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裂け目で踊る変な人たち  作者: CIKI
プロローグ:裂け目の時代
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常識崩壊時代のサバイバルガイド

2030年代半ば、世界は激動の時代を迎えていた。


きっかけは「新しい世界恐慌」。


これまで一強だったアメリカの覇権が崩れて、連鎖的に世界中が混乱に巻き込まれた。物価はガンガン上がるし、経済はガタガタ。


なんとか持ちこたえていた先進国G7もバラバラになり、それぞれが「自分たちで何とかしよう」と孤立を深めていた。


政治の世界ではポピュリズムが大流行で、どこもかしこもデジタル監視社会が進み、「なんだか昔より生きづらいなぁ」と感じる人が増えていた。


日本も例外じゃなかった。「日本株式会社」と呼ばれた経済システムは完全に崩壊。


企業と労働者は分断され、「清潔で便利で安全」なんて言われた都会も、もう昔の話だ。アルゼンチンのブエノスアイレスがかつて「世界一の都市」と呼ばれながら衰退したように、日本もその道を辿っているようだった。


政治は腐敗して、国民は内向きになり、改革なんて遠い夢の話だ。


一方、アメリカはどうかと言うと、表面上はまだ豊かそうに見える。でも、その中身はというと……ホームレスの若者が溢れるポートランド、犯罪都市と化したデトロイト。誰もが知ってるGAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)みたいな巨大企業が「アメリカの象徴」っぽく見えるけど、実際にはそれらの企業が海外で稼いだお金をアメリカ国内に還元することはほとんどない。


むしろ、彼らは「アメリカがダメになった時のため」に着々と準備を進めている感じだ。


世界全体が、これまでの資本主義が限界を迎えたことを薄々感じ始めていた。いわゆる「富の集中」という仕組みは、もう行き着くところまで行ってしまった。特に先進国が「他国の安い労働力を搾取して成り立つ経済成長モデル」は完全に破綻。


グローバルに賃金格差が縮小していく中で、国全体としての豊かさはあっという間に失われていった。


日本では貧困率がG7の中でも米国に次いで2番目に高いレベルに。かつての「清潔で便利で安全」というイメージはすっかり崩れ、多くの人が「もう希望なんて持てない」と諦めかけていた。


そんな状況の中でも、社会の片隅で自分なりの価値観を貫いて生きる人たちがいる。世間からは変人とか、日陰者なんて呼ばれているけれど、彼らにとっては「普通」の生き方なんてそもそも必要なかったのかもしれない。


この物語は、そんな時代に“自分の道”を歩む変人たちの話だ。彼らは時代に流されず、自分らしい生き方を選び取っている。


そして、時に不器用に、時に滑稽に、それでもたくましく生きている彼らの姿は、どこか温かく、読者の心にちょっぴり希望の火を灯すはずだ。


さあ、変人たちの世界へようこそ!


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