜

翌朝。


ルツとアスリルは、城門の前に立っていた。

見送りに来た兵士たちが、静かに敬礼をする。


「本当に行くのか?」


アスリルが問う。ルツは力強く頷いた。


「うん。ティース姉様を助けなきゃ」


「……そうだな」


「ありがとう、アスリル。一緒に来てくれて」


「一人で行かせるわけにはいかないだろ? クーロお姉様のご命令でもあるしな」


アスリルは少しだけ笑って見せた。

その穏やかな笑顔に、ルツの緊張がほどけていく。


「ふふっ……ありがとう」


そして、二人は城門をくぐろうとした――その時。


「ルツ!」


振り向くと、クーロが駆け寄ってきた。

息を切らしながら、手の中に小さなものを握っている。


「これを――」


差し出されたのは、小さなペンダント。

オレンジ色の石が、朝日を受けてやわらかく光っていた。


「姉様、これ……」


「私が使ってた魔力緩衝石。お守り代わりに持っていって」


クーロはルツの首に、そっとそれをかけた。

石から、微かに温もりが伝わってくる。

きっと、クーロの魔力が残っているのだ。


「姉様……」


「一緒に行けないけれど、無事を祈ってるわ」


クーロは笑った。

けれど、その瞳には涙が浮かんでいる。

本当は、一緒に行きたい。

妹を危険な旅に出したくなんてない。

でも――城を離れられない。


ティースを探すためにも、この国を守るためにも。


「……ありがとう、姉様。必ずティース姉様と一緒に帰ってきます」


ルツはクーロに抱きついた。

クーロもぎゅっと抱きしめ返す。


「待ってるから。絶対に無事に帰ってきてね。約束よ」


「……うん」


抱擁を解き、ルツとアスリルはゆっくりと城門をくぐった。

背後で、クーロが静かに見送っている。


オレンジ色のペンダントが、ルツの胸元で小さく揺れた。

まるで、クーロが傍にいるように。


朝日が二人の背を照らし、城の姿は次第に遠ざかっていく。


―――


城門の前。


クーロは一人、立ち尽くしていた。

ルツの背が見えなくなるまで、ずっとその場を離れなかった。


「……ごめんね、ルツ」


小さく呟く。

首元が、少し寒い。

いつも身につけていたペンダントが、もうない。


けれど、それでいい。

あの石が、ルツを守ってくれるはずだから。


「無事でいて……お願い」


クーロは振り返り、ゆっくりと城へ戻っていった。


彼女の戦いは、まだ始まったばかりだ。


―――


こうして、ルツの旅が始まった。

姉を救うために――

そして、まだ知らぬ真実へと向かうために。


――序章 了――

序章終わりました!

読んでくれてありがとうございます。

続きは随筆中です、サクッと読める長さで出して行きたいです!よろしくお願いいたします!

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